お悩み相談:20代後半で芽生えた恋愛願望について
1. はじめに
みなさん、こんにちは。
今回は、ハスノハというお坊さんが運営するお悩み相談Webサイトに寄せられた相談に、私コウブンがお答えする形でお送りします。
2. 相談内容:26歳男性からの恋愛相談
20代男性から
「20代後半。恋愛したくなった。」
というタイトルで相談が寄せられました。
内容は以下の通りです。
3. 仏教における結婚観について
まず、仏教における結婚観についてお話しさせていただきます。
実は、仏教の本来のスタンスでは、修行僧は結婚を勧められていません。
お釈迦様ご自身も、一度は結婚されましたが、修行のために家族と別れ、出家されました。
これは、家族を持つことが修行の妨げとなり、苦しみの原因となりうると考えられたためです。
たとえば、家族を持つということは、家庭を守る責任が伴います。
男性の場合は経済力を求められ、女性の場合は子育てや家事といった役割を担うことが多くなります。
もちろん、現代では性別による役割分担は変化してきていますが、家族を持つことで生じる責任は確実に存在します。
そうした家族への責任は、時として自分の理想とする生き方との間でジレンマを生むことがあります。
自分はこうしたいと思っても、家族のために違う選択をしなければならないこともあるわけです。
そのギャップに苦しみが生まれる―これが、仏教が結婚を勧めなかった理由の一つです。
日本では、江戸時代までお坊さんは基本的に結婚しませんでした。
ところが明治時代になって「肉食妻帯」が許可され、お坊さんも結婚できるようになりました。
これには政治的な背景があります。
当時、お寺や僧侶は地域社会に大きな影響力を持っていました。
明治政府はその影響力を弱めるため、お坊さんを一般の人々と同じような立場に置こうとしたのです。
4. 恋愛と結婚についてのアドバイス
私自身、29歳で結婚しました。26歳の時に今の妻と出会い、お付き合いを始めましたので、相談者の方と同じような経験をしています。
ですから、相談者さんの不安や焦りの気持ち、よくわかるんです。
今は自然な時期です
20代後半で結婚や恋愛を意識し始めることは、ごく自然なことです。
社会人として数年が経ち、仕事にも慣れ、経済的にも安定してきた時期です。
体力的にも、家族を持つのに適した時期といえます。
また、独身時代にやりたいことをある程度やり尽くした後、新しい人生の目標として結婚を意識し始めるのも自然な流れです。
たとえば、趣味に没頭したり、仕事で成果を上げたり、友人との交流を深めたりと、独身ならではの自由な時間を楽しんだ後、
「次は誰かと人生を共にしたいな」
と思い始める―そんな展開はよくあることです。
不安は当たり前です
恋愛経験が少ないことへの不安は当然です。
未知のことに対する不安は誰もが感じるものです。
でも、安心してください。
ほとんどの人は恋愛の達人ではありません。
それでも、多くの人が試行錯誤しながら、結婚して幸せな家庭を築いています。
失敗を恐れすぎる必要はありません。
たとえば、デートの場所選びに悩んだり、会話が続かないのではないかと心配したり、相手の気持ちがわからず戸惑ったり―そういった経験は誰もが通る道です。
むしろ、そうした経験を重ねることで、少しずつ相手のことを理解し、関係を深めていけるのです。
自分の気持ちに正直になりましょう
まずは自分が本当に結婚したいのか、子供を持ちたいのか、じっくり考えることが大切です。
周りに流されず、自分の気持ちに正直になりましょう。結婚は年齢で強制されるものではありません。
自分の価値観をしっかり見つめ直してみてください。
たとえば、
「幸せな結婚生活」
とは自分にとって具体的にどんなものでしょうか。
仕事と家庭のバランスはどうしたいですか。
休日は一緒に過ごしたいですか、それともある程度の自由時間が欲しいですか。
そういった細かな部分まで考えてみると、自分が何を求めているのかが見えてくるかもしれません。
具体的な準備を始めましょう
結婚を考えるなら、理想の時期や必要な準備について、ある程度具体的に考えておくと不安も軽減されます。
たとえば、経済面では、毎月の生活費や結婚式の費用、将来的な住宅購入の可能性なども含めて考えてみましょう。
住居については、お互いの職場からの距離や、将来子育てをする場合の環境なども検討項目になります。
ただし、完璧な準備は必要ありません。
私自身も、結婚時は十分な貯金もなく、住む場所も決まっていませんでした。
それでも、基本的な生活設計を考えながら、一つ一つ解決していきました。大切なのは、課題に向き合う姿勢を持つことです。
5. おわりに
恋愛や結婚に不安を感じることは自然なことです。
焦る必要はありません。
まずは自分の気持ちに向き合い、じっくりと考えていってください。
そして、準備できることから少しずつ始めていけばいいのです。
きっと、あなたなりの幸せな恋愛・結婚の形が見つかるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このお話が、皆さんの人生の参考になれば幸いです。