【ストーリー発想法】4つのヒントを伝授!(2018年12月号特集)
漫然と考えているだけでは、アイデアは浮かびにくいが、何かとっかかりがあると、ピピッとひらめいたりする。そんなヒントを!
ストーリーがわく4つのヒント
公募でも「自由テーマ」と言われると範囲が広すぎてアイデアが湧きにくいが、「空」なら「空」と指定されると、自分の頭の中を「空」というキーワードで探していくので、そこに引き寄せられるようにアイデアが出てくる。砂の中で磁石をかきまわすと、砂金がくっついてくる要領だ。
今回は、童話や小説、シナリオなどのストーリーを対象に、この磁石にあたるものを4つ用意した。これらのとっかかりをもとに、本来、そこにあったはずの物語を掘り起こしてみよう。
このときに必要なのは想像力だ。
わずかな手がかりを飛躍させ、大きく膨らませよう。
1.面白い組み合わせを探そう
名著『アイデアのつくり方』の著者、ジェームズ・W・ヤングは、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」と言っている。
よく斬新なアイデアというが、誰も知らない斬新すぎるストーリーだった場合、読者や視聴者は先を読むこともできなければ、なじみのある世界でもなく、まったく話についていけなくなるリスクが大きくなる。
つまり、何にも立脚していない孤立したアイデアではなく、今あるものを組み換える。そうすれば、「新しいのになじみがある」というアイデアになる。
たとえば、以下のようにいろいろな組み合わせを考えてみよう。「もしも……だったら」と考えるのは発想法の基本だ。
2.ストーリーを予想してみよう
童話や小説などの創作には、続きを予想するという創作法がある。
星新一にすべて「ノックの音がした。」で始まるショート・ショートがあるが、冒頭の設定部分を借りて続きを書いてみるなどしてみよう。
完結した小説の続編、または話が始まる前を、1つの作品として仕上げるという方法もある。基本的には習作の方法だが、うまくリメイクできて独立した作品になることもある。
3.タイトルだけ見て内容を想像しよう
タイトルは、内容表示でもある。
ネタ割れになるのを防ぐという意味もあり、『雪国』『晩年』のように中身がわかるようでわからないタイトルが多いが、それでも内容を想像させる手がかりにはなってくれる。
新しいストーリーを作るときは、この曖昧さが利点になる。
書店に行くとさまざまなタイトルの本が並んでいるが、『郵便配達は二度ベルを鳴らす』とあったら、あなたならどんなストーリーを連想するか。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』はどうか。『九マイルは遠すぎる』はどうか。ここはもう好き勝手に想像を膨らませていい。
このとき、中身を知らない作品のほうが想像力をかきたてられる。
4.名言をもとにストーリーを作ろう
いい小説からは名言を引き出すことができる。であれば、名言から小説を作ることはできないか。
下記の「あのとき食べておけばよかった」という名言なら、そのような猟奇小説のネタになるかもしれない。あとは君の腕次第!
特集:着想のヒント、差し上げます
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※本記事は「公募ガイド2018年12月号」の記事を再掲載したものです。
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