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マンチェスターシティ vs クリスタル・パレス ハイライト

 今回は初めてとなる試合の解説、考察となります。

プレミアリーグ第19節 マンチェスターシティ(MCI) vs クリスタルパレス(CRY)の主に得点シーンを観ていきたいと思います。


この試合は4−0で終えましたが、元日本代表で解説者の戸田和幸さんも YouTubeの動画内で仰っていましたがとても見応えのある試合となっていました。

サッカーを勉強している者としてとても刺激的な試合でした。

時間があればフルマッチの考察も行っていきたいと思います。

ここでは、主にMCI得点シーンや気になった決定機を観ていきたいと思います。


1.決定機 MCI 23分 

 まずは前半23分のMCI決定機です。

MCI vs CRY ハイライト 1

①フェルナンジーニョからジェズスへの縦パス

②ジェズスが潰れながらもギュンドアンに落とす

③ギュンドアンが少し前に運び、デブライネにパス


やはり流石MCIというところですが最初に出されたフェルナンジーニョからジェズスへの縦パスですがかなり狭いところを通していました。

普通であれば『切られていたパスコース』に通したことがトリガーとなってチャンスへと繋がっていきます。

配置としてはフェルナンジーニョからギュンドアンへの直接のパスコースは完全に消えている状態です。

ですが、MCIの特徴の一つと言えるかもしれませんが3人目の選手の関わりによって『切られていたパスコース』にいた選手を前向きで使っていくというプレーが観られます。

このシーンもフェルナンジーニョから直接ギュンドアンに入れずに、ジェズスを経由することによってギュンドアンでプレーさせることに成功しています。

そしてCRYのDFラインとMFラインの間で前を向いたギュンドアンはデブライネが使える『時間』を確保し、パスを選択します。

ここで早くデブライネに預けることも可能だったと思いますが、デブライネについているマークの選手や周りの状況に変化を加えるため少し時間を作るという選択肢をとっていました。圧巻です。


MCI vs CRY ハイライト 2

④デブライネが内側へコントロール

⑤そのままミドルシュート

デブライネがギュンドアンから受ける前も駆け引きは行われていました。

デブライネの外側にB・シウバがいました。B・シウバはフリーの状態でいました。ここで相手に守ために必要な選択肢ができてしまいました。

そんな中、外側の選択肢を相手に魅せながら鋭い角度で内側にコントロールし相手のプレッシャーを無効化していました。

シュートが放たれるもゴール左側に外れていきました。

このシーンでMCIの選手の『動き出し』にレベルの高さを感じました。

デブライネにパスを出したギュンドアンは前方へと動き直し、左からはスターリングがDF同士の間を走り抜け、B・シウバも動き出していました。

B・シウバに関しては自分が受けるタイミングがずれた際にオフサイドラインに添い内側に『加速』していました。

普通の選手であれば動き出すのをやめるか、減速してしまうのが普通ですが減速するどころか『加速』しながらもポジショニングを修正していました。

チャンスを量産している理由がこのような細かい部分から感じ取れます。


2.得点1 MCI 26分

MCI vs CRY 得点1-1

コーナキックのこぼれ球をスターリングが拾ったところから

①スターリングがコーナーを蹴ったデブライネのいる逆サイドへと大きく展開

②DF2人がデブライネにプレスをかけていこうとする。


コーナーキックのこぼれに対してDFが対応していました。

ここからスターリングが大きく逆サイドへの展開をしたことによってDFの視野、体の向きの確保が難しくなっていきます。


MCI vs CRY 得点1-2

③デブライネが少し内側にコントロール

④クロスが上がり、ストーンズがヘディングでゴール


スターリングからのロングボールを受けたデブライネ

しかし、デブライネが右足で上げるコースにDFが立ちクロスを阻止していまいた。

ここでクロスを上げる選択肢をやめる訳ではなく、少し内側にコントロールすることによってクロスを上げるコースを生み出していました。

さらに驚きなのは、左足ではなく右足アウトサイドでのピンポイントクロス

右足のアウトで上がってくるクロスの質とは思えませんでした。

スピード、高さ、コース...全てが完璧なボールでした。

そして中で合わせたストーンズもクロスが上がってくる逆サイドに流れ、相手DFの死角に入っていました。

画像にある赤いエリアでDFの間、DFの死角を両立させていました。

マークを振り切り、高い打点からのヘディングは防ぐ術無くゴールへと吸い込まれていきました。



3.得点2 MCI 57分

MCI vs CRY 得点2-1

①コーナキックから競り合い

②セカンドボールがギュンドアンの前の相手選手にこぼれる

コーナーキックの競り合いから弾かれたボールがギュンドアンの前にいた相手選手へ

ここから得点に繋げていけるところも最近のシティが強い理由かもしれないですね。


MCI vs CRY 得点2-2

③ギュンドアンがそのこぼれ球の処理をしている瞬間を狙い、ボール奪取

④ドリブルで切り込んでファー上にシュート▶︎ゴール


中途半端な高さで落ち着かないボールの処理をする瞬間を狙い、ボール奪取するギュンドアン

ギュンドアンはセカンドボールの処理が非常に上手いです。

良く中途半端なボールを落ち着いてマイボールにする瞬間を観ます。

今回はその瞬間の強さと、奪った後のドリブルも見事でした。

奪ってすぐに身体を使い、ボールを隠すことに成功し前方へと運ぶことに成功していました。

その後のシュートもキーパーにはチャンスがないような際どいコースへと決めていきました。

最近のギュンドアンは得点数も多く、シティの中でも注目していきたい選手ですね。


4.決定機 MCI 62分

MCI vs CRY ハイライト3

①R・ディアスが相手MF、FWを引き付けて運ぶ

②R・ディアスからジェズスへの縦パス


少し話ずれますが、R・ディアス選手のキャプテンシーすごいですよね。強いチームには素晴らしいキャプテンシーを発揮する選手がいますね。

話を戻して...

ディアスがボールを運びながら相手の配置にストレスを与えていきます。

そしてサポートに入ってきたジェズを見逃さず攻撃のトリガーとなる縦パスを入れます。

最初に解説した決定機のシーンでも縦パスを受けたのはジェズスでしたね。

入る『スペース』『タイミング』が絶妙でチームメイトも信頼して縦パスを入れています。


MCI vs CRY ハイライト4

③ジェズスが相手選手を引きつけて空いたデブライネにパス

④デブライネのミドルシュートはゴール左側へ外れる


そして縦パスを受けたジェズスはすぐにボールを預ける訳ではなく、相手選手を引き付けます。ここでデブライネについていた選手も引き付けられました。

この『時間』を使ってデブライネについていたマークを引きつけることに成功し、『スペース』を生み出したことによって画像の赤い部分でデブライネが仕事をしやすくしました。

またも、シティの特徴である3人目の関わりでチャンスを生み出しましたがここにトップレベルの選手の質の高い判断が加わり『スペース』を創出しています。

『高い技術』『質の高い判断』が共存していますね。


5.得点3 MCI 68分

MCI vs CRY 得点3-1

①デブライネのコーナーキック

②中でR・ディアスが競り勝ちシュート


デブライネのコーナーキックの質の高さには驚かされるばかりです。

スピードと高さが絶妙なボールとなっていました。

中で合わせたR・ディアスも中に入るタイミングがよかったこともあり、余裕を持って競り勝っていました。

スタート時に相手の身体よりも前に入っておくことが重要です。


MCI vs CRY 得点3-2

③R・ディアスのヘディングをキーパーがはじく

④こぼれ球をストーンズがゴールへ押し込む


R・ディアスのヘディングはある程度の威力があった為、ゴール前にこぼれました。

その際、R・ディアスと同じタイミングで中に入っていたストーンズが内側のスペースへと戻っていました。

タイミングがよかったこともありますが、最近のストーンズはセカンドボールの処理の質がとても高かった印象を受けます。

偶然ではあるものの細かい部分での意識の高さが得点へと繋がりましたね。


6.得点4 MCI 87分

MCI vs CRY ハイライト5

①F・トーレスが相手RCBへのパスコースを切りながらキーパーへプレス

②選択肢のなくなったキーパーはRDHにパスするもミス

③パスミスを逃さずにフォーデンがカット


シティの特徴の一つであるハイプレスがハマったシーンとなりました。

相手のRSBがポジションをとるのが遅くなったところをF・トーレスが見逃さずに積極的にプレス

しっかりとRCBのパスコースを切ることに成功し、その他のパスコースにもマークがついている状態を作り出しました。

ここでプレッシャーのかかったキーパーはパスミス、フォーデンがしっかりとカットしました。

ジェズスがマークに付き、フォーデンはスペースの管理+パスカットを成功させました。


MCI vs CRY ハイライト6

④F・トーレスがオフサイドラインまで潜りポジション回復

⑤フォーデンから縦パス

⑥F・トーレスが前を向いたところにタックルを受けファールを受ける


ここで守備▶︎攻撃の切り替えの早さが際立ちます。

プレスをかけていたF・トーレスがすぐにオフサイドラインまで戻り、受けられる状態を作ります。

そこにフォーデンからの縦パスが入り、チャンスの場面になりそうな為相手がタックル

ここでファールをもらいます。

フォーデンの縦パスがよかったことも勿論ありますが、プレスをかけていたF・トーレスの切り替えの早さがチャンスを生み出した重要なポイントであることは間違いないでしょう。

このフリーキックをスターリングが右上に決めました。



試合結果は4ー0 MCIの勝利となりました。

冒頭にも書きましたが、この試合は非常に質の高いゲームとなりました。

立ち位置の駆け引きや流動的なポジションチェンジ、判断の連続など様々な要素で質の高い試合となっていました。

時間があれば試合全体の分析もしていきたいと思います。


個人的にはマンチェスター・シティが大好きなのでこれからもどんどん発信していきたいと思います。


ご覧頂きありがとうございました。

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