
【本】今こそドラッカーの『マネジメント』から、その「基本と原則」を学ぼう。
『エッセンシャル版 マネジメント -基本と原則-』P.F.ドラッカー
ドラッカーさんの数多くの著書のうち、敢えて直球のこちらをご紹介します。
混とんとした情勢の今だからこそ、ドラッカーさんからマネジメントの「基本と原則」を学ぶべきときでは無いかと感じます。
この本の「日本の読者へ」と題された前書きに、有名な以下の一文があります。
「基本と原則に反するものは、例外なく時を経ず破綻する」
なかなかセンセーショナルな一文です。
マネジメントの父と言われるドラッカーさんですが、ドラッカーさんはマネジメントを考え出した訳でも、発明した訳でもありません。その概念はドラッカーさんが生まれる前の時代からありました。
ドラッカーさんは、人が自由に活き活きと生きることのできる社会を実現させたい、という思いを持っていました。そしてそのためには、マネジメント、特に組織(企業)のマネジメントが欠かせないのではないか、と考えます。社会を構成し、社会に影響を与えるのは多くの組織や企業だからです。
そこでドラッカーさんは、社会に貢献し続ける(成果を出し続ける)企業に共通して存在する原理原則は何か、それを徹底的に調査・研究し、その鋭い洞察力で、マネジメントの「基本と原則」をあぶりだし体系化しました。
机上の空論になりやすいその他の経営理論と決定的に異なる点はここにあります。
経営のやり方を問うているのではなく、企業の「あり方」を問うているのがマネジメントです。そしてそれは実践の現場のから抽出された普遍的な存在です。
「基本と原則」は時代を問わずどの組織(企業)にも適応が可能なはずです。一昨年にベストセラーとなり話題となった「ティール組織」を読んでも、そのあちらこちらにドラッカーさんの思想を感じたのはそのためだと思っています。
そして、注目すべきは、ドラッカーさんの研究対象に多くの日本企業が含まれていたということです。
同じくドラッカーさんの著書である『プロフェッショナルの条件』には、
「戦後日本の奇跡は、主としてマネジメント、特に企業マネジメントの成果だった。」
とはっきりと書かれています。
もしこれが事実だったとするならば、我々はいつしか「基本と原則」を見失ってしまったのではないか。そして逆を言えば、「基本と原則」を再び取り戻すことができれば、多くの企業が、社員が活き活きと輝きながら働き、再び輝かしい成果をあげる企業に蘇ることができるのではないか。そう思えてきます。
ドラッカーさんがその生涯をかけて体系化に成功をした「マネジメント」を、一緒に学びなおしませんか?