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【ハリウッド映画の3幕構成から考える】小説におけるあらすじと設定の考え方(2017年11月号特集)
見切り発車で書き出したが、実際に書いてみたら設定として無理があった、成り立たなかったでは書いたことがむだ。3幕構成で構成の仕方を学ぼう!
その前に、設定とあらすじを考える
構成を考える前に、あらすじと設定を考える。頭の中で想像して話を膨らませ、実際にあらすじを書いてみる。舞台設定や登場人物についても具体化する。
このとき、登場人物が実際にいる人物のように動き出し、話もどんどん膨らみ、あなた自身、この話を書きたい、情熱が傾けられると思うようなら合格。
ただし、書き出すのは構成を考えてから。ここが甘いと長編は必ず行き詰まる。短編ならざっくり起承転結でいいが、長編の場合はそれではもたない。これを解決するために、ハリウッドの3幕構成で構成の仕方を学ぼう。
長編を書くなら3幕構成にしてみよう
ハリウッド映画の3幕構成はヒット作を生む定番の構成法。基本は起承転結や序破急と同じだが、中身を細かく詰められるようになっている。この構成法でやってみよう。
第1幕
第1幕は全体の4分の1。全体が200枚なら50枚。全体が300枚なら75枚。
第1幕で書くことは、物語を動かしながら、その中で設定を明らかにすること。まず、セットアップ。これは5~10枚ぐらいの導入部。この話はどんな話なのか、いつ、どこで、誰が、何をといった5W1H、ホラーなのかラブストーリーなのかなどのジャンルを伝える。
また、第1 幕の中でカタリスト(きっかけ) を作り、セントラルクエスチョン(主人公の目的とそれは実現するのか) を提示。
第1幕の最後には、第1ターニングポイントがある。ここでは大きな出来事、衝撃的な事件が起こり、主人公を次のアクションヘと向かわせる。
第2幕
第2幕は全体の半分の量。全体が200枚なら100枚分を費やす。
第2幕の役割は、デイベロップメント(展開) 。勘違いしやすいのは設定を膨らませたり詳しく書いたりすることが展開だと思うこと。設定が破れて、なんらかの変化が起こらないと展開したとは言えない。
第2幕の中間にはミッドポイントがあり、ここが全体の折り返し点。展開した話が結末に向かって動き出す。
第2幕の最後には、主人公を結末へと向かわせる第2ターニングポイントがある。第2幕は長いので、さまざまな出来事があり、コミックリリーフ(笑わせどころ) や大小複数の山場がある。展開は緩やかだが、第2 幕の最後に向かって徐々に早くなる。
第3幕
第3幕も全体の4分の1 で、第1 幕と第2慕と第3 幕の割合は、1 : 2 : 1。
第3幕の役割は、リゾレーション(解決) 。主人公の目的が実現するかどうかが問われる大きな事件(クライマックス) があり、それを乗り越え、セントラルクエスチョン( 目的を実現できるか) が解決する。
まとめ
3幕の割合は、1: 2: 1。
3幕の役割は、設定・展開・解決。
出来事は、セットアップ、第1 ターニングポイント、ミッドポイント、第2 ターニングポイント、クライマックスの最低5つ。
第1幕では、カタリスト(きっかけ) とセントラルクエスチョン(謎) を提示。
キャラクターをどう考えるか
人物設定の度合いはジャンルによる。一般文芸なら人となりがわかる程度でOK。必ず欠点を持たせる。無理に性格を与えず、物語の要請に応じて、行動、感情、意思決定を通じて性格を表現すること。
長編には必須のサブプロット
長編の場合は、サブプロットが必要になる。サブプロットは話の中のもうひとつの話で、メインプロットを進めたり、方向を変えたりする。また、人物や作品に深みや奥行きを与える……
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※本記事は「公募ガイド2017年11月号」の記事を再掲載したものです。