「ふつうの軽音部」:高校デビューの挫折と復活/エマニュエル・トッドと日仏のジャーナリズム/笹子トンネルで事故渋滞/自動車学校が無くなっていた
5月5日(日・子どもの日)晴れ
昨日は昼前に実家を出て、境川PAでソースカツ弁当を買い、笹子トンネルで事故渋滞に巻き込まれ、3時前に自宅に帰りついた。さすがに連休中で、反対方向とはいえそれなりに道は混んでいたが、事故渋滞がなければもっと早く着いたかなとは思う。前の日の夜に京都にいる友人と話をしてなんとなくそのあと眠るのが遅くなり、朝は4時前に目が覚めてしまったため、何となく寝不足だったので、少し疲れが出た感じはある。
夕方出かけて丸の内に出ようと思ったが、日本橋でアクシデントが発生。眼鏡を外してスマホを見ていたら眼鏡がどこかに行ってしまったのである。慌てて周囲を探し、ジャケットの胸ポケットの底が破れていて裾の方に落ちてしまったことに気付いたので慌てて降りたら日本橋だったわけである。もう一度乗り直すのもなんだなと思ったので日本橋で降りて、日本橋の丸善へ行った。
もともと何かエマニュエル・トッドの本を読もうと思っていたのでここで探すことにして、朝日選書の「問題はロシアより、むしろアメリカだ」という池上彰さんとの対談本を買ったのだが、まあ何というかこの対談相手の人選が日本におけるトッドがどう見られているかということが現れているように思った。
高島屋の地下でガパオライス弁当みたいなのを買って帰ったのだが、地元の駅の前後が近日終日運休でホームの付け替え工事を行うということで、だいぶ大きく変わりそうだなと思う。どうなるのかはわからないが、西口の方が便利になってくれるとありがたいとは思う。
夜はあまり何もしないうちに疲れが出てしまって、イェーガーマイスターを水割りで飲みながらガパオライスを食べ、歯も磨かずに寝てしまったのだが、3時ごろに目が覚めて、もう一度寝るには寝るとして、気になっていた「ふつうの軽音部」を読んだ。
第21話「別れ話をする」。前回を受けての鷹見項希と藤井彩目の別れ話の続きだが、これはルーキーで連載されているときも言葉として気に入っていた「あたしは どこで間違えた?」というのがキーになるなと思った。
彩目は自分が「うまくやれるように」頑張って痩せたりギターを練習したりして軽音部で一番うまいと思われている鷹見の彼女になることに成功したが、言動のつまらなさから鷹見に愛想を尽かされたわけで、自分の何がいけなかったかに気が付いていなくて動揺する一方、一緒にバンドをできないというなら他の人を入れるから、としゃあしゃあと言われて「項希は人の気持ちが分からない人だと感じていたけど ここまでとは思わなかった」と相手を見損なっていたことにも愕然とし、ひどく落ち込む。中学時代の負の記憶を更新するためにいわば高校デビューを図ったという点で主人公のはとっちと同じなのだが、はとっちがみじめに失敗しながらも自力で状況を乗り越えていくのに比べ、彩目は自己嫌悪に陥り期待すべきでない相手に期待してしまったことに絶望して軽音部をやめようと考える。
一方公園でギタボの武者修行を続けるはとっちはついに信者となったこどおじさんに今日でラストですと告げると「生きる希望が」と言われてしまうくらいに気に入られたのだけど、そこに厘ちゃんと桃ちゃんが現れて驚くコマが相変わらず可笑しい。二人の普段着もなかなかキュートである。というか今週は扉が制服姿の三人の身長差スリーショットで、めちゃくちゃよかった。やはりこの二人が出てくると画面が一気に華やぐなと思う。
ラストに至って厘ちゃんの野望が明らかにされるわけだが、「機熟」という二字熟語の無理やりさとともに厘ちゃんの独壇場で終わるのが展開上手いなと思ったのだった。
今までなかなかジャンププラスの日曜日の一位は取れなかったのだが、今回は夜中に見た時点から一位が続いていて、今まではコメント数では断トツでも読まれた回数は他の作品に負けていたのだが、今回はいろいろなことも重なったと思うのだが、既読数でも一段抜けてトップに立っていて、コメントでもそれが話題になっていた。やはり、このジャンププラスのシステムは読者の「推し感情」を刺激するなと思う。
日曜日では私はもう一作品、「ステージS」が推しなのだが、連載開始当初はずっと1位だったのに一度連載が長期中断して、復活してからはなかなか上位に来られないでいるのがもったいないなと思っている。中身は面白いので、どこかで再浮上の機会がつかめるとよいのだが、と思う。
車で自宅に来ていて夜間最大500円、昼間最大800円の駐車場に停めているので、その切り替えの時間の午前八時前に車で家に出て24時間営業の西友に買い物に行った。コロナが始まってからは自宅に戻る機会が少なくなっていたのでまともに家で食事をとらずだいたい買ってきたものをそのまま食べていたのだが、この連休は足掛け三日自宅にいることにしたので、米を含めていろいろ買おうと思って出たわけである。実際たくさん買い物をして思ったより高くなってしまった。
向かいのイキイキを見に行ったらこちらも8時から開いていたので、駐車料金も安いこともあり、こちらも使えるなと思った。コーヒーマシンがあったので100円入れたらやり方がおかしかったらしくコーヒーが出ないしお金も返ってこなかったのだが、もう一度説明書き通りにやったら買うことはできた。100円は返ってこなかったのが残念だが、駐車時間の縛りもあり、まあ人生には色々な局面もあるなと思った。
そのあと少しドライブでもするかと明治通りを南下して夢の島に出たが、このあたりの景色は本当にドライブしていて気持ちがいい。季節もちょうどいいということもあるのだろう。新木場駅前で右折して湾岸道路に入ったらかなりの混雑。まっすぐ行けばビッグサイトやお台場の方に出るのだが、そこまで行く気もなかったので辰巳で右折し、辰巳の森海浜公園の横を通り、つまりは三ツ目通りを北上する。そう言えばこの道、自分が免許を取った中央自動車学校があったな、懐かしいなと思いながら右側を見ていたのだが見つからない。いま調べたら令和4年に閉校になっていた。私が免許を取ったのはだいぶ前だが、普通にあったものが無くなっていくのは不思議な感じだなと思った。木場ランプの前を通り、いつものように木場公園を右折して同じ駐車場に戻った。
「問題はロシアより、むしろアメリカだ」、第1章を読了。いろいろ面白かったが少し感想を書くパワーがないので一つだけ書いておくと、トッドがフランスよりもむしろ日本で発言をしているというのがへえっと思ったのだが、彼はフランスでは公共放送で出禁になっているのだという。彼はジャーナリズムというもの自体を批判的に論じているのでその辺が引っ掛かっているのかもしれない。日本で「第三次世界大戦はもう始まっている」が10万部を売り上げたため、むしろその事実によって注目されて「ル・フィガロ」の取材を受けて彼の言説が取り上げられるようになった、というのも面白い。
まあ、このあたりはトッドが巧妙に日本のジャーナリズムを持ち上げて発言の場を確保しているという側面もあるのかもしれないが。ジャーナリズム批判に関してはフランスだけでなくイギリスやなども批判しているが、日本については「わからない」などととぼけているのもそのへんちょっと怪しい。ただ、フランスをはじめとする欧米のジャーナリズムが「ロシアフォビア」になっていて、それが影響力を持ってしまっていると批判するわけだが、日本ではむしろ「ロシアフィル」な側面がジャーナリズムの一部やアカデミアの一部にはあるわけで、それがトッドにどう見えているかという問題はあるかなとは思った。
トッドの父親もジャーナリストであり、祖父はジャーナリストでもあり小説家でもあり共産党員でもあったポール・ニザンだというのは初めて知った。「僕は20歳だった。それが人生で一番美しい年だとは、誰にも言わせない」という書き出しの「アデン、アラビア」の作者である。自分がジャーナリズムの畑から出てきたという自覚があるからこそ、ジャーナリズムの異変には敏感だということのようだ。
サポートありがとうございます。記事内容向上のために使わせていただきます。