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6)お父さんのお葬式がやってきた
世話人という存在
お葬式の打ち合わせの時からずっと、ひとりのおじさんがいて、いろいろなアドバイスをしてくれました。
お布施の金額に仰天しながら打ち合わせを続けているわたしに、「お布施のことで頭がいっぱいと違う?」と言って、お布施を安くしてあげられないかとも言ってくれた人です。
この人が「世話人」と言って、父のお葬式について、何から何まで面倒をみてくれるという人でした。
この葬儀社にしてよかったと思うことのひとつが、この世話人さんの存在です。実に事細かにお世話になりました。
お葬式にはいけないけれど
打ち合わせからわたしが帰ってきた後、母は銀行に行って、お金を準備してくれました。とんでもない金額なのにどこからともなく調達しました。もしかして、ウチって、金持ち?
お葬式に参列してくれるのは母の弟夫妻、つまり叔父と叔母です。
この叔母から電話があり、「お姉さんが何もしないのは落ち着かないって言うんだけど」と相談されました。「お姉さん」というのは母の姉で、遠方のに住んでいます。
ふと、打ち合わせで、お葬式の供花について話したことを思い出しました。だから、お花をもらえたら嬉しいと言うと喜んでくれました。金額はいくらでもいいから二人分お願いして、と頼まれました。
これまた高額
早速、世話人さんに電話をしました。お花をお願いしたいのですが、というと嬉しそうに1万6千円に消費税です、と言われました。うわ。
世話人さんがお花を喜んだのはお金のことだけではありませんでした。この理由はお葬式の時にわかることになります。
さて、喪服だ
頑張って10月から「喪服ダイエット」をしてきました。成果はいかに!と思いつつ着ると、やはりゆとりが少しだけ出来ていました。体重が2キロ減るとこんなに違うのかと驚きました。
お葬式は13時からだったので、わたしと母は12時前に会館に行きました。歩いて10分くらいの近さです。
叔父夫妻も来てくれて、和室に通されたのでのんびり話をしていました。この和室を使うのにも実は料金が発生していました。でも請求書を見ると、最後に「サービス」として引いてくれていました。
最初の見積もりにはなかった内容です。
お寺さんこんにちは
「お寺さんがいらっしゃいました」と世話人のおじさんが来てくれて、わたしがお布施を持って別室へ行きました。父の話をして、戒名をいただきました。
白木に筆で書いてくれたのですが、お葬式の後で母が、字が下手だと言いました。お寺さんもたいへんだ。
まだ30代くらいの若くて面白い人で、「正直なところ、僕らの仕事はサービス業なんですよ、今は」と言いました。檀家が減っているからという事情は、いずこも同じです。
話が飛びますが、四十九日では、お布施3万円と車代1万円を用意しました。この金額は世話人さんが教えてくれました。お布施袋まで用意してくれてびっくりです。
四十九日までの間、毎週白いお花を届けてくれました。真言宗では四十九日までは白いお花を供えるとのことです。なんだか面白いです。
お葬式はつつがなく
参列者が少ないので、お葬式はテンポよく終わりました。
スタッフや司会やお坊さんや、みんな素晴らしくて本当にいいお葬式だった、叔母は何度も言って喜んでくれました。
こんなに喜んでもらえるなら、お葬式をしてよかったと思いました。
叔母と伯母からのお花のおかげで、祭壇が華やかになったのが良かったです。さらに、お葬式の後に、父の棺がお花でいっぱいになったのもよかったです。
世話人さんはお花をわたしたちに配りながら、「全部入れてあげてね」と楽しそうに言いました。この人は、この仕事を愛しているのだなぁとしみじみしました。
「わからないことはなんでも聞いてくださいよ」と世話人さんが言ってくれていたので、わたしは本当にたくさんの質問をしました。
お葬式のしきたりから、三途の川の渡り賃を棺に入れるというような話まで、ひとつひとつがものすごく勉強になりました。
恐ろしく高額な勉強代ではありましたが。
法的なことや金額・手続きの詳細については、わたしの場合でしかないので、ご了承ください。(全13回)
【シリーズ:お父さんが死んだ後】でした。
イラストは「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。父は長い長い旅に出ていきました。
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