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ジョーカー

ラグビーワールドカップ期間中は、かなりの寝不足になる。毎回、全48試合を見るからだ(J sportsで見るのがおすすめ)。そんな寝不足気味の中で、話題の映画「ジョーカー」を観てきた。
まずはじめに言っておかなければいけないことは、バットマンは出てこない。
バットマンの悪役、ジョーカーの物語なのだ。
おそらく、歴代ジョーカーの中で最弱のジョーカーであろう。最強ではなく、最弱の。

全編を通じて、ジョーカーは笑い続けている。あの怪奇的な笑い方で。もちろん見ているほうは、まったく笑えない。要所要所で、ボロボロの彼のネタ帳が出てくるのだが、そこに書いてあることも笑えるものではない。テレビ司会者役で出ていたロバート・デ・ニーロ(いたるところに散りばめられている、スコセッシへのオマージュの一つ)も、笑えないと言っていた。映画の終盤、ジョークが思いついたと言って、やはり一人で笑っているのだが、ジョーカーは、どんなジョークだかは教えてくれない。理解できないだろうと言って。皆が彼のことを理解できないように。

この映画、興行収入がR指定としては史上最大の9億ドルに達することが見込まれているのだそうだが、監督もホアキンも、嘘か本当かわからないが、こんな大ヒットになるとはおもっていなかったらしい。

「この映画が成功するなんて、僕はまったく思ってなかったよ。本当に何も期待してなかったんだ。正直に言うと、トッドと僕が考えていたのは、自分たちのキャリアを終わらせない作品を撮ろうっていうことだけだったね」

ワーナー・ブラザースも、ジョーカー同様に笑いが止まらないだろう。俺だって、寝不足の頭に、こんな力作映画を叩き込まれ、下のとんかつ屋で映画の半券を見せれば、生ビールが一杯無料とくれば、クラクラで笑いが止まらないよ。

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