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自分の漠然とした気持ちに形を与えてあげよう(『詩経』毛詩大序)

今回取り上げるのは『詩経』毛詩大序からの言葉。

詩は志の之く所なり
(読み:シはココロザシのユくトコロなり)

『詩経』毛詩大序

詩はその人の志が表面化したものである、という意味。

儒教の経典の一つにもなっている『詩経』ですが、そのとある序文の中で述べられている言葉になります。

「詩とは何か?」というお話。

なかなか奥深いですね。


『詩経』は中国最古の詩集。

古代中国における各国の民謡や祭祀の言葉、周王朝の宮廷で用いられた歌などが収録されている古典です。

伝承としてあちこちで伝わっていたものを、孔子が一冊の本の形に編纂したと伝わっています。

そんな『詩経』ですが、昔は製本技術が存在しなかったので、読むためには原本を手にするか、自分の手で書き写さなければなりませんでした。

写本されたものは「魯詩」「韓詩」「斉詩」という形で三家に伝わっていたものの、それらは時代を経る中で失われてしまいます。

現代まで残っているのは、漢の時代に毛亨(もうこう)と毛萇(もうちょう)が伝えたとされるもの。

一般的には『毛詩』と呼ばれています。

つまり、毛詩大序というのは「毛さんが伝えたとされる『詩経』の序文」といった意味合いです。

毛さんがいなかったら、現代の私たちは『詩経』を読むことができなかったかもしれません。

後世に史料を伝えることの大切さと難しさを感じます。


せっかくなので、今回ご紹介した言葉の続きをもう少し見てみましょう。

詩は志の之くところなり。
(読み:シはココロザシのユくところなり)

心に在るを志と為し、言に発するを詩と為す。
(読み:ココロにアるをココロザシとナし、ゲンにハッするをシとナす)

『詩経』毛詩大序

詩はその人の志が表面化したものである。
心にあるものを志といい、言葉として発せられたものを詩というのだ、という意味。

なかなか素敵な考え方だと思いませんか?

私は詩の書き方は分からないのですが、noteでもさまざまな方が詩を作っているのを見て、いつも素敵だなぁと感じています。

自分の心の中にある世界観を短い文字数の中で表現するというのは、かなり難しいことだと思うのですが、コンスタントに作品を発表されているのを見ると、私も勇気をもらえる気がするのです。

そして心の中を表現するという意味では、小説を書いたり、日々の想いを綴ったりするというのもみんな素敵なことだと思います。

私も日々感じたことを交えながら古典をご紹介していますが、こういった活動ができるのも、noteや今この記事を読んでくださっている皆様のおかげですね。

いつもありがとうございます。

これからも、自分の中の志を、自分なりの形で外に発信していこうと思います。

詩は志の之く所なり
(読み:シはココロザシのユくトコロなり)

『詩経』毛詩大序

今回は、詩はその人の志が表面化したものである、という言葉をご紹介しました。

自分の心にある無形の思いに形を与えてあげると、頭と心がスッキリします。

特に、考えがまとまらなかったり、なんだかモヤモヤしているときに効果的です。

いつも発信している人も、最近なかなか発信できていない人も、まだ発信したことがない人も、それぞれの形で自分の心の中の思いを言葉にしてみてはいかがでしょうか?

きっとあなただけの素敵な「詩」になると思いますよ。

それでは今回はここまで。

また次の記事でお会いしましょう👋


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