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【科学が教える】最強の怒りコントロール法

怒りをコントロールするには、

・怒りを抑制しない
・怒りを発散しない
・一つに物事に没頭する
・怒りを再評価する

他人に悪口や理不尽なことを言われたり、他人のミスや態度で不快を感じたときなどに、怒りを覚えることありますよね。

家族、友人、恋人、同僚、上司、部下など、様々な人間関係を築いていく上で、思わず怒りたくなる場面は誰しも体験します。

しかし、怒りは抑えたほうが良いのか、発散したほうが良いのか、どうすれば良いか分からないことも多々あります。

「我慢すればいいや」とその場では隠して、怒りによるストレスを解消するために、暴飲暴食したり、他の人にグチをこぼす方もいると思います。

そこで今回は、神経科学から見た、怒りを抑えてコントロールする方法をご紹介します。


怒りは抑制する? 発散する?

頭に血が上ったりイラッとしたときに、怒りを抑え込もうとするのは逆効果です。

複数の研究で、

怒りを抑えるとポジティブ感情を減少させ、ネガティブ感情を増加させることがわかっています。

これは、怒りを解消する機会がないので、怒りの感情やイライラが残り続け、弱火で煮込むようにいつまでも冷めない状態になるためです。

しかし、周囲に怒りを撒き散らしたり、物に八つ当たりするのも逆効果です。

怒りを表に出してしまうと、感情がさらに高まってしまい、感情コントロールが難しくなります。

これは、怒って泣いている子供をなだめようとすると、より怒りが増してしまうように、怒りに意識が向いて、よりボルテージが高まってしまうためです。

怒りの感情はどうすればいい?

抑えるのも発散するのも逆効果になりますが、解決策はあります。

人間の脳は、作業の同時並行(マルチタスク)が苦手。

集中力が必要な作業を行えば、怒りから意識が逸れて、自然と収まっていきます。

人間は怒りながら集中できないように、2つ以上のことを同時に考えることはできません。

これを応用し、他の作業に意識を向けることで、怒りを自然消滅させることができます。

「読書」「筋トレ」「ゲーム」「ドラマ視聴」など、没入できたり意識が逸れているとできない作業を行うのが効果的です。

怒りの感情が湧きやすい方は、自分の趣味や好きなことの中から、「怒りが湧いたらコレをやる」と予め決めておくのも良いでしょう。

シンプルな方法ながら、実際にやってみると効果を実感できるのでオススメです。

ただし、集中力のいらない単純作業(掃除機がけ、洗濯物干しなど)では、考えながら作業ができてしまうため、怒りを抑える効果は薄いのでご注意ください。

最強の怒りコントロール法

しかし、瞬間的な怒りや、怒りの感情を逸らす作業ができないときもあるでしょう。

そういう時はSTOP法とリアプレイザルが効果的です。

STOP法

「STOP法」は心理療法でも使われるテクニック。

言葉の意味は頭文字を表しており、

stop(止まる)
take a breath(息を吸う)
observe(観察する)
proceed(進む)

の4つの手順で構成されています。

stop 今やっていることを止める

ファーストステップは、自分の考えや行動を一時停止することに注力します。

顧客の理不尽な要求にストレスを感じたときや、自分のミスが見つかってパニックを起こしそうになったときなど、その瞬間にやっている行動や思考を無理矢理でも構わないので意識して止めましょう。

最初は怒りや混乱などの感情や思考を完全には止められないでしょう。

しかし、数秒だけでも良いので、止めようと努力してみてください。

ポイントは、頭の中で思考を抑えつけたり考えないようにするのではなく、「注意や意識を少しだけ他のことに逸らす」こと。

近くにいる別の人に意識を向けるでも良し、直前まで行っていた内容を思い返すでも良し。

とにかく、怒りや混乱が落ち着くように意識を感情や思考以外に向けて、意識して「stop」してみてください。

take a breath 呼吸する

セカンドステップは、自分の感情や思考から注意を逸らしたら、自分の呼吸にだけ意識を向けます。

5~10秒程度で良いので、自分の呼吸の感覚に注意を払い、息を吸ったり吐いたりしている状態に集中してみましょう。

意識を呼吸に向けることで、さらに落ち着きを取り戻し、冷静に考えられるようになっていきます。

observe 観察する

サードステップは、自分の現在の状態や感覚を観察します。

身体
・身体にどんな変化が起きているか
・身体のどこかに痛みを感じたり、筋肉の緊張はないか
・周囲には何が見え、何が聞こえているか

感情
・自分はどんな感情を抱いているか
・抱いた感情は、怒り、悲しみ、混乱、恨みなど、どんな感情か

精神
・自分は何を考えているか
・その考えに対して、自分はどう思っているか

このように、心と身体の状態に意識を向けることで、現在の状態を確認し、起こったストレスや状況が、どんな影響を自分に及ぼしているか知ることが大切です。

proceed 進む

ラストステップは、「止める」「呼吸する」「観察する」の3ステップを行ったことによって、自分が今後どう進めば良いかを考えます。

例えば、上司や顧客に対してストレスを感じたとしたら、

意識を逸らす

呼吸に意識を向ける

胸が熱い感じがする、怒りでイライラする、反論したい

など、状況や相手によって様々な心と身体の状態が把握できると思います。

その状態に対して、意識を逸らし、呼吸に注意を向けて落ち着きを取り戻したあなたが「どう対処すれば最善か」を考えることによって、少しずつでも前へ進み改善していくことができます。

STOP法のそれぞれの意味を覚えるのが難しい場合は、信号機を思い出して、

「赤(行動や思考を止める)、黄(注意して観察する)、青(どう進めるか考える)」

と置き換えて覚えてもOKです。

リアプレイザル

そしてもう一つ効果的なのが「リアプレイザル(Reappraisal)」を使う手法。

「リアプレイザル」とは、リ(re)「再度」とアプレイザル(appraisal)「評価」という言葉。

ネガティブな感情が湧いたら、その原因に対する考え方(認知)を変える(再評価する)手法です。

今回の場合、怒りの原因に対する捉え方を変えることに使います。

例えば、相手に理不尽なことを言われたり、他人のミスで迷惑をかけられて、怒りが湧きそうになったら、

・「きっと疲れていて、思わずストレスを吐き出してしまったんだろう」と考えて、むしろ相手の疲れが溜まらないよう、できる範囲でサポートしてあげる

・「自分の事前説明が足りなかったかもしれない」と捉え、次回は過不足なく説明できるよう脳内マニュアルを作っておく

など、ネガティブな体験を別視点で見て改善していくことで、怒りの感情が収まるだけでなく、怒りの感情が湧くような機会を減らすことにも繋がるのでオススメです。

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