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100mm単焦点という世界

前回までの記事を見直して少しポエムっぽかったかなと自己反省。
ふわふわした感情の言葉は時には良いかもしれないが、知り合いに見られた時のダメージが大きいのでほどほどにしておく。何事も地に足がついたくらいが丁度良い。

さて100mm望遠である。
写真好きとしてはどうかと思うが、自分はあまり道具に執着がない。今あるカメラも結局用意できる予算内で一番良い絵が撮れるだろうチョイスをしている。オールド、しかもマニュアルレンズ使っているのもオートフォーカスレンズより画質を重視しているからというだけだ。AFで自分の思うところにピントがあうレンズがオールドマニュアルレンズより画質が良くて安ければそっち使うと思う。
バックボーンとか外観とかあんまり興味がない。フルサイズミラーレスという枠内でこれしか無かったからこれを使っているだけである。
出てくる絵が良ければそれで良い。最新レンズが買えない自分にとってレンズの違いは画角の違いでしか無い。色は後で現像段階でどうにでもなる。現像は楽しい。フルサイズミラーレスならどんなレンズでもある程度持ち上げればそれなりの色が出てくる。パソコンでシャープネスでもかければ眠い絵もそれなりに見られるようになる。ボケの形は、まぁ少し気にするけれども。
要は好きな絵を叩き出してくれるかどうか、結局それに尽きる。NikonだのCanonだの宗教論争にも興味はない。フィルムはまぁ少し触って面白いと思ったが、自分で現像する手間を考えれば面倒臭さの方が勝る。写真の面白さの半分くらいは現像とプリントだと思っている。
ただ何となく最終的にはライカに辿り着くんだろうなとそういう確信はある。コスパの反対の極地みたいなブランドなのに。

話が脱線した。
とにかくそんな自分が思わず惚れてしまったレンズがある。
Canon 100mm F3.5 III型 L39マウント。
おおよそ60年前のレンズの、その写りに僕は一目惚れしてしまったのだ。

ただの海鮮丼だけど無駄に渋い

合焦した部分のシャープさと周辺の流れのバランスが良い。減光の具合も良い。後で減光は足せるとは言え、自然に出せるならそれに越したことはない。
少々レンズに曇りがあり滲みが出てくるがそれも味だ。(ということで無理くり己を納得させる)。
好きなブロガーさんがこれのII型を使っていたが、なるほどと思った。これは、良いものだ。

少し数値を持ち上げればパキッとした絵が出てくる。その癖、どこか寂寥感というかノスタルジックな絵になる。
F3.5という無理のないスペックが良いのだろうか。学がないので、あまり理論的なことはわからないが、個人的に3.5という数字は普段から絞りがちな自分にとって悪くない。

ただ100mm単焦点である。
ポートレイトといえば85mmだし、望遠レンズのワイド側スタートでたまにあるというくらいで、そんなに使うことのない画角だ。
あるいは100mmマクロか。マクロでもない100mmというのは、あまり見ない気がする。
ちなみにこのレンズの最短撮影距離は1mだ。まぁ近づけないこと近づけないこと。

この100mmという距離、これ思いの外良いんじゃないだろうか。
自分のように腕がないと35mmだと画面が整理し切れないことがままある。50mmでもあやしい。85mmは値段が高くて持ってない。
ただ100mmにもなってくると整理せざるを得なくなってくる。

どこに水平取ったら良いか分からんかったけど雰囲気は出てると思う

圧縮効果で結構面白い絵になったりする。その辺下手な自分にはありがたい。
レンズに振り回されている感はある。使いこなすには時間がかかりそうだが、その分の価値は十分にある気がする。
小ぶりな形も良い。カメラに取り付けた状態は正直少し不格好だが、何せ軽い。望遠なのに軽い。軽さは正義だ。Lマウントレンズのコンパクトさは自分が今更語るほどでもないだろう。

ズームレンズでも100mm固定にしてスナップでも撮ってみるとまたいつもと違う世界が見えてくるに違いない。特に自分のような腕に自信のない初心者にオススメしたい。結構面白い絵が撮れるし、撮れるように立ち回ることで腕も上がると思う。
中古でもそんなに高くないし、初めて自分が好きだと胸を張って言えるレンズを見つけた気がする。

100mm単焦点はイイぞ。
とりあえずはまぁ、もっと寄れるようにヘリコイド付きのマウントを買おうと思う。
流石に最短1mはちょっと遠いよね。


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