中学野球は硬式か軟式、結局どっちが正解なの?
最近の中学校の野球部は衰退傾向にあります。
中学でも野球を続けたいという子供たちが近郊の野球クラブチームに所属するのがトレンドであることは皆さんご存じの通り。
そこで、以前からよく議論されるのが
硬式野球と軟式野球、どっちに行くのが正解なの?
という問題。
そこでこの記事は、中学野球で硬式野球か軟式野球のどちらへ進めばいいのか迷われている方へ向けて私見を書きます。
僕は、少年ソフトボール、少年野球の監督・ヘッドコーチを20年以上経験。少年少女ソフトボール指導者免許所持。 息子2人(長男→現在は引退。高校は、多くのプロ野球選手を輩出した名門校で1年秋から4番レギュラー。県ベスト4。次男→中学硬式クラブチームに所属。2年時に投手として上級生のチームに帯同。全国大会ベスト8。全ての試合に先発登板。) と、息子を含め200名以上の指導経験があります。
そんな僕の経験が一つの参考になればいいなと思っています。
・軟式野球を選択すると高校野球で不利なのか?
軟式野球出身の選手が高校へ入学した際、ボールが変わることでの戸惑いは以下の点で起こると考えます。
ボールの重さの違い → 塁間送球などで戸惑う
バッティング時のインパクト方法の違い → 特に最近の新基準硬式バットは芯を外すとまったく飛ばない。
バウンドの違い → ゴロの入るタイミング
打球速度の違い → 硬式の打球は速い
守備位置の違い → 硬式は軟式より深く守ります
ボールの指への食いつきの違い → 最初、軟式の感覚で硬式ボールを投げるとすっぽ抜けます。
恐怖心 → これが一番でしょうか?硬式は当たると痛さが段違い。
それでも、不器用な選手でも1ヵ月から2か月程度で硬式球に慣れると考えています。
硬式ボールの方が重いため、軟式よりも速いボールが投げられますし、打球も飛ぶため、ヒトによっては逆に上手くなったように感じるかもしれません。
ただし、
自分は不器用であるという自覚がある選手ほど、中学から硬式野球をスタートするのがいいと考えます。
また、金銭的には硬式野球の道具、チーム運営費が高くなります。
よって僕は、
どちらかというと不器用な選手
金銭的に無理なく野球を続けたい選手
は軟式野球を続ければいいと思っています。
中学時代に軟式野球を選んだからといって、高校野球で出遅れることはないです。
・硬式は肩・肘の故障リスクが上がるのか?
硬式野球はいわゆる本当の野球(Baseball)です。
海外に軟式野球はありません。
よって早くから硬式野球を始めたがる選手も多くいます。
よく「まだ身体が未完成の中学生が硬式野球をやると肘、肩の故障リスクが高くなる!」と言われます。
でも、そんなことはありません。
僕の経験上、肘、肩の故障につながっている原因は、登板過多によるものか、投げ方が悪い選手であることが多いです。
軟式であっても登板過多は故障につながります。
僕は少年ソフトボールも指導していましたが、ソフトボールは硬式ボールよりも重いです。
しかし、正しい投げ方をする選手で故障につながった選手はいません。
中学生よりも身体が未完成である小学1年生の選手であってもです。
最近は硬式野球の大会においても規制が厳しくなっています。
捕手から投手への守備変更は禁止されていたり、
ピッチャーは1試合70球まで、連投は合計120球まで等、厳密に管理されています。
次男の硬式クラブチームにでは、練習試合であっても球数の管理をされています。よってココまで故障は起きていません。
僕は、最近の肘、肩の故障は、むしろ野手の方が多いように感じています。これは、
野手は無理な体制から強いボールを投げなければいけないことが多くあるからだと考えています。
ショートの深い位置から素早くファーストへ遠投しなければならない場合など、いつもの自分のスローイングと違った形で投げることもあるでしょう。
強豪クラブチームのノックの本数は多めです。
ピッチャーよりも野手の方こそ 休息を取るようにしてあげたいですね。
・高校野球の進学は硬式の方が有利なのか?
※ここでは高校野球の進学=強豪校への進学とします。
進学の有利不利の僕の答えは、
硬式チームだろうが軟式チームチームだろうがチームと選手によるです。
硬式クラブチームに所属したからといってそのチームに進学実績(パイプ)が無ければ強豪校への進学は難しいです。
軟式クラブチームで強豪校へのパイプがあるチームもたくさんあります。
中学校の部活は強豪校とのパイプは無いと考えてください。全国大会に出場して大活躍!ぐらいのことをしないと強豪校への進学は難しいです。
ただし、当たり前ですが強豪校への進学は選手の実力が絶対に必要です。
たまに、実力はないのにクラブチームのパイプで強豪校へ進学する選手もいますが、結局ベンチにすら入れません。
チームによっては実績の為に、実力が無い選手でも強引に進学させるチームがあるので注意が必要です。
強豪校への進学は最低限の実力は必要として、強豪校から声が掛かるレベルを目指しましょう。
よって硬式、軟式の違いによる高校進学の有利不利はありません。
・チーム選び優先すべき2つの事
1.どう高校野球へ向けて準備するのか
少年野球に入団したとき、仲のいい友達の紹介やチームの立地などが大きな条件であったと思います。
しかし、中学野球選びで優先すべきは、
高校野球に向けてどう準備するかです。
腕に自信がある選手であれば強豪とのパイプがある名門クラブチームへ行くことをおすすめしますが、野球を楽しむために、また、高校野球も続ける予定だが、強豪でなくともよいというのであれば、その様な方向性を持ったチームへ行くこともいいでしょう。
高校野球に向けた想いで入部先を決めるのが良いでしょう。
2.そのチームに入りたいと思ったかどうか
ここが一番大切なところです。
体験会や見学で選手がそのチームに入りたいと思ったかどうかが一番重要です。
野球を続けるモチベーションは、親子で必要です。進路も計画通りにいくとは限りません。
というか、硬式であっても軟式であってもこれが一番重要です。
僕の息子は、硬式でも軟式でもどちらでも構わないというスタンスでした。硬式クラブチームに入部した理由は、
雨でも毎日使える室内練習場を持っていたからでした。
それだけの理由です。
親子とも、上手くなるためには毎日の練習が不可欠と考えていましたのでそのチームに入部しました。
仮にそのチームが軟式チームでもOKでした。
また、Bチーム(2軍)の選手も毎日楽しく練習している姿にも共感しました。
体験会や見学で得たインスピレーションで決めてもいいと思います。最終的に親だけでなく、子供と選ぶことが大切です。
そして選んだチームが正解!であると考えましょう。
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