人生を豊かにする中国古典の名言#67
【今日の名言】
行動するというのは、これまでできなかったことをやってみるということである、という意味。
「行動する」とはどういうことかを述べた文です。
つまり、今までできなかった物事に挑戦することこそが「行動する」ということなのだ、というお話ですね。
私たちには「現状維持バイアス」と呼ばれる機能があります。
要するに、変化を嫌って現状のままでいようとする性質のことです。
これだけだとなんだかネガティブなものに聞こえるかもしれませんが、これには人間の進化の過程が深く関わっています。
私たち人類がまだサバンナで暮らしていた頃。
私たちの祖先の周りには命を脅かすものがたくさんありました。
野生動物、危険地帯、感染症などです。
こういった危険を避けるために、私たちの祖先は社会集団を作ってお互いを守るようになりました。
一人でいるよりも生存確率が上がるからです。
同じ理由から、行動の仕方も安全第一を目指すようになりました。
狩りの際は「いつもと同じ」場所へ行く
毒を避けるために「いつもと同じ」食べ物を口にする
迷子になったり、落石で死んだりしないように、「いつもと同じ」場所で行動する
こういったリスクを避けるようになった私たちの祖先は、生き残るために「いつもと同じであること」を優先したのです。
その結果、私たちの脳は「いつもと同じであること」に安心感を覚えるように進化しました。
そして、この機能は現代の私たちにも備わっています。
私たちが今のような生活をするようになったのは、人類の歴史でいうと極々最近のこと。
そのため、脳は現代の生活スタイルにまだ適応できていません。
もはやサバンナで狩りをしなくても良くなったのですが、今でも脳はサバンナにいる頃のまま。
つまり、私たちの脳は自然と変化を恐れるようにできているわけですね。
このあたりの背景や現代の私たちに与える影響については、アンデシュ・ハンセンさんの本が詳しいです。
気になる方はぜひ手に取ってみてくださいませ。
もしかしたら皆さんの中には、私と同じようにちょっとした変化でもストレスを感じてしまって悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
ですが、必要以上に自分を卑下して追い詰めなくても大丈夫。
変化を恐れるのは人類が生き残る過程でそのように進化してしまったせいなので、「変化に適応できない自分はダメなんだ……」と考えて自分を追い詰める必要は全くありません。
脳が現代的な感覚とずれて反応しているのであれば、その部分を現代風に調整していけば良いのです。
幸い、私たちの脳には「シナプスの可塑性」と呼ばれる、脳の構造を作りかえる機能があります。
これは脳の記憶と学習に大きく関係しており、私たちが言葉を覚えたり、何度も転びながら自転車に乗れるようになったりできるのも、すべて「シナプスの可塑性」のおかげです。
要するに、何度も失敗して学習することで脳が慣れていくわけですね。
これを応用すれば、変化に対する恐怖心も少しずつ克服することができます。
皆さんも、最初は緊張して失敗したけれど、何度も練習したことでなんとか本番を乗り切った、という経験はありませんか?
私は学校で発表や挨拶をすることになった際、はじめはとても緊張していたのですが、放課後などに残って何度も練習することで、無事に本番を乗り切ったことがあります。
思い返すと、本番では最初の頃よりも緊張していなかったかもしれません。
「気がついたら終わってた」みたいな感じだった気がします。
これもきっと、練習を通じて、脳の中のシナプスが再構築されたからではないでしょうか。
新しいことにチャレンジする勇気がない方や変化が怖い方は、とりあえず小さなことから始めてみましょう。
初めはうまくいかないかもしれませんが、焦らなくても大丈夫です。
新しいことを始めて不安や恐怖を感じるのは、脳が正常に働いている証拠。
「私の脳は、まだサバンナにいると勘違いしているんだなー」
と考えて、優しく受け止めてあげてください。
自分の状態を冷静に見極めつつ、小さな挑戦を繰り返していくことで、あなたの脳は次第にその状態に合うように変化していきます。
シナプスが再構成されたら、こっちのものです。
きっと少しずつ「其の行う能わざる所を行う」ことに慣れていきます。
挑戦という行動を続けていけるように、小さなチャレンジを積み重ねていきたいですね。
今回ご紹介した言葉は、以下の回でも取り上げています。
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