騒音公害企業に融資する「銀行のコンプライアンス方針」はどうなっているか
ガスヒートポンプ設置企業・団体は、自己資金が潤沢にある場合を除き、「銀行からの融資により建築設備を含む建築物の建設費用を調達」している前提で述べさせていただく。
まず最初に、北海道を代表する二つの銀行のコンプライアンス方針について分析を行う。
北海道銀行は、コンプライアンスの基本方針として、
・地域金融機関としての公共的使命と社会的責任を認識
・法令やルールを厳格に遵守し、企業倫理・社会通念に逸脱しない
・社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力を許さない
としている。
次に、北洋銀行は、
・反社会的勢力との取引は一切排除、資金提供しない
・当行およびグループ会社の業務の遂行において生じうるお客さまの利益を害する可能性のある利益相反状況を特定し、お客さまの利益が不当に害されることを防止する
としている。
これらコンプアイアンス方針をガスヒートポンプ被害者、かつ銀行顧客の視点で組み合わせるとこうなる。
・地域の金融機関として公共的使命と社会的責任を認識
・法令やルールを厳格に遵守、企業倫理・社会通念を逸脱しない
・社会の秩序や安全を脅かす反社会的勢力を許さない
・反社会的勢力との取引は一切排除、資金提供しない
・当行およびグループ会社の業務の遂行において生じうるお客さまの利益を害する可能性のある利益相反状況を特定し、お客さまの利益が不当に害されることを防止する
上記方針等のひな形文書は全国銀行協会が情報提供しているとみられることから、道内のほとんどの銀行の場合、上記二行と似たようなコンプライアンス基本方針となっているとみて差し支えなさそうだ。
建築物の工事資金に含める形でガスヒートポンプ設置資金を融資した場合を想定したい。
少なくとも融資の実行により、結果としてガスヒートポンプの騒音公害が発生した場合、北海道を代表する二行の場合、
①ガスヒートポンプ設置工事資金を融資した結果として、銀行としての社会的責任を認識
②(銀行にとってお客さまである)「被害者住民からの要望を無視するような融資先企業・団体」に対し、銀行として、コンプライアンス上「企業倫理、社会通念を逸脱した企業・団体」として取扱う
③(銀行にとってお客さまである)被害者住民に対し、「暴力、威圧的手段、各種迷惑行為等により、社会の秩序や安全を脅かすような反社的対応するような企業・団体」への融資は一切行わない
④融資先の企業・団体による、(銀行にとってお客さまである)地域住民の生活環境および生活権を脅かすような「騒音公害発生が予見されるような(運用最大の騒音値が)環境基準値を超える機種選定、低周波音被害が発生するような(防音壁設置や制振材・消音器等取付を設計上想定しない、手抜き工事設計状態での)のガスヒートポンプ等建築設備設置工事」に係わる融資は原則認めない
と解釈することになる。
ネット上では、暴力団と取引関係にあった企業に対する取引銀行の対応が話題となっている。
長期間、騒音公害が放置され未解決事案となっているケースについては、加害企業・団体の取引銀行を特定し、コンプライアン案件として銀行頭取に対し、被害発生状況等説明しつつ、上記①~④のシナリオ等に沿った要望書提出が考えられる。
ガスヒートポンプが騒音規制法の規制対象外となっている関係で、(行政上の権限がない)札幌市環境局に対応を求めるよりは、「取引銀行に要望した方が、問題解決できる可能性が高い」と考える次第。
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