人事制度を作る上で絶対に守るルール
私は、中小・ベンチャー企業向けの新規事業の経営コンサルティング会社の株式会社Pro-D-useという会社を経営しています。
外向けには会社と言っていますが、実態はまぁ…能力の高い人たちの集落のような集団になっています。
新規事業を企画したり、戦略を考えたり、新しい売り物・商品・サービスを作ったり、それを一緒に売ったり、組織を創ったりと、ほぼ外部にその会社の従業員を雇った感じで動くハンズオン型のコンサル会社です。
だから売り物は、人材の時間(つまり、人ですね)になりますので採用にはそれなりの時間と労力を要します。
その為でもないのですが、人事制度や働き方、はたまた採用フローなんかは割とユニークなものだと思います。
ですから、我々の真似しても上手くいかない会社さんが多いと思いますし、そもそも、我々の会社の仲間ではないので一目では思想や構造の理解が難しいと思います。
ここで重要なのは、制度や決まりを作るのが目的ではなくて、独自性を持って運用をしきれるかと言う点です。
ありがちな間違った進め方
結構やってしまうのですが、最初からガチガチに上層部だけで人事制度を作ってしまって、メンバーに告知・運用強制をしていった結果、形式的に(評価に直結しない)運用されてるとか。あとは、そもそも使われなくなるとか。これ、結構多いです。
しかも、人事評価を作るのに外部に委託してウン百万円とかウン千万円とかかけてる会社って多いんですよね。ここで『それだけお金掛けてる会社なんだから、人に対して真面目で誠実な会社なのでは?』と思う人いますよね?これが、逆のことが多くて。
費用を掛ければ掛けるほど"らしさ"はなくなる
制度を作り始めるタイミングって、会社設立からそれなりに経って、今までは経営者の『エイやっ』で従業員の給与を決めてたんだけど、士業や銀行さんとかから、そろそろ作らないといけないんじゃないですか?とか言われたから、とか。はたまた、30人規模になったけど優秀な人材の離職が止まらなくって、現場からの話を聞いてみるとどうやら評価に不透明性があって辞めてるんじゃないか?って言われたので焦って、とか。
要は、考えるのが面倒くさくてお金掛けて解決しちゃおうって会社(経営者)の方がほとんどです。(…ただ、気持ちはお察しします。重要度は高いけど、他の仕事と違って緊急度が上がらないのが人事制度の特徴です。)
人事制度って(私、リクルートには5年ほどいましたが、人事専門のコンサルじゃなく利害がないので断言できますが)、その会社の未来を投影するもの。だから、テンプレートじゃもちろんダメですし、一回作ったら終わりじゃないんですよね。もっと言うと、制度って特段決められた型なんてないので、汚くてもいいのでまずは自社で作ってみないとダメですよ。外部に相談するなら、作ってからです。この順番を間違ってる経営者さんが多い。
『まずは骨格を外部のコンサルと作ってから、そこに独自性を』と考えている方が多いと思いますが、これだとコンサル会社の(言い方悪いですけど)とてもいいカモです。非常にテンプレートに流しやすいですし、感謝もされやすい(面倒なとこをやってくれたと思われるから)。コンサル会社はほとんど何も考えないでテンプレ提供してるのにですよ。
いいコンサルタント(会社ではなくて、良し悪しを判断するなら絶対に担当のコンサルタントさんの質です)さんを選ぶなら、まずは独自で作ったものを見て、その作った背景なんかをヒアリングして、現場を見て、聞いて、独自性を維持したままの制度を作ってくれるプランニングをしてくれる人じゃないとダメです。
改めてですが、人事制度(もっと言うと人の採用や育成も)は会社の未来の投影です。その未来はテンプレートでいいのですか?全部、外部の人に任せるのですか?
会社の未来を創るのは、経営者と従業員さんです。未来を創るのに、関わる時間の少ない外部の人に丸投げはNGです。
息をするように、人事制度は自分で作りましょう。
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