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ヒップヒンジは腰痛予防にはならない

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

ヒップヒンジ

について話していきたいと思います。

筋トレのデッドリフトでもよくいわれる

ヒップヒンジという動作ですが

この動作は腰痛予防としても

Stuart McGill先生も推奨しています。

実際にこの動作は脊柱への負担も少ないので

腰痛予防には効果的ではあると思うのですが

私が思うにこの動作は

根本的な解決にはなっていないと思います。

なぜそのように思うのか

私なりに説明させていただきますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


ヒップヒンジ動作とは

ヒップヒンジ動作とは読んで字のとおり

股関節を中心に動く動作です。

この動作では脊柱を丸め込むことはないため

脊柱への負荷が最小限になります。

しかも殿筋群やハムストリングスを使っているため

無駄に関節に負荷はかかりません。

一般人にはしゃがむ動作や下に落ちているものを取る際に

このような動作をするように指導される傾向にあります。

よくあるのが背中を丸め込むのではなく

膝を曲げて下から物をとるのが負荷のかからない動作と

述べられているのもありますが

Stuart Mcgill氏はこの動作に関しては

膝への負荷が集中しているため関節炎になる可能性が高いため

推奨しないと述べております。

確実に脊柱に負担のかからない動作ではあるのは

間違いありません。

しかしこの動作の習得が予防や治療につながるのでしょうか。



脊柱の使い方の問題

私が思うに腰痛の原因は

脊柱の使い方にあると感じています。

この使い方は前述した

「脊柱に負担のかからない」使い方ではなく

「脊柱への負荷を分散させる」使い方です。

どういうことかというと

脊柱を剛体としてではなく、分節的に使うということです。

脊柱は一つ一つの椎骨からできており

これが連動するように働きます。

しかしこの1個1個の骨を動かせないとどうなるかというと

脊柱の伸展や屈曲をした際に

1つの椎骨に対する負荷がかかるということです。

この最たる例が椎間関節性腰痛です。

どこか一つの椎骨の柔軟性が低いことで

他の椎骨へのメカニカルストレスが集中し

炎症や疼痛を訴えるようになります。


つまり腰痛の根本的な解決には

椎骨を一つずつ連動させながら動かす能力が必要である

ということがわかります。



脊柱の安定=脊柱を固めるではない

体幹を安定させる

というイメージに代表されるように

固めることが安定させるというようなイメージがありますが

それは違います。

固めることは「固定」であり、安定とは少し違います。

安定的な運動とは

関節に局所的な負荷がかからない連動した動きです。

腰痛の方のほとんどの原因は

脊柱の動きのモーターコントロール不全なので

ここを重視して指導するのが治療になると考えます。



本日はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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