愛の証明_ver

【愛着・AC 克服記録】Column 5-2 愛の証明 (破編)

リンク
愛着障害・アダルトチルドレン 克服記録
ADHD 克服記録
書籍部
Radiotalk
「ながらで克服!」〜愛着障害・アダルトチルドレンを克服した中の人の話〜
#019 生きるとは? その① (Colunm 5-2 解説)

note (Link) Radiotalk (Link)
#020 生きるとは? その② (Colunm 5-2 解説)
note (Link) Radiotalk (Link)
バックナンバー

5-2 破編 「生きるとは?」

2-1. 前回のおさらい ― 今、目の前にあるものに感謝してみよう


画像1

 まずは、前回 (序編) のおさらいです。

Q: 愛情とは?
A: 相手を「ポジティブ」な状態に変化させる性質、「正の行為」を伴った「意志」

Q: ありがとう=「感謝」とは?
A: 相手の存在そのものへの心からの喝采

 Aさんが、「愛情」を伴った行為をBさんに向けてすることで、Bさんはポジティブな状態になり、それを「感謝」の形で、Aさんに返す。
1周サイクルして、初めて成立。
そしてお互いが、喜びに包まれている。


ふーん………。で、私はどうやったら愛を得られるのよ??


…………

ですよねー


 そこで、発想を変えてみましょう。
 たしかに、このサイクルは「愛情」が先にあって、それに対して「感謝」を返すわけです。
 ですが、もし自分が、何かに対して自発的に、「ありがたいな…」と感じたら、その裏には必ず「愛情」があります


画像2

 例えば、「今、この記事を見ているディスプレイ、スマートフォン、そしてインターネット
 これがある「おかげ」で、我々は遠く離れた場所の誰かさんの記事を読めているわけです。自分が好きな動画・音楽・ショッピング・SNS などなど、現代的な楽しみの恩恵にあずかれるわけです。

そうすると自然と、「こんな便利なもの作ったやつすげぇな、ありがてぇ

と感じません?

(感じないなら、それはその人の感性です。そしてそんな人は「こんなの今どき誰でも持ってるし、『当然』だろ?」と感じているでしょう)

これが、「感謝」です。

じゃあ、自分はどんな「愛情」を受けているの?
それは人それぞれですが……

例えば、
・簡単にショッピングができる → 時短・利便性
・知らなかった知識を得られる → 知的満足・QOL の上昇
・新しい知人ができる → 精神的な喜び・人生の広がり
などなど
(嫌なことももちろんあるでしょうが、それだけならあなたはネットの活用を続けていないはず)。

今あげたものは、スマホやネットが自分にもたらしてくれた「ポジティブな力」です。
(愛情と感謝の爆発的力は、この次のコラムで説明します)



― ― ― ― ― ― ― ― 

しかし、鋭い読者さんは「策士、策に溺れる」とお思いかもしれません。

いやいや、あなた、これは「愛情」と「感謝 = 存在」を "自給自足" しようって話だったじゃない?
何おもいっきし "自分以外のモノ" に頼ってんだよ!はい論破ー

ぐぬぬ…でも僕はへこたれない。


その前に、「愛情」と「感謝」の2つの性質に触れておかねばなりません
ちょっと回り道。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-2. 愛情と感謝は等価交換 ― 強さの基準は感謝


 前回の復習では、Aさんが与えた愛情を、Bさんはしっかり受け止めていました。
 ですが、もしもAさんが与えた愛情が、Bさんにとってそこまで嬉しくなかったら?


画像3

 プレゼントをしっかり準備して渡したけど、リアクションが思ってたより弱かった…
 そんな話をよく聞きますよね。
 この出来事を、「愛情と感謝のサイクル」視点でみるとどうなるか?


画像4


それがこの図です。

① 愛情と感謝は等価交換です。
② 強さの基準は「感謝」の強さです。感謝が弱いと、その分愛情が無駄になります。
③ 「感謝」の強さがゼロだと、その「愛情」は愛情ではなくなってしまいます。

この原則は、とても大事なことを僕らに語っています。


感謝の気持ちがない人は、愛情も受けられない。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-3. 愛情と感謝の時間的性質 ― 愛情は「未来」に、感謝は「過去」に


 愛情は、「行為」である。
 これはエーリッヒ・フロムの定義でしたが、ここには必然的に「時間」の概念が出てきます。自分が何か考える → 動く → 相手が反応する、という段階を踏むからです。

 現在の物理学の解釈としては、「現実世界では過去には戻れない」ことになっていますので、愛情はどうしても「未来」に対してしか向けられないことになります

 (同時はどうか?少なくとも "他人" とのやり取りにおいては、同時はありえないでしょう。どれだけ同時と思えても、数ミリ秒、数ミクロン秒の誤差はあります)

 そうすると、これも必然的に、感謝はどうしても「過去」に対してしか向けられないことになります

画像5

これを図にするとこんな感じ。

 前回の復習では、AさんとBさんは横並びに描かれていましたが、「時間」という概念を入れると、Aさんは "数秒後 = 未来" のBさんに愛情を与え、Bさんは "数秒前 = 現在" のAさんに感謝するわけです

そして、ここも大事なことですが、「現実世界」ではAさんは "数秒前 = 過去" のBさんには愛情を与えることはできない、わけです。当然、"数秒前" のBさんからの感謝も返ってこない…



え……何いってんの……?

(´・ω・`)イミワカラナイヨ


すみません…
ただ、僕がここで「時間」の概念を出したのは3つの理由があります。
① 「イメージ・記憶の世界」では「過去」に愛情を注ぐことができる。
② 「イメージ・記憶の世界」で時間が逆行していることが、精神疾患克服のポイント。
③ 自分は過去の「何か」に感謝することで、力を得ることができる。


特にここで一番大事なのが、

③ 自分は過去の「何か」に感謝することで、力を得ることができる。

①・② について
① 自分の過去と向き合い、感情を蘇生させることが「過去に愛情を注ぐ」ということです。
② 「イメージ・記憶の世界」で過去を憎悪し、過去に囚われていることが、精神疾患の根本原因です (これが、生物学的・神経科学的な脳の異常を引き起こしているのです)。

― ― ― ― ― ― ― ― 

ここからはタイムトリップが始まります。

ヒントは、「お盆、めっちゃ大事!」


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-4. あなたが今現在、存在する理由は?

― Why do you exist at this point in time?



Q: あなたが今現在、存在する理由は?

こんなこと聞かれても困るよ!
それを探すのが人生だろ?


いいえ、答えはあります。


A: ご先祖様がいたからです。


画像6

 今現在、自分がこの世界に存在できているのは、両親という生物個体がいたからであり、祖父母たち、曾祖父母たち、そしてご先祖様方がいたからです。

(これを論理的に否定することも可能です。それが、『世界5分前仮説』です。こいつに登場されると何も言えなくなるので、先に退場してもらいました。ちなみに、いいえ、ケフィアです。懐かしいですね)


こうしてみると、ご先祖様ってと―――――っても「ありがたい」ですよね?


では、感謝してみましょう。


画像7

ご先祖様への感謝は、

親 → 祖父母 → 曾祖父母 → …

と1代1代さかのぼって続いていくのですが……

これ、どこまで行くんでしょうか?

(親に感謝するのがどうしてもできない方は、
① 親という "生物" にだけ感謝して、親の "人格" "言動" と切り離す
② ばあちゃん、曾祖母などの顔を見たこと無い人たちから感謝をスタートする
など工夫すると良いかもしれないです)


画像8


時代でさかのぼれば、平成の世から昭和、大正、明治、江戸…と続いていきます。


画像9


感謝はその後も、戦国…平安…縄文…とさかのぼります。
人間の時代にはとどまりません。
人類以前の、サル、ネズミの頃までさかのぼり…
細胞の誕生、アミノ酸の誕生までさかのぼり…
地球誕生までさかのぼります…

考えが飛躍しすぎでしょうか?
でも、これは "科学的" に正しいと学校で習ってますよね?
(そこに異論を唱えるのは、個人の自由です)



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-5. 過去の果てから折り返す ― 感謝の強さが愛情に


画像10

そして、感謝は「宇宙誕生」までさかのぼります。

そこで感謝は折り返して、未来に向けた「愛情」に姿を変えます。

愛情と感謝は「等価交換」ですから、

自分の感謝と同じ強さの愛情が、過去の果てから現在に返ってくるのです!


画像11

画像12

画像13


つまり、自分の中に『過去への感謝』が生まれれば、過去に存在したあらゆる存在が、自分を無条件に受け入れる『愛情の海』となるのです。



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-6. 愛情の海 ― 母性的愛情の正体


心の苦しみを抱えている人が求める『無条件の愛』。

これは、母親から与えられる「母性的愛情」といいます。

これまでの人類は、「母性的愛情は幼い頃に母親から与えられる以外に手に入れる方法は無い」と考えていました。


しかし、自分が過去への感謝の心を持つことで、ご先祖様や宇宙の誕生そのものが、自分に力をくれる『愛情の海』になることがわかりました。

これが、母性的愛情の正体です。

母親の背後に連綿と連なる過去の営みが、現在の自分が存在することを無条件に受け入れてくれるのです。

画像14

この無条件の愛情の海は、自分の心が疲れている時、自信や信頼できるものを失った時ほど、自分に力をくれます。
(想像力をどこまでたくましくできるか?という話です)

・母親の羊水のように自分を温かく包みこむ。
・何かをする力を失った時に、ただリラックスしてぷかぷかと漂う。

 この愛情の海は、過去の、変わることの無い事実に基づいているので、絶対に自分を裏切りません


こうして、自分が欲しかった「②愛情」を自分の中で自給自足することに成功しました!


画像15


何か納得いかない!という人は、次のように考えてみてください。
・のび太くんとセワシくんの関係
もし、自分の子孫が、未来で悲しんでいたら?苦しんでいたら?
タイムマシンがあれば、無条件で支えてあげたくなりませんか?
過去のご先祖様は、無条件に子孫が元気に暮らすことを願っているのです。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-7. 『有り難い』の意味


ここで、なぜ『有り難い = 有ることが難しい = 存在の喝采
となるのかを考えてみます。

画像16

まずは、先程のご先祖様に感謝しようの図です。

自分視点で考えると、ご先祖様が存在することは『当然』のように感じますよね?
「ご先祖様がいないと自分は存在しない…そりゃそうだろう?」


でも、ご先祖様視点でみると、子孫の自分が存在することは『当然』と感じるでしょうか?


画像17

これは、ご先祖様の曾祖父母をスタートにした図です。

生きていくことは選択の繰り返しであり、予期しない形で死を迎えることもあるわけです。
そのような選択の先に祖父母が生まれ、今度は祖父母の人生の選択に入ります。
特に祖父母の時代は、太平洋戦争があり、九死に一生を得た祖父母がいたからこそ、自分の親が生まれたのです。
そして、親がさまざまな選択をし、父と母が出会ったことで、やっと自分という人間がこの世に生を受けたのです。

ですから、ご先祖様視点で見れば、
"自分" というひ孫が存在することは、数多の選択肢の中のたった1つの結果なのだ。それが存在していること自体が珍しくて、難しい
となるのです。
(これが仏教的な "有り難い" の本質)

つまり、

過去 → 未来の視点では、「(ひ孫が) 有ることそのものが難しい」

未来 → 過去の視点では、「(曽祖父が) 在ることそのものが素晴らしい」

となるのです。


― ― ― ― ― ― ― ― 

しかし、鋭い読者さんは、再び「策士、策に溺れる」とお思いかもしれません。

いやいや、それは現在の自分が存在できている「理由・根拠」にはなるけど、自分が存在する「意義 = 生きる意味」にはならないでしょ?はい論破ー

…論破、できてません!

さっきの図の続きを考えれば良いのです!


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-8. 『生きる』とは? ― 自分の選択が全ての起点


 先程の図を、「過去 → 未来の愛情」と「未来 → 過去の感謝」で並べてみます。

画像18

こうしてみると、「愛情」と「感謝」の視覚的イメージもわかりやすいですね。

「愛情」とは、暗闇の中に明かりを灯す = 未来を切り拓く力であり、

「感謝」とは、その灯された光に敬意を払うことなのです。


そして、先程の図を「曾祖父母 → 自分」、「自分 → ひ孫」に書き換えれば、「生きる」ということも、自分の「存在意義」も理解できます。

画像19


「生きる」 = 未来に愛情を注ぎ、自分の未来を切り拓いていくこと


「存在意義」 = 「未来の自分や子孫」が感謝してくれるような今現在の選択をすること


こうして、自分が欲しかった「③存在意義」を自分の中で自給自足することに成功しました!


画像20



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-9. 自分の拠り所 ― 自分を貫く『自分軸』


ここまで来ると、自分が「何を拠り所にすればいいか?」もわかります。

自分は過去から未来へ続く愛情と、未来から過去へ続く感謝の両方に貫かれているのです。

画像21

この両方から貫かれることで、感情を半分蘇生させつつも虚ろだった自分が、『自分軸』を獲得して完全復活するのです!


こうして、自分が欲しかった「①拠り所」を自分の中で自給自足することに成功しました!


画像22



■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


2-10. 生きたいように生きる ― 自分勝手で良いのか?


長くなりましたが、まとめです。

ここまでで自分の中に「拠り所」「愛情」「存在意義」の3つを自給自足することに成功しました。

これはどうゆう状況下といえば、精神的に生まれ変わって、「自己中心的な赤ん坊」というスタートラインに立っていることと同じなのです!

画像23


そして、もう1つ重要なことは、

『自分軸の獲得』の上で、現実世界の登場人物は、自分だけ!


ということ。

自己中心的なままの状態では、現代中国で問題になっている "暴れ小熊" と同じで、人間の現実世界では生きていけないのです。


自分一人の世界に籠もって満足するのは嫌だ。
せっかく精神的に立ち直ったのだから、人と交わりたい!


どうしたらいいのか………?


ここから、父性的愛情や、理性さんが登場してきます!


Next

Column 5【愛の証明】

Column 6-3 (仮) (最終回) (無条件の愛情の解説です)

(こちらは不完全で混乱するのでおすすめしない)
5-X 急編 「人を愛し、人の世を生きるとは? 」
5-3 急編 その1 「波って、なあに? 」

いいなと思ったら応援しよう!

酵母マン-医学部編入生@AC・愛着障害 第3期「みんなで価値を創出しよう」
サポートの目安はアサヒ・ザ・リッチ1本文です。

この記事が参加している募集