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枳殻亭で粥膳
春の渉成園で粥膳をいただきました。
渉成園というのは東本願寺の飛び地境内地でその昔、園の周囲に枳殻(カラタチ)が植わっていたことから枳殻亭(キコクテイ)の名前でも親しまれています。というよりむしろタクシーの運転手さんには「枳殻亭まで」と言わないとわかってもらえなかったりします。
今日は偉い人に付いていったのですが、その偉い人がタクシーで「渉成園までお願いします」と伝えたところ、運転手さんがよくわかっていない感じだったので、すかさず私が「枳殻亭(キコクテイ)までお願いします」と言ってやろうかと思ったのに偉い人が「あっ、東本願寺の前でいいです」と言い直してしまったので私の出る幕はなくなりました。しょぼーん。抑えのピッチャーが肩を作っていたら味方が8回に一挙7点取ったから登板が無くなったときってこんな気持ちかもしれません。
さて。渉成園の粥膳というのは、東本願寺にお供えされたお仏供(お仏飯)のおさがりを用いて調理されたものでして、春をイメージした菜の花粥、フキノトウとヒロウスの炊き合わせ、お豆さん煮、お漬物などが朱塗りの器に盛られております。
桜が満開の渉成園のお庭を眺めながら粥膳がいただけるはずやったのですが、私の席は目の前が柱になっておりまして、お庭はまったく見えませんでした。ライブ好きの方ならわかると思いますが、磔磔の真ん中の柱の後ろみたいな感じです。かつての十三ファンダンゴにも似たような柱がありました。
コロナ禍のため隣席同士でも私語は慎みましょうという注意があり、いざ粥膳をいただくわけですが、箸入れの袋には「食前のことば」が書いてあり、それはどんな言葉かというと、
み光のもと
われ今さいわいに
この浄き食をうく
いただきます
というものでして、お寺の方が「わたくしが"み光のもと"と申しますので二行目からは皆さん一緒に声を出してください」とおっしゃったので「私語はあかんけどこっちはいいんや」と思いながら一緒にいただきますをしました。
お粥のみ、おかわり自由と言われたものの、遠慮しておこうと思っておりましたが、出席しておられるおじいちゃんおばあちゃんのほとんどがおかわりされていたので、おかわりしないと損な気がしたので私もおかわり。こういうところが俗世に汚されまくっています。
ぜんぶ美味しくいただいたあとお白湯が出されて、これをお粥を食べ終えたお椀に注ぎ、それを飲み干すことで食材を無駄にしないでおく、ということやったんですが、これって食材を無駄にしないばかりか、食べ残しが無いのは洗い物をする際にもありがたいし、こういうちょっとした心配りがSDGsに繋がるのではないのかしらと考えた次第。
ご馳走様のことばも皆んなで声を出して外へ。柱に邪魔されて見えなかった渉成園の桜が空色の空に映え、長閑な園内は時が止まっているようでした。
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