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【総合的な探究の時間】学校現場サポートサービスたち

22年度から高校では、新学習指導要領が適用され「総合的な探究の時間」が本格的に導入されていきます。前回の記事で、新学習指導要領の「総合的な探究の時間」解説を読み、総合的な探究の時間の目指すところをまとめました。(【総合的な探究の時間】名称変更からみる目指すべき姿

とはいえ、学習指導要領はその方針を示しており、具体的な方法や内容が示されている訳ではありません。
つまり、学校の先生は、学校の状況や生徒たちの状況を踏まえてカリキュラムや授業を設計していかなければならないのです。そこで今回は、既に教育現場をサポートしているサービスを調べてみることとしました。特に今回は高等学校で使えるサービスに焦点をあて、「評価」に関するサービスは省いて「教材」「プログラム」「学校支援」を提供するサービスを調べてみました。

1.サービス紹介の前に、ベネッセの特集記事を読みたい

関連のサービスを調べる前に、探究活動の先行事例や、生徒たちがどのように変容していったのかがわかる(教育効果がわかる)記事がありましたので、そちらを紹介したいと思います。
ベネッセが発行している『VIEW next (21年4月に『VIEW21』から名称変更)』です。学校現場に2ヶ月に1回程度の頻度で発行している教育情報誌ですが、バックナンバーがWEBでも閲覧できるようになっています。この2020年度の臨時増刊号は、大変わかりやすく先行事例をまとめてくれています。

『VIEW21』高校版 2020年度 臨時増刊号
【特集】予測困難な社会を生きる力を育む 探究学習 一歩前へ

この記事が素晴らしいのは、探究学習に取り組み終わった生徒にも取材をしていることです。大学に進学しているため、その進学先も想像しやすいというところも参考になる情報です。
インタビューでは、「探究活動の中で、英語記事を読まなければならず、必要性を感じた」「自分のチーム内でのコミュニケーションは一方的なもので、対話をしていないことに途中で気がついた」など、生徒が自分の言葉で自分の考えや行動の変化について語ってくれています。
また、その生徒たちが探究活動をしていた際にアドバイザーになっていた先生がどのように考えていたのかについても記載されているため、指導の参考にも使っていただけます。

「探究活動では、何をやるべきか?」という考えからスタートせず、「どんな教育的な効果を目指すべきなのか?」をまずは考え、その次に「何をやるべきなのか?」という順番で考えることができる良い記事だと感じました。

ここからは実際のサービスについてご紹介していきます。実は「高校向け」とうたっているサービスはあまりなく、高校生でも扱いやすいラインナップを揃えているものを取り上げみました。

2.啓林館 課題研究メソッド

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最近、総合探究系の教材として耳にするのが、啓林館の課題研究メソッドです。啓林館と言えば教科書会社さんなので、ご存知の方も多いと思います。教科書会社であることから、学校現場ではどのような教材ラインナップが必要なのかをよくご存知です。さまざまな教材がありますが、ラインナップとしては、必要十分なものをシンプルに取り揃えているなという印象です。

<ラインナップ>
・課題研究メソッド 2nd Edition
・課題研究ノート 2nd Edition
課題研究メソッド 2nd Edition Teacher's Manual ~指導の手引き~
・課題研究メソッド スタートブック
課題研究メソッド スタートブック 指導用DVD-ROM
https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/kou/tankyu/

↑太字にしたものは、学校からしか購入することができない商品ですが、この先生用の「手引き」や「DVD-ROM」というのが、教科書会社らしいラインナップとなっています。
普段、専門教科の授業準備を進めていく時にも教科書会社が発行している指導用の手引きを参考にする先生は多く、「総合的な探究の時間」という新しい科目に対して参考資料があり、普段と同じように準備進めていけることは先生方にとって大変魅力的な商品・サービスです。学校で生徒に購入させる教材としては、1,800円と少々割高ですが許容される範囲の金額が設定されています。
実際にその導入のしやすさから採用されている高校も多いようです。

3.一般社団法人Fora 探究学習支援パッケージ

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Foraは、学校教育(高校教育)に特化した支援を行っている一般社団法人で、「高校支援事業」「教育の担い手支援事業」「教育事業者支援事業」と三つのアプローチから教育をよりよくするための取り組みを行なっています。その中で、「高校支援事業」の探究学習支援パッケージをご紹介したいと思います。

<ラインナップ>
・年間を通して使える教材と指導書
・専門的な知識を活かした生徒の探究活動の支援
・専門的な知識を活かした先生・学校支援

●教材と指導書

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1年間で使える学習教材を2種類と先生向けの指導書を用意しているようです。

●生徒の探究活動の支援

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探究活動を進めていくと、生徒一人ひとりが違う課題に取り組むということも珍しくありません。多くの学校の場合、先生一人が数十人の生徒を対応することになり、きめ細やかな指導というのは難しくなってしまうものです。学校によっては「高校2年生は論文を書く学年で、その指導は学年関係なく校内の先生全員で行う」と決めている学校もありますが、全ての学校がそのような体制を取れるわけではなりません。
そこで、Foraから生徒の個に応じた指導やサポートをしてもらうことで、先生方の負担を軽減していくことができるようになります。

●カリキュラム設計や教員研修

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総合的な探究の学習は、教科科目関係なく全ての先生が関係してくる科目になります。もちろん、先生方はそれぞれの科目のバックボーンや「探究」というものへの知識や知見が異なります。先生が変わっても探究に関する最低限の指導のクオリティを担保しながら、先生方の専門教科の特徴を活かした指導をしていける状態が学校として理想的な形です。そこで、Foraが専門的な知識を用いて認識を揃えるお手伝いをしてくれるそうです。

このように組織として共通認識を形成する方法はICTが導入される時にも広く用いられた方法でした。学校の先生はやることは多くありますので、外部の力を借りて効率的にノウハウや知識を吸収し、時にはお手伝いしてもらいながらカリキュラム設計や授業の準備を進めていただければと考えています。

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