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令和6年読書の記録 雨穴『変な絵』
見れば見るほど、何かがおかしい?
不穏なブログ、
消えた男児、惨殺死体、補導少女・・・
「奇妙な絵」に秘められた
衝撃の真実とは!?
↑本そでの紹介文引用
ホラーな作風を得意とするウェブライターでユーチューバーとしても活動されている雨穴さんの小説です。これは『変な絵』ですが、『変な家』っていう作品もあり、こちらは映画化されているんですよね。どうやら原作とずいぶんテイストが変わってるみたいですが原作も読んでないし映画も観てないのでなんともいえません。
私は普段、まったくといっていいほどYouTubeを見ないのですが、先日、小学四年の次男が雨穴さんのYouTubeを見ておりまして、それがこの『変な絵』だったんです。なんのことはない、あるブログを読み進めていくと、なんともいえない違和感があり、その違和感の正体を紐解いていくと実は恐ろしい現実が・・といった内容で、非常に惹き込まれるものがあったのですが、正直、本を買って読もうとまでは思っていなかったんです。
ところが、次男がこれを「読みたい」と言ってきまして。私はそれが嬉しかった。私は遅ればせながら三十歳を超えた頃から読書にはまりはじめ、新聞雑誌小説エッセイその他いろいろ、読むのが好きで毎日何かしら読んでおるのですが、子供たちはあまり本を読みません。私自身、幼い頃は本を読むことをそんなに積極的にはしてこなかったので、我が子にそれを求めるのもいわゆるダブルスタンダードというものと思いつつ、しかし読書は面白いんだけどなー、読んでほしいなー、でも、あれか、活字しかない本、聴覚しか揺らさないラジオなんかは今の子供たちに魅力がいまいち伝わらないかもなー、などと半ば諦めておったところに「読みたい」なんて言い出すものですから、それなら買ってやろうじゃないか、と一緒に書店へ行ったものの、『変な家』のほうは文庫化されておりましたが、『変な絵』はまだ文庫がなかったので、文庫が出るまで待ってくれるかな、と説得したわけなのですが。※文庫って何と質問されそれに答えたくだりは割愛する。
しかし、子供の好奇心なんてちょっと放っておいたらすぐにどこかへいってしまうことも知っているから、たかだか数百円を出し惜しんで読書への好奇心を萎えさせてしまうのは、あまりにも惜しいのではないか。数百円とどっちのほうが惜しいんだい!?
答えは明白。
翌日、書店へ行き、『変な絵』を購入し、次男に読ませる前に私が読んでみたというわけです。
第一章から最終章の第四章まで話があり、私はこれを章ごとに異なる別の話として読んでおったのですが、それぞれの章がすべて繋がっているんですよね。章ごとに「その終わり方なんやねん」っていう感じで話が終わるので、ふん、所詮ユーチューバーの小説なんてこういうところがあるもんだよな、なんて思ってしまった私のクズぶりを呪いたい。ああ、そういうことやったのか。雨穴さん、本当に失礼いたしました。ろくにちゃんとした情報を得ず先入観で判断するとこういうことになる。探偵ものに出てくる警察がだいたいこのタイプ。
第二章で、母子を付け回す怪しい人物が出てきて、それはそれは不穏な空気が流れているんですが、私、それを東京からの帰りの新幹線で読んでおりまして。東京は雨降りでした。
京都で降りるすぐ前もずっと読んでおりまして、内心ドキドキで早く続きが読みたいと思いつつ、窓側の席でしたので、通路側のお兄さんの前を通り過ぎたところ、背中をトントンと叩かれました。私の頭の中には母子を付け回す怪しい人物の残像がありましたので、驚いてかなり大きな声で「ひやっ!!!」と叫んでしまい、振り返ると通路側のお兄さんが、さっきまで私が座っていた窓側の席を指差しています。
傘が置きっぱなしになっていました。大変申し訳ございません。
謝ってばっかり。
『変な絵』、大変面白かったのですが、しかし、はたしてこの面白さを小学四年の次男が理解できるのだろうか。どちらにせよ楽しみですが、私が先に読んでいるうちに関心を失っていたらどうしようか。この際、それは別にいいや、面白かったから。とはいえ、これが次男が読書に親しむきっかけになってくれたらいいな。
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私の面白い本『1人目の客』も是非先入観なしで読んでみてください。ネットショップ「暇書房」にてお買い求めいただけます。