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重い話。親の野球ロスの本当の問題について書きます【高校野球・少年野球】

昨年長男が高校野球を引退しました。
小学2年生から野球を始めて10年以上野球を続けてきたことになります。

当時の僕は、もともと少年ソフトボールの監督をしていた関係もあり、長男と深く野球に携わってました。

そして時は流れ長男は高校野球へ。
しかし、
甲子園まであと2勝というところで長男の引退が決まった瞬間の空虚感がハンパなかったのです。

僕はこの空虚感を
親の野球ロス
と呼んでいます。

この野球ロスの感覚は、僕だけに起こった特別な感覚なのか?

いや、そうではありませんでした。

今回はそんな親の野球ロスについて、僕の経験も踏まえて書きます。

僕は、野球ロスを甘く見ていると人生でも大きな出来事に発展する危険性もあると考えています。

いつか必ずおとずれる息子の野球引退という節目に、皆さんが健康な心でいられるために。

僕は、少年ソフトボール、少年野球の監督・ヘッドコーチを20年以上経験。少年少女ソフトボール指導者免許所持。

息子2人。長男→現在は引退。高校は多くのプロ野球選手を輩出した名門校で1年秋から4番レギュラー。県ベスト4。
次男→中学硬式クラブチームに所属。2年時に投手として上級生のチームに帯同。全国大会最高ベスト8。全ての試合に先発登板。

息子を含め200名以上の指導経験があります。僕の経験を通じて、野球に携わる方々へ何かお役に立てれば幸いです。

プロフィール

親の野球ロスは、選手よりもキツイ場合も

僕が高校野球を引退した日(最後の夏の大会に敗れた日)大泣きしました。

もう高校野球ができないという現実
もうこの仲間と練習できない現実

色々な気持ちが交錯しての涙だったように思います。

でも心のどこかで
「明日から自由だな~」
「もうシンドイ練習しなくていいんだな~」
「髪伸ばすぞ~!」
という思いもありました。

しかし親の野球ロスは違います。
心の拠(よ)り所を一気に失う
といった感じになります。

大人ですから、ある程度の遊びや自由は知っています。

大人になって出会えた久しぶりの生きがいを失う感覚。

親の野球ロスって結構きついものなのです。

野球ロスに陥りがちな親とは

この親の野球ロス問題

実は結構な人数の親たちが感じていました。

僕は今までたくさんのご家庭の息子さんを指導してきましたが、野球ロスに陥りがちの親の特徴は、

  • 自分の子供が主力選手だった親

  • 超野球好きな親

  • 他に特別な趣味がない親

です。

息子が野球で大活躍する姿を見ることはかなりの刺激です。

息子の活躍は、周りが自分という人間を肯定してくれたかのように錯覚します。
脳内にドーパミンがブシャー!っと出まくります。

「息子が試合で活躍した次の週は、仕事が嫌でなくなります!」
「息子が活躍した1週間は、その動画が酒のつまみになっています!」
「息子が活躍できなかった週の月曜日はなぜかゆうつです」
「大切な試合の前日は、期待で寝られません」

息子が現役中はこのようなことを言ってくださる親御さんがたくさんいます。

しかし、この
息子を通じたドーパミンに勝る刺激の代替は無い
と心得てください。

息子が引退すると
「最後の試合後、ユニフォームの洗濯中に涙が出ました。もう着ることはないんだなーと」
「もう使わない大きなクーラーボックスやジャグを見るたびに寂しさがこみ上げて来ます」
「野球が終わったら、妻との共通の話題がなくなりました」
「週末予定がないので、練習手伝わせてください」
「ゴルフ始めたのですが、、満たされません」
「洗車の時間が増えたのですが、泥だらけの車内が懐かしいです」
「犬飼いました」

こういうこと、よく聞きました。

親の野球ロスの本当の問題とは?

実は、ただの野球ロスであればそれほど大きな問題はないと思っています。

一番大きな問題は、他にあるのです。

野球ロスを迎える時期(息子さんが高校野球を引退する時期になると思いますが)
このころ、ちょうど次のような転機を迎える時期と重なりがちです。

  • 親の介護が始まった

  • 夫婦仲の変化

  • 会社で大きな昇進があってプレッシャーに

  • 会社での出世が見込めなくなった

  • 更年期

などがありますが特に
ミドルエイジクライシス
と重なる時期ということが大きい。

ミドルエイジクライシスとは、多くの方が中年期に経験する心理的危機の事を言います。
(⇩詳しくはこちらをご覧ください⇩)

僕自身長男引退時期に、これまでの仕事人生を全否定されるような大きな事件が起こりました。

実は、事件が起こる前から職場でのやりにくさを感じていました。

当時そんな気持ちに蓋をしてくれていたのが、甲子園をひた向きに目指す長男の姿。

彼の姿を励みに日々の耐えていたのですが、
彼の引退と同時に仕事で事件が発生しメンタル不調に。

典型的なミドルエイジクライシスでした。

僕の場合何とか持ちこたえ、いまは日々の仕事に挑戦できていますが、
当時はかなりきつかったです。

先に色々な親御さんの経験を聞いていたから堪えることができたと思っています。
今までお世話になった方々には本当に感謝しきりです。

人生の転機と、心のよりどころが無くなる野球ロスが重なる危険があるということを承知していただければと思います。

まとめ

息子の引退はいつかやってきます。

しかしその時期はミドルエイジクライシスとかぶる可能性が高いです。

息子さんとたくさんの時間を野球に費やしてこられたことでしょう。
いい思い出とのギャップが。。
親の悲劇的な姿を息子は望みません。

僕は、引退少し前から
何か新しい挑戦を始めてみる
事を提案します。

僕の長男は大学生に。次男は来年から他県の高校で寮生活です。
子育ての区切りも見えてきてもいます。

野球ロス親父あるあるで、少年野球指導は引き続き続けることになりました。

次男が引退の時は大丈夫かなと思えるようになりました。

息子さんがせっかく出会えた野球。

ご家族で有意義な人生の1ページになるよう心からご祈念申し上げます!

今回は以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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