初めての就活~55歳からの挑戦~(24)社会の歯車と聞くたびに
「三度目のお祈り」が届くまでの間、
就労移行支援事業所りんりんに通う時に、
毎日毎日唱えていました。
「社会の歯車になりたい!」
歯車には役割があるが
脱サラおじさんがパン屋さんになり、
はやっているというニュースがあり。
「会社で働いてたらもうあれですわ、
社会の歯車ってことになるけど、
こうしてみると(自分の店を持つと)、
ホンマに自分が生きてるって、
感じられるようになりましてん。」
おじさんが羨ましい。
社会の歯車にさえなれないわたしって、
なに?
歯車どころか歯車に接着剤を流し込む、
社会のお荷物なのかもしれない。
採用されないだろうという気持ちから、
悪い方に想像してしまいます。
やむなく祈る言葉は、
「どうか歯車として使ってください。」
これがいわゆるコネ入社?
ある日、
面談中にGさんが突然、
あ、そそそそ、こうりんさんにぃ、
と言って、話し始めました。
社長の友達の友達が、
誰かひとり障害者を雇いたいので、
ちょうどいい人いないかな?
と、口走ったらしいです。
当然社長はラッキーと思って、
急いで会議にかけて、
なんとわたしが選ばれました。
働く場所も業種もわからないけれど、
話としては大変ありがたいです。
年齢はクリアしたのですが、
障害の種別でひっかかりました。
障害者と言えば
求人票をみていて分かることですが、
障害者雇用の事務系では、
車イスの人を、雇用対象に
想定していることが多いです。
今回も、会社の人が、
精神障害者というところで、
戸惑っているとのことでした。
Gさんは障害者と言っても、
ホントに普通の人ですから、
というのをメインにいろいろと、
アピールしてくれた結果、
面談することになりました。
ところが面談日が決まらない。
温厚なGさんがついに切れかけて、
明後日までに連絡がなかったら、
怒りましょ!と宣言しました。
怒るGさんの姿を想像できないですが。
電話1本、力尽き
結論から言うと、
話は流れました。
障害者雇用をしたいと言った人が、
会社の偉い人との間でもめ事があり、
会社を辞めるかもしれないので、
責任を持って雇えない、
という話でした。
あららー。
困りました。
すっかり歯車気分だったのですが。
やはりわたしは歯車になるのさえ、
難しいのだと歯磨きをしながら、
鏡と相談していたりします。
朗報もあり、嬉しい嬉しい
りんりんに、
もう2年近く通っているという、
一番古株で一番若いMさんが、
実習の後で、面接を受けました。
ある日、りんりんに行ったら、
Mさんは今日から会社に行ってる、
突然言われて驚きました。
元気に働いていると、
担当のGさん(Gさん大活躍)が、
教えてくれました。
よかったよーーー!!
他人のことは素直に喜べます。
自分のことだと不安が大きい。
などと言いつつわたしは、
しばらく就活をお休みします。
話せば長いので、また次にでも。
【シリーズ:初めての就活】でした。
イラストは「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。明るくて温かい、Mさんみたいな雰囲気です。優しい作品をありがとうございます。
(ひとつ前は「やっと来た三度目の『お祈り』」になります。)