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お坊さんはなぜ頭を剃るの?2500年の伝統に隠された深い意味と現代の姿


1. はじめに:5歳の女の子の素直な疑問

みなさん、こんにちは。蓮城院副住職のコウブンです。今日は、「お坊さんはなぜ頭を剃るのか」というお話をしようと思います。

きっかけは最近あった法事での出来事なんです。5歳くらいの女の子が私の頭を見て、「あの人ツルツルだ!」って言ったんですよね。思わずニヤリと笑っちゃいそうになりましたが、法事中だったので必死に我慢しました(笑)。

子供って本当に素直ですよね。大人だったら気になっても言わないことも、すぐに口に出しちゃう。でも、そういう素直な疑問こそ大切だと思うんです。

その時は法事中だったので、すぐには答えられませんでした。お母さんも「しー」って静かにさせていましたが、きっと理由は分からなかったんじゃないかな。

法事が終わった後、この子の疑問に答えようと思って、お坊さんが頭を剃る理由を説明したんです。その内容を今日はみなさんにもお話ししたいと思います。興味がある人はぜひ最後まで聞いてくださいね。

2. お釈迦様の時代:剃髪の起源

さて、お坊さんが髪を剃る習慣、いつから始まったと思いますか?

実は、お釈迦様の時代からなんです。えっ、そんな昔から?って思いましたよね。私も最初は驚きました。

お釈迦様って知ってますか?仏教の開祖で、今から約2500年前のインドに生まれた方です。実は、お釈迦様は最初から丸坊主だったわけじゃないんです。

お釈迦様は釈迦族という王族の出身で、最初は長い髪と髭を蓄えていたんですよ。王子様っぽい髪型をしていたんでしょうね。でも、出家を決意した時、自分の手で髪と髭を剃ったっていう伝説が残っているんです。

「どうして剃ったの?」って思いますよね。実は、当時の髪型や髭って、権威を表す「象徴」みたいなものだったんです。王族には王族の、お金持ちはお金持ちの、庶民は庶民の、みたいな感じで決まった髪型があったんですよ。

だから、髪を剃るっていうのは、「私はもうそういう世俗的な地位とかにこだわりませんよ」っていう意思表示だったんです。今で言えば、高級スーツを脱いで作業着に着替えるようなものかもしれませんね。

3. 現代における剃髪の3つの意味

さて、それじゃあ現代のお坊さんはなぜ頭を剃るんでしょうか?主に3つの理由があるんです。

  1. お釈迦様への敬意
    これは分かりやすいですよね。お釈迦様が剃髪したんだから、その教えを引き継ぐ私たちも剃髪しよう、みたいな。

  2. 煩悩からの解放 これは少し難しいかもしれません。煩悩って知ってますか?簡単に言うと、「欲」のことです。たとえば、「もっとお金が欲しい」「もっと美味しいものが食べたい」「もっときれいになりたい」みたいな気持ちのこと。これらの煩悩を、髪の毛に例えるんです。 髪の毛って、切っても切ってもまた伸びてきますよね。煩悩も同じなんです。一つ満たされても、また新しい欲が出てくる。だから、髪を剃ることで、「煩悩から離れるぞ!」という決意を表すんです。 でも実際には、髪を剃ったからって煩悩がなくなるわけじゃないんですよ。むしろ、煩悩と向き合う覚悟を示すものなんです。

  3. 修行への集中 これが一番現実的な理由かもしれません。みなさん、朝の準備に髪型を整えるのってけっこう時間かかりますよね。お坊さんは朝早くからお勤めがあったりするんです。髪の毛のことで悩む時間があったら、もっと大事なことに時間を使いたい。そんな思いもあるんです。 それに、年をとると髪の毛が薄くなったり、白髪が増えたりしますよね。そういうことを気にしてばかりいると、お坊さんとしての修行に集中できません。だから、剃ってしまう。そうすれば、髪の悩みから解放されて、修行に専念できるというわけです。

4. すべての宗派が剃髪するわけじゃないんです

ここで、ちょっと意外な事実をお話ししますね。実は、すべての仏教宗派が剃髪をするわけじゃないんです。えっ、そうなの?って思いましたか?

そうなんです。たとえば、真言宗の一部の僧侶さんは髪を伸ばしています。これって、宗派によって考え方が違うからなんです。

「髪を剃ることが大事なんじゃない。人々に安心を与えられるかどうかが大事なんだ」という考え方もあるんです。つまり、外見よりも中身が大切ってことですね。

5. 現代社会とお坊さんの髪型

さらに、現代社会ならではの理由で髪を剃らないお坊さんもいます。えっ、そんなのアリ?って思いますよね。でも、考えてみれば当然なんです。

たとえば、兼業のお坊さんって知っていますか?週末はお寺でお坊さん、平日は会社員みたいな人たちです。意外と多いんですよ。そういう人たちにとっては、髪を剃るのが難しい場合もあるんです。

会社に行く時に、スーツを着た丸坊主のサラリーマン。ちょっと想像つきますか?もしかしたら、お客さんびっくりしちゃうかもしれませんよね。

だから、そういう人たちは髪を剃らずに、普通の髪型をしていることもあるんです。でも、それでもちゃんとお坊さんなんですよ。

6. おわりに:2500年続く伝統の真髄

さて、ここまで「お坊さんはなぜ頭を剃るのか」についてお話ししてきました。いかがでしたか?

お釈迦様から始まったこの2500年以上も続く伝統。単なる髪型の話じゃないんですね。そこには、深い意味が込められているんです。

  • 煩悩からの解放を目指す決意

  • 修行に集中する覚悟

  • お釈迦様の教えを守り続ける誓い

こういったものが、あの「ツルツル」の頭に込められているんです。

でも、髪型が違っても、心の中身が大切なんだということも忘れちゃいけません。髪を剃っているお坊さんも、髪を伸ばしているお坊さんも、みんな同じ目的を持っているんです。それは、人々に安心を与えること。

次にお坊さんを見かけたとき、その髪型に込められた深い意味を思い出してみてください。そこには2500年の歴史と、人々の幸せを願う想いが詰まっているんです。

みなさんも、自分の髪型や外見に込めている想いってありますか?あるいは、外見よりも大切にしていることってありますか?ぜひ、コメント欄で教えてくださいね。

それでは、蓮城院副住職のコウブンでした。また次回お会いしましょう!

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