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【命日】父が他界して17年経ったらしい

そうだった、今日が命日
思わずスルーしてしまいそうにもなる
これを書き終わるころには日をまたぐだろう
それもそのはず、17年も経ったらしい
昨年からnote始めたことだし、少し綴ろうかな

当時私は26才
病の父の口からこの会社は希少だと聞き
リサーチした結果、間違いないと確信
頭を下げて3年務めたデザイン事務所を辞職
今の会社に所属はしたが、実際は父の看病で数カ月の日々が過ぎた
一緒にちゃんと仕事をするまで父はもたなかった
当時は今と違い病院から正直に説明を受けなかった
突然今夜が山と言われた

それまで説明が足りないと感じ病院とも何度も戦った
納得いかず東京の名医に診察を受け手紙を書いてもらい
病院に見せたら手の平を返したことを今でもハッキリと覚えている

まぁなんにせよ、父は死んだ
もう助からない頃に行方知らずになったらしい(んなわけーねーだろ)担当医の後任にされてしまった若い医師が涙を流してくれたことを覚えている
最初からあなただったらもう少し心ある対応をしてくれたかもしれない
政治に飲まれていない無垢な医師なら

悔しさだけで10年以上ガムシャラになれた
フタを開けたら倒産寸前、回っていない、個人の借り入れすら溜まっている
わずかな保険金でpayできる額ではない
理屈では勝ち目無しと分かっていたけど、私はこの会社を選んだ
会社の特徴としてはポテンシャルがあることは間違いない
ただ、来月会社があるかは分からない
負の遺産を放棄し逃げることもできた
だけれどこの会社を選んだ
理由は簡単で
自分に勝つなら『勝つならここで勝ちたい』と思ったからだ

若さゆえの勢いはあっても現実は甘くなかった
何度も父に祈った
『とーちゃんよ、1週間時間をくれ!』から始まり
『1か月でなんとかする!』
『半年でなんとかする!』
『1年で、、、』

10年以上かかった、そこそこ安定して回るまで
ようやく『そこそこ』と言う感じで土台はまだフラフラだった
そこから残りの7年で2人だった従業員さんは8人になった
その間に結婚をして子供が生まれた
『良かったね』とストーリーとしてはホッとする場面だろう
私は今が一番楽しい、それは間違いないのだが
この17年間同じだ
ずっと『今が一番楽しい』と思って生きている
結婚とか子供とかお金とか、あんまし関係ない
そんなことを思っているので、参考にしてもらいたくてちょいちょいとnoteで綴っている

思い返せば病んでいたのかもしれない
自覚は無いが
20代の頃付き合っていた彼女さんに『医者いきなよ』と言われて何か紙に書いたら『鬱です』と言われ薬を処方され
一度飲んで朝起きたら思考がぼやけて
その日に薬を突き返した
『こんなの簡単に出さないでください』と伝えた

私は楽になりたいのではない
悩むことも私の大切なプロセスなのだ
思考を止めさせないでおくれ
悩ませておくれ
でないと新しいものは生まれない
生み出した時の喜びを感じる見返りがあるから頑張れるのだ
まだ歩けるのだから止めないでほしい

父へ

色々なことがありました
私と性格のまるで違うあなたが守ってきた会社をだいぶ精査し整えました
捨てるの大好きな妻がだいぶ捨てましたよ
仏壇メインから出産祝いメインになりました
ボロボロだったトタンは今時のガルバリウムにアプデしました
女性が増えて清潔になりました
古い社長付き合い激減しました
リニューアルした店舗には毎日20代30代の子育てママさんたちが訪れます
死ぬほど難しい仏壇の技術は私がPCを駆使した今時のやり方で継承していますよ
私がまぁまぁ器用でよかったね
ムリして私をデザインの大学に出してよかったね
ガマンして私を自由にさせてよかったね
今現状は自由を使いこなせているみたいです

まぁ、そんな私に育てたのはあなたであり、母であり祖母であるわけで
あの世で自慢してもいーよ

そんな私も40年以上生きてしまって、終わりを見据えて準備しなければならない時期になりました
駆け抜けたからそんなこと考えられなかったけど
今は一緒に働いてくれる皆や妻や子供を巻き込んでしまったので
もう自分勝手ではいけませんね

最も尊敬するおばあちゃんも死んだしあなたも死んだけど
私は今生きていて二人の意思を入れ墨以上に刻んでいます
誰かに見える入れ墨なんて本当の覚悟では無いという私の持論です
誰かに彫ってもらっている時間すらもったいないから今すぐ自分の足で行動しなよと思ってしまう
あと16年経ったら59才、あなたが死んだ年齢になります
できればそこまでは生きたいかな
でもとーちゃんスゴかったよ
50代後半にもなって毎日苦痛と戦って借金まみれでも
俺に『くそ!これからなのに!』って言ったよね
体はボロボロでも気力のボルテージはMAXだったよね
大したもんだ、マネできない
あなたがあれほど苦しむんだ
よほどの痛み苦しみだったと思う

あの世で、とは言わないけれど
俺が死を感じたら
もしかしたらその頃の私よりも若いあなたと肩を並べてコーヒーをすするイメージをしようと思っています

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