自身の行動を変えることが、相手と周囲を変えることにつながる【教養を深める中国古典のお便り#12】
皆様、こんにちは!
メンバーシップ向け特典記事の「古典のお便り」12通目になります。
こちらのシリーズでは、普段の記事では取り扱っていない古典・史書から、さまざまな名言をお届けします。
前回は『資治通鑑』からお届けしました。
今回は、以前にもご紹介したことのある、『後漢書』を取り上げます。
『後漢書』の概要説明は以下の記事で行っていますので、確認したい方はこちらの記事をご覧ください。
というわけで、今回は『後漢書』から、「自分を律し、行動でもって周囲の模範となること」について、学んでいきましょう。
記事の最後には、漢文に関する学びも記載していますので、最後まで読んでいただけますと嬉しいです。
『後漢書』に学ぶ
今回取り上げるのは『後漢書』第五倫伝からの言葉。
行動を伴って示された教えであれば、人は納得して従うものだが、言葉だけで示された教えに対しては、人は疑問を感じてその真偽を争うものだ、という意味。
つまり、人に何かを教えるときには、言葉だけではなく、必ず自身の行動でもって示しなさい、ということですね。
人の上に立つ者、人を教え導く者に対しての心構えを説いています。
この言葉をより深く理解するために、まずは第五倫(だいごりん)とは何者なのか、というところから見ていきましょう。
城を守っては非凡、領地の運営は公平、人となりは清廉な才人
第五倫(だいごりん)は後漢王朝時代の政治家。
字は伯魚(はくぎょ)といいます。
彼が歴史に登場するきっかけとなったのは、新(8~23年)の王莽(おうもう)です。
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