小さなお寺の挑戦日記。檀家70件からの経営改革
はじめに:なぜこの話をするのか
こんにちは。
栃木県の小さなお寺、蓮城院の副住職をしているコウブンです。
今日は、聞いている方にはあまり役に立たないお話かもしれませんが、私のお寺をどのように運営していくのか、素直な気持ちをお話ししたいと思います。
というのも、最近、私の中で「もっと本音で語りたい」という思いが強くなってきたんです。
カッコつけない、ありのままの姿でお話しすることで、どこかで共感してもらえたら嬉しいなと思っています。
コーチングで気づいた、新しい可能性
実は私、今、ペスハムさんというパーソナルナビゲーターの方からコーチングを受けているんです。
このコーチングは、具体的なお寺の運営方法をアドバイスしてもらうというよりも、自分の中でモヤモヤしている部分を言語化して、はっきりさせる作業なんです。
たとえば、「お坊さんとしてどんなことを大切にしたいのか」「どんなお寺を目指したいのか」といった、漠然と考えていたことを、一つひとつ掘り下げていく感じですね。
このコーチングの中で「もっと正直に自分を出した方がいい」とアドバイスをいただきました。
確かに、私自身も他の方の配信を聞いているとき、飾らない、等身大の話が一番心に響くんですよね。
日本のお寺の形態と特徴
さて、本題に入る前に、日本のお寺の形態について説明させてください。実は、お寺には大きく分けて2種類あるんです。
一つは「檀家寺」。
これは皆さんの地域にあるような、お葬式や法事、年回供養などを行うお寺です。お檀家さんという、いわばお寺のスポンサーの方々に支えられて運営している形態です。
もう一つは「観光寺」。
たとえば、京都の金閣寺や清水寺のように、観光がメインのお寺です。私の蓮城院は、れっきとした檀家寺です。
お寺の経営状況:意外と知られていない現実
「坊主丸儲け」という言葉、聞いたことありますよね。
これは、宗教法人として行う宗教行為に税金がかからないことから来ている言葉なんです。
でも、実態はかなり違います。
全国には約7万4000のお寺があります。
これはコンビニエンスストア(約5万5000店舗)よりも多いんです。
ところが、お寺単体で経営が成り立っているのは、なんとたった2割。
残りの8割は、他の仕事との兼業や、複数のお寺を掛け持ちする兼務住職という形で何とか運営しているんです。
うちのお寺の場合:蓮城院の実態
一般的に、お檀家さんが約300件あれば、住職一人と小規模な家族で経営が成り立つと言われています。
でも、うちのお寺はどうでしょう。お檀家さんはたった70件。年
間のお葬式は3〜4件、お供養も10〜15件程度です。
正直に申し上げると、私自身は他のお寺でのお手伝いをして収入を得ています。
埼玉県や千葉県まで足を伸ばして、菩提寺を持たないご家庭のお葬式やお供養のお手伝いをさせていただいているんです。
一方、蓮城院での活動は実質的にボランティア。
わずかな手当以外の給与は受け取っていません。
お寺の収支はギリギリ。まさに超低空飛行の状態です。
これからの課題と展望
この状況が健全でないことは、重々承知しています。
特に心配なのは、過疎化の問題です。
うちの地域も、そんなに激しくはないものの、確実に過疎化が進んでいます。お年寄りが多く、若い人が少ない。
これは、将来的にお檀家さんの減少につながる深刻な問題なんです。
かといって、私が別のお寺に移るという選択肢は、個人的には考えていません。
なぜなら、蓮城院は私が生まれ育ったお寺だからです。
このお寺を、私が生きている限り存続させたい。
それは、仏教を絶やさないため、お檀家さんのため、そして地域の方々のためでもあります。
あとがき:読者の皆様へ
お寺の経営の話、いかがでしたでしょうか。
もしかしたら、意外な実態に驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
これから、この超低空飛行の状態からどうやって上昇気流を見つけていくのか。
その過程も、また皆様とお話しできればと思います。
実は、この記事を書くことも、新しいチャレンジの一つ。
お寺の経営改革への第一歩として、まずは現状を正直にお伝えすることから始めてみました。
もし共感していただけた方がいらっしゃいましたら、コメントやいいねをいただけると嬉しいです。
これからも、お寺の「いま」と「これから」について、等身大でお伝えしていきたいと思います。
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