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テレワーク、リモートオフィスで発生する5つの問題。弊社15年間の出来事を赤裸々にお伝えします。

満員電車に乗らずにすむ。テレワークって最高っすよね!

オフィスって何のためにあるのだろう?テレワークするとどんな問題が出るの?自分なりの答えを書いてみます。

新型コロナ対策でテレワークが推奨されてます。そしてついに(今頃?)首相要請も出ました。遅えよ。いや、聡明な方々が経済維持を優先し考え抜いた最良の要請タイミングなのでしょう。

国難の最中、ヒカキンやホリエモンのように発信力あるわけでもなく、大した貢献できるわけもないけど、少しでも何かの役に立てばと思い、オフィスに通わない働き方経験をお伝えします。

オフィス無し期間が長かったうちの会社で、どんな出来事があったか赤裸々に公開します。変な会社の1事例として、参考にしてもらえればと。

何事もメリットデメリットがあるわけですが、しくじり先生的なイメージで主にデメリットに注目して書いてみます。うまいこと解決策を考えてもらえたら幸いです。


どんな会社の事例?

うちの会社は当初より大組織にするつもりはなく、いわゆる零細企業の事例です。

勤めていた会社が経営統合という転機に自身の経験値アップを期待し愛し続けた会社を辞めて2006年に創業。金儲けよりも知的好奇心の比重が高く、会社ってなんだろう?仕事ってなんだろう?と体当たりで検証しながら個性的な組織づくりを目指していました。

ので、一人で創業からしばらくは、名刺無し、社ホームページ無し、オフィス無し「どこまで身一つで、会社が成立するのか?」を1つずつ試しながら8年間はオフィス無しで模索しつつ検証してました。コロナ騒ぎの最中、この2010年4月ひっそりと16期目になりました。未だ流動的で気ままな食い扶持のための会社です。

デジタルエンタメ中心に知人から相談が届いた各社のお困りごとをお手伝いする、というスタイルです。

コンサルティングあるいは受託メインのデスクワークなIT系の端くれで、上場企業の事業再編や新規事業の立ち上げ、TVCMを打つ開発プロジェクトなどのお手伝いが多かった感じです。特に取引する相手先を選んでいるわけではなく個人プロジェクトのお手伝いなども面白そうならやってます。

創業3年目くらいから、信頼できる凄腕な10〜15名くらいでずっとやってきました。少数精鋭と言えば聞こえは良いけど、アクが強い人材が基本です。経験豊富で個性派揃いなゲーム業界出身者が多い企画会社です。今は新規事業に向け組織をシェイプしています。

経営者としての自分の能力は微妙で、マネジメントというよりはメンバーの自主性に頼っている感じで、全ての業種の参考にはならないかも?


オフィス無しでどんな仕事してた?

うちの会社は創業時から長い間テレワークのみでした。「オフィス借りる?」「いや電車面倒だからイイや」という変人が集う会社だったのが大きい。

上場企業のコンサルティングや、ゲーム開発会社のソフトウェア開発を手伝うってことで、新規事業のプロジェクト指揮や、事業分析の書類作成、ゲームの設計図作成代行、プログラム開発やシナリオライティング、イラストデザインなど対応できるものは、なんでもやるスタイル。

ノリだけで良くも悪くも行き当たりばったり。受託比率が高いのでお困りごとによってミッションが変わる感じ。「ディレクター探してるんだけど」「キャラクタの絵描けますか?」「できますよ〜」みたいな。

でもたまには自社製品の企画開発もやってみたくなるので、オフィス無しでプロジェクトチームを編成し、ガラケー時代にソーシャルゲームを全員在宅で3年間運営したこともあります。企画、設計、開発、運営、サポート、全部自分たちでやりました。今、一般的にはユーザサポートを外注するもんですが、当時は黎明期だったので100%自前です。

メンバーと直接会うのは半年に1回くらい。スマホも無かったのでパソコンの中がオフィス代わり。当時はZOOM無かったしネットも遅かったので、連絡ツールは主にSkypeチャットや電話、仮想オフィスはIRCというチャットでした。んでGoogleドキュメントがホワイトボード代わり。

ノマドワークだ〜!パソコンと回線さえあればどこでも職場なんだ〜!と大喜びでバイクで旅しながら仕事したり。運転しながら電話で報告聞いて指示したり段取りや企画考えたりしながら旅先の宿で書類作ったり。もー、やりたい放題。宿泊者が寝ているので迷惑かけないよう、駐車場でバイクにまたがりパソコン開いてSkype会議してたら、パトカーがゆっくり近づいてきて、ネット会議中に職務質問されたり。めっちゃ焦った笑

メンバーに居場所を伝えていなかったので、俺は関東に居ると皆思ってるけど、実は北海道一周の旅してるってのがバレた。けど皆許してくれました。優しい。一緒に仕事してくれる人に恵まれてる。変人でごめんなさい。

そんなこんなで、何をしてても結果を出せばオッケーってスタイル。つまり成果物重視。なのでメンバー全員がそれぞれ今何をしているか、皆わからない。

目標を共有し、いつまでに誰が何をするか、を決めて1週間ごとに会議する。そこで出た課題や予定の遅れを相談しながら次に何をやるか決めて結果を出していく。Googleドキュメントを使い、話した内容や決めたことを会議しながら書いていく。

ここまでは、一般的なオフィスワークと大差ないのかなと思います。

ネット会議だとザクザク書いた内容をその場で共有しながら進行するので、後に議事録書く時間を削減できて超効率が良い。

しかしテレワーク、リモートオフィスならではの課題がいろいろ出ます。


オフィスって何のためにあるのだろう?

この問いの答えをずっと探していました。殆どの企業が採用しているシステムだし何か意味があるのだろう。

会社は通勤費やオフィス賃料を払い、個人はわざわざオフィスまで満員電車に揺られて貴重な時間を提供し通勤する。自分も雇われてた時は頑張って毎日オフィスに通ってました。

なんでなの?お金もったいないし大変じゃん?オフィスなくても特に不便なかったよ。


オフィス=コミュニケーションの場

そして、さまざまな出来事がある中で、ある日ようやく思い至りました。

会社の面接で大抵問われる「コミュニケーション能力」にオフィスが深く関係している。

人間、調子よい時はイケイケおしゃべりだけど、調子悪いと黙りがち。
徹夜で酒飲んで体調悪い時、風邪で熱出てる時とかグッタリしますよね。
あと締め切りまでに作業が終わってない時、あるいは何をして良いかわからず時間がすぎてしまい、ツッコミくるのが怖い時。

こんな時は反応が鈍くなる。報告するのが怖い。無口になる。

オフィスがあれば、そんな時に優しい同僚が顔色みて「どうしたの?」って気遣ってくれる。1週間の会議を待たず「どう?調子は」って上司が声かけてくれたりする。コレかなり重要。

気軽に相談できる、状況を共有できる、ってとても大切。

テレワークだとコレがなかなか難しい。特に気遣いある人ほど、話しかけるタイミングを見計っているうちにあっという間に1週間経ってしまう。

今だとスラックとかLINEとかで各人の状況を文字で確認すると思うけど、当時はIRCってチャットに名前があるかどうか、あるいはSkypeの表示で各人が席を外しているかどうかで作業中かどうか少しは察することができるけど、話しかけるタイミングがムズイ。

相手が打合せ中かもしれないし、特にエンジニアプログラマは思考を停止させてしまうと申し訳ない。オフィスならコーヒーのみに席を立ったタイミングを見計って声をかけることができるけど、声をかけるタイミングが難しい。

要するにテレワークでは、各人の状況が自己申告制。チャットにトイレ行ってきまーす。みたいに書くルールにするかどうか、運営手腕が問われるところ。

俺の立場はプロジェクトリーダーが多いので、皆に比べて声をかけやすい。

一方、どうしても自分から声をかけるのが苦手な人がいる。職人として優秀かどうかは関係ないコミュニケーションスキル。テレワークではオフィスワークとは全く異なる流儀になるので、オンラインコミュニケーションには新たな流儀を身に着ける負担がそれなりに発生する。

そして、なんらか都合悪い状況に陥っている人ほど自ら発信しなくなる傾向に陥り、プロジェクト全体が遅延したり、本人もチームに居辛くなったりする。さらに、会ったことない新メンバーがプロジェクトに参加すると、より一層相手がどんな人なのかわからず、声かけが滞る。

人と話さないし余計な歩行も少ないので、個々人の作業効率は異常に良い。反面、チーム連携し業務を進めようとするとコミュニケーションにコツが必要。オフィスワークよりも図々しく人に話しかけなければならない。

マネージャーやプロデューサー、ディレクターなどのチームのまとめ役が、離職者を減らし快適な環境を維持しチームのパフォーマンスを向上させるには、この声かけが最重要。更なる気配りやコミュニケーション機会に到るルール作りがとてもだいじ。

オフィスではランチタイムや、トイレに移動する廊下などで、挨拶したりちょっとした情報交換や雑談する時間が取れる。会議室での対面打合せ直後のほっと一息リラックスした席に戻るまでのちょっとした瞬間、課題を耳打ちできたりする。ゆるい企業ならタバコ部屋で延々ダベったり、仕事帰りの居酒屋で愚痴をこぼしながら相談したりできる。

この見えないコミュニケーションコストには、個人的な感覚だとオフィスワークの業務時間が仮に1日8時間だったとして、自然に2〜3時間くらいを割り当てている。この余裕ある連携時間で、チームメンバーのデコボコを補い合って機能している。逆にいろんな会社の状況を見ていると、この連携時間を削って離職者が増えたりするケースが多い。

要するにオフィスとは、コミュニケーションを強要する場であり、早期の課題発見とフォローができる相互扶助の場、という凄まじく重要な機能があると気付いた。自然と企業カルチャーや業務内容や仕事プロセスな教育もできる。孤独感を埋め合わせるというだけでなく相談したり不安を埋め合わせ共に解決策を探りやすい場。

なので、流儀が合う人や、多くの仕事経験を積んだ自律作業できる人にはリモートワークはとても向いている。そうでない人には手厚いフォローや研修などが必要となる。

こんな記事を探して、工夫を重ねてみるのが良いと思います。


通勤や広いオフィスって意外と運動になる

あと多発するのが運動不足。新メンバーが入ってくる。大喜びで在宅ワークする。そして半年くらいすると足腰が弱くなる。ジムなどで筋トレする人以外は、大体このパターンにハマる。

ずっと寝転がってプログラミングしていた彼は、床に接した肘の神経が断絶した、と医者通いしていた。身体を壊してしまうのは自他ともによろしくない。買い物ついでにお散歩習慣を取り入れてた。

通勤やオフィス内でウロウロするのって、思ったよりも遥かに運動量がある。在宅のみだと歩数計6000歩が500歩とかになる。

ので、日々の運動量をどのように確保するかってかなりの課題。目覚めたらすぐに机に向かってメールやチャットチェックして、気付いたらご飯。そしてまた机。気付いたらご飯。電話してまたご飯。あ、もう夜。みたいなサイクルにハマると、なかなか運動できない。習慣化すると久々に外出して階段のぼるとゼイゼイ息切れするようになる。

定期的に散歩やジム通いすると体調を維持できる。血流だいじ。毛細血管は壊れる(詰まる)と2度と戻らない、という話を聞いたことがある。

こんな風にスキップするのが良いかどうかは別として、汗流すとスキッとストレス解消にもなり運動は必要なのだなと思います。

新型コロナ騒ぎがなければ、公園やカフェなどに出向くこともできるけど、今は特に在宅が長くなるので、特に体調管理を気をつけ風呂上りなどにストレッチなどすると良いですね。


太る生活習慣

お腹空いたら、すぐ台所。人の目も少ないので、お菓子をボリボリ食べながら仕事をしてしまう。

ご飯 → デザート → スナック → ご飯 → 以下無限ループ

ストレスを食で解消しようとすると、成人病まっしぐら。
ちなみに自分は改心して、1週間で10キロダイエットしたら皆から怒られました笑


音信不通になる

今の時代は、皆スマホを持ち、パケット不足に悩まされはするけれど、まぁまぁ連絡取りやすい。

光回線をおうちに引いてる家庭なら、滞りなくネットで連絡取れるけど、そうでなければ電話が命綱。

いざネット会議やろうとすると、今はZOOMもあり楽ちん。

でもたまにシステムダウンしたりするので、複数のツールをあらかじめ用意しておくと、1つのツールが繋がらなかった時に無駄な時間を使わなくて済みます。

ZOOMが使えない時は、LINEで連絡取りましょう。みたいな感じで、複数のサービスをあらかじめ登録しておくと会議開始に30分もたついて気力が尽きるなんてことも減ってオススメです。

仕事専用のアカウントを準備しておくのも地味に重要。個人アカウントを仕事で共有するのは人によって抵抗感がある。SNS絶対にやりたくないって人も結構います。

あとベタに家族の電話番号など非常時連絡先を管理職が控えておくのは重要です。

弊社開発のサービスをリリースする朝、メインプログラマーと連絡取れなったことがあります。協業社もあり超焦った案件。

急いで車で出撃し、メンバーにSkype中継しながらメインプログラマー宅を訪問しチャイム押しても反応ないのでドアをノックしたら、パジャマ姿で起きてきました。「すいません。。寝過ごしてました。。。」と聞いて胸をなで下ろしました。

敷地内の砂利を踏み締める中継音を聞いていた他メンバー曰く、俺の足音がバイオハザードっぽかったとのこと笑


セキュリティ対策

スマホやパソコンなどの端末毎のセキュリティ設定は細かく規定し、インストールするソフトや貸し出した端末のパスワードは必ずシステム管理者が決めて管理しておきましょう。

機材が返却されてもパスワードがわからず文鎮になったりします。

スマホやパソコンを電車に忘れた〜!!!!ってメンバーちらほら発生。セキュリティ管理しなくても良い職種もあるかもですが、管理できているかどうかって大切。

大手企業なら専任システム管理者やVPNなど整っているとは思うけど。中小企業は要領よくコストかけずにうまいことやる必要がありますね。


その他、個別のエピソードや問題はたくさんあったけど、とりあえずこんな感じで。

上記課題をうまくコントロール、マネジメントできれば、テレワークやリモートオフィスはとても有益で、効率アップ。

これからの新型コロナ収束後な新世界は、フリーアドレスデスクのオフィスに曜日をシフト分けして出社し、ホテルやイベントスペースで全員集会を行う、といったスタイルが増えていくのかなと思います。

オフィスも道具。何事にも功罪あるので、電話、LINE、スラック、掲示板、共有ドキュメントなどの道具を用途毎に使い分け、相互に助け合いながらチームを育めれば、今後の世界競争に勝てると思います。

もし相談などあったら、弊社の問い合わせフォームから遠慮なくお気軽に連絡ください。https://www.sol-ent.com/04-contact



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