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小さな"哀しい"を積み重ねて、泣きたくなる時は。
なんだか泣きたい気分だ。
泣きたいほど悲しいことなんて起きてやしないのに。たぶん、昨夜は寝つきが悪くて怖い夢を見たからだな。
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ふとした時に、急に泣きたい気分になる。それはご飯を食べた後だったり、紅茶を飲み干した時だったり、ドラマを観ている時だったり、枕に顔をうずめた時だったり。なんら変わらない日々を過ごし、これと言って何も起こらないにもかかわらず、なぜだか泣きたい気分になるのだ。
嘘。
ほんとはちょっと、哀しいことがあった。
ほんとはもっと、幸せになりたい。
1人で食べる味気ないごはんも、ふぅ〜っと一息ついた時も、ドラマで幸せそうなワンシーンを観た時も、ちょっぴり泣きたくなるのだ。とても哀しいわけじゃないけれど、小さな"哀しい"をちょこちょこ無視して強がっていると、ぽたんぽたんと溜まっていって、いつしか急に泣きたくなるのかもしれない。
大人になると、こどものように声を出してわんわん泣くことはなかなかに難しい。大人だって転んで怪我をすることだってあるのに、こどもみたいに痛いよー!って泣き叫ぶことはできないものだ。
大人だって心は傷つくのに、平気なフリばかり身について、自分の感情に耳を傾けずに、泣くことすらままならない。感情のままに泣くことは、いつからこんなに難しくなったんだろう。
なぜか今日は、泣きたい気分だ。
なぜかなんて、白々しい。
小さな"哀しい"も、小さな"つらい"も、小さな"モヤモヤ"も、小さな"苦しい"も、積もり積もれば大きくなる。そうして知らず知らずに蝕んでいく。厄介なのは、"哀しい"の上には"哀しい"しか積もらないんじゃなくて、"哀しい"の上に"つらい"も"モヤモヤ"も"苦しい"も全て積もり積もって、足し算ではなく掛け算のように、あっという間に大きくなるということ。
どうか、小さな感情にも目を向けて。
小さな感情も無視しないで。
そう自分に言い聞かせて、うんと哀しい映画でも観てうんと泣いてやろうと思う。
なんだか泣きたい時は、泣いたほうがいい。
泣きたい時は、泣いたほうがいい。
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