見出し画像

バイデンの演説翻訳比較その5

バイデン大統領就任演説について、新聞各紙がどう翻訳したか?を調べています。今回取り上げるのはコチラ。

We look ahead in our uniquely American way- restless,bold,optimistic- and set our sights on the nation we know we can be and we must be.

今回興味深かったのが、our uniquely American way(米国独特の方法(「京都新聞」)米国らしい独特のやり方(「読売新聞」)米国独自の方法(「朝日新聞」「産経新聞」)
米国独自のやり方(「日経新聞」)についてです。

「restless,bold,optimistic」とバイデンさんは言っています。これを各紙どのように訳しているのかといいますと、

●「京都新聞」たゆまず、大胆で、楽観的
●「読売新聞」休み知らずの大胆かつ楽観的なやり方で
●「朝日新聞」たゆまずに、勇敢に、楽観的に
●「産経新聞」休むことなく、大胆に、楽観的に
●「日経新聞」たゆまず、大胆で楽観的な

「optimistic」については全紙「楽観的」と訳していますが、その前の「bold」は各紙が「大胆」と訳すなか「朝日新聞」のみ、「勇敢に」と訳しています。googleで調べてみたら確かに私が「勇敢」だと思っていた「brave」と「bold」の違いについて書いているサイトがありました。それによると「勇敢さ」を表すのに最も一般的な言葉が「brave」で主に行動を伴う勇ましさを表し、恐怖や困難に立ち向かうというニュアンスがあると書かれていました。いっぽう「bold」はというと、「物怖じすることなく大胆不敵で、良く言えば勇敢だが、悪く言えば無知、無謀、無礼というネガティブな要素を含む」とのことです。そうした言葉を使ったというのは、バイデンさんなりの「謙虚さ」なのでしょうか。前大統領なら「brave」だったのかもしれません。

そして「restless」ですが、こちらは、
●「京都新聞」たゆまず
●「読売新聞」休み知らずの
●「朝日新聞」たゆまずに
●「産経新聞」休むことなく
●「日経新聞」たゆまず 

英語を知らない私だって「rest」が「less」なんだから「休みがない」だよね。ってくらいはわかりまして、それをかっこつけて「たゆまず」なんて言っちゃうわけね!と思っていたのですが、googleで「restless」を検索すると最初に出てくるのは「落ち着きがない」っていう意味なんですね。だから私の想像する「休養」のニュアンスの「休み」が無いのではなく、「安静」のニュアンスの「休み」が無いことを指したりもするということです。「安静(rest)」が「無い(less)」はつまり、「絶えず動いている」という意味でもあり、「restless waves」で「寄せては返す波」になったりするみたいです。それを常に一定の緊張状態にある「たゆまず」と訳すのはとてもキレイだなーと思いましたが、いっぽうで、「たゆまない」のってあんまり「米国独自の方法」じゃないような気もしましたが、その辺りのことはもっと勉強すると見えてくるかもしれませんね。

ただ、こうして訳を追いかけていって、restless,bold,optimisticで思い浮かんだのはアメリカ人ではなくアントニオ猪木の名言「迷わずいけよ、行けばわかるさ」だったのでした。やっぱりあの人のルーツにはアメリカンプロレスがあるのですね。猪木のプロレスはアメリカンプロレスやと武藤も言うてました。

それはそれとして、今回の部分に関していうと「産経新聞」は何が言いたいのかよくわかりませんでした。

#バイデン
#ジョーバイデン
#アメリカ大統領
#バイデン大統領
#大統領演説
#英語 #英訳 #翻訳 #英語の学習

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?