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子育てと習い事 強く?やさしく?たくましく? 『今の子どもたちとは一方通行じゃ通じない』


そりゃぁ子どもの成長を楽しみにしている親がほとんどだと思います。
だから、習い事というアプローチで成長の機会を作る親は多い。
スポーツや学習、レーシングカートや囲碁といった世界まで、テレビやネットではプロとして活躍する神童たちの姿を毎日の様に見かけます。

さぁそのときに迷うのは、どんなスタンスで?どの程度の強度で?導くかという点。
 幼いうちは強く引っ張るべきとするぐいぐい派もいるでしょうし、
 子どもの意思を終始極力尊重するスタンスもあれば、
 子ども本人が言い出すまで待つのんびり派もいるかもしれません。

筆者はあまり習い事はしませんでしたが、大人になってから振り返ると、もう少しいろいろ経験させてもらった方が良かったかなと思ったこと位は有ります。
もしかすると親のそのスタンスには自身の生い立ちからくる改善とか是正の気持ちが込められているのかもと思ったことが有ります。
例えば、厳しい親に育てられた経験から、自分の子にはもう少し穏やかに接してあげたいと思うケースもあれば、筆者の様にできる経験はなんでもさせてあげたいと思うことも。 厳しく育ててもらったからこその自分に誇りがある方は、良かれと思って自分の子にも厳しくするケースも有りそうです。
愛情と誠意を持って下す親の判断は尊重されるべきですが、それにしてもそこには解答集はないうえ、巻き戻しのできない事業だからこそ悩ましい。
せめてできるのは、他の親たちが経験してきたことを過去問集として参考にすることかもしれません。

そんなことを考えているときにテレビで良いインタビューを観ました。
令和5年お正月の箱根駅伝ゴール後の日テレ『スッキリ』。
総合優勝を飾ったのは駒澤大学、そしてチームを長らく率いてきた大八木監督にとっては引退試合。
若者たちと関わってきたノウハウは並大抵の数では無いでしょう。
番組ではMC加藤浩次にインタビューされた大八木監督が答えます...
『昔は一方通行でやっても、なんとか我慢しながらやってましたけど、今は一方通行じゃ通じないので、コミュニケーションをとってやらなくちゃいけなくなってきている。選手たちに納得させる指導の仕方に変えてきています。』


筆者の同世代には、理不尽と思えることにも耐えて鍛えられたことで今の自分の強さが有るという自負を持つ人もいて、結果的にその人の自信を作り上げた点で成果有り!と感じますが、現代の子どもたちを指導するときには、健全な納得感を保ちながら伴走する必要が生じているということです。
ネットを通して全国や世界の子どもたちの情報を得ることができる現代の若者たち。
監督である親たちには、より難易度の高い技量が求められているのかもしれません。

考えてみれば現代の会社経営者や管理職も同じ様な課題を既に抱えています。
会社の部下に圧をかけて言うことを聞かせた気になってはいても、結局のところすぐに辞められてしまったり面従腹背状態になっていればチームのパフォーマンスは上がりません。
今どきは『パワハラ』というパワーワードで部下から逆襲されることすら有ったり。

高校生の部活からオリンピックの様な世界大会まで、実績あるコーチたちは技術の向上のみならず、選手の良いメンタルを育てるのが必須課題。
企業であれば2~3人の社員が200名からのアルバイトを指揮するマクドナルド各店では、店長次第で店舗の業績が大きく変わるのは人心掌握力の違いではないかと思われます。
子ども達がこの先出ていく社会は決して甘いことばかりでは無いと思いますが、社会は確実に変化していますから親の時代の成功例は多少の参考にしかなりません。
これから先の難しいことも乗り越えられる"自信"をつけてあげられる良いバランスを探していきたいものです。

実は今回こんなテーマで書きたくなったきっかけには、これまで心に引っ掛かってきたいくつかの経験談があります。
幼いころから学生時代まで親の導きでスポーツに打ち込み、苦しいながらも"誇りを持てるレベル"で活躍してきていても、その歩みを幸せでは無かったと感じるコトバが出るのは何故か? 自身の意思に反して家業を継いだことで何かに心残りを引きずっている世襲経営者が多いのは何故か?
なんとなくですが、どちらにも共通するのは、親に喜んでもらいたい、親のためにと思い頑張って(我慢して)きたのに、親に認められている満足感を感じられないうちに"覚めてしまった"ときの強いショックや怒りや悲しみの様な気がしています。
親も、自分の思うようにならない子どもに強い言葉を発して(発破をかけて)コントロールしようとしてしまうことが有りますが、子どもを思いやる愛に基づいた指導でなければ、親のエゴや考えの至らなさを見抜かれた時に愛想をつかされてしまうのかもしれません。
前述の大八木監督の言葉から、各選手の個性・特性ごとに効果的な言葉の掛け方は変わることを覚えておきたいと思います。

最近観た、ある教育者のYoutube動画で「幼いころはある程度親の思う様に子育てすれば良い。 そのうち反抗期が来るとそこで修正が入ってくるのだから」と語られていました。
この意見には"なるほど"と思うところも有ります。
幼少期特有の"純粋に親に従いついてくる"ステージが終わり、自我が生じて親に反発したり、自分の意見を言える様になってきたら、親は"次のステージになった"と気持ちを切り替えたいと思います。
筆者も含め柔軟で器用な親ばかりではありませんから簡単では有りませんが、願わくば親と子の双方の幸せ感が得られる方向に進めていきたいものです。

ぐいぐい派か?のんびり派か?については今日のところはまだ腑に落ちる結論が出ませんし、筆者の今日の浅い推論は早速明日変わるかもしれません。
引き続き、みなさまからいろいろな知恵や経験をいただいて参りたいと思います。

引用: 



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