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一介の貧乏人から天下を動かす賢人へと大出世した男の物語【教養を深める中国古典のお便り#21】

皆様、こんにちは!

メンバーシップ向け特典記事の「古典のお便り」21通目になります。

こちらのシリーズでは、普段の記事では取り扱っていない古典・史書から、さまざまな名言をお届けしています。

基本的に1記事で完結していますので、どこから読んでいただいても大丈夫です。

さて、前回は『漢書』からお届けしました。

今回は『戦国策』からお届けします。

『戦国策』については、以下の回でも取り上げましたね。

気になる方はこちらも合わせてご覧いただければ幸いです。

というわけで、今回は『戦国策』から、蘇秦の立身出世に関するお話をご紹介いたします。


『戦国策』秦策に学ぶ

今回取り上げるのは『戦国策』秦策からの言葉。

書を読みて睡らんと欲せば、錐を引きて自らその股を刺し、血流れて足に至る
(読み:ショをヨみてネムらんとホッせば、キリをヒきてミズカらそのマタをサし、チナガれてアシにイタる)

『戦国策』秦策

本を読んでいて眠くなったときには、錐を自分の太ももに刺して眠気に耐えたので、太ももからは血が流れていた、という意味。

戦国時代に縦横家として活躍した蘇秦(そしん)についての記述です。

彼がまだ無名だった頃、必死に勉学に励んでいたときの様子が伺えます。

蘇秦の必死の努力は実り、やがて秦に対抗する六国同盟の立役者となるのですが、ここではひとまず、蘇秦が立身出世するまでのお話をみていきましょう。


家族から無視され続けた貧乏遊説家、蘇秦

蘇秦は歴史の教科書に載るほどの有名人ですが、実は若い頃にかなりの苦労をしていました。

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