大人として守るべき礼節の道(『大学』傳十章)
今回取り上げるのは『大学』傳十章からの言葉。
真心をもってすれば何事もうまくいくが、驕り高ぶる態度でのぞめば何事も失敗するものだ、という意味。
君子として守るべき基本を述べています。
つまり、人と接するときは決して驕らず、相手に敬意を持ち、真心をこめて応対しなさい、ということですね。
今年に入ってからX(旧:Twitter)との距離感を試行錯誤しています。
1年半くらい前に以下のような記事も書いているのですが、SNSは情報量が多くて、ちょっと油断するとすぐに疲弊してしまうんですよね。
でも、即時性のある情報を集めるには便利なので、アカウントは残しておきたいところ。
そこで、今は主に以下の3点の用途で利用しています。
【情報収集】公式アカウントの投稿チェック
博物館や美術館など
【情報発信】過去記事紹介
元々はnoteで投稿していたのですがお引越ししました
【情報発信】記事投稿のお知らせ
今はnoteだけですが、もう少ししたら他にもお知らせする種類が増えるかもです
こんな感じで、情報を受け取ることよりも、情報を発信することの比重を高めにしつつあります。
インプットばかりだと心がパンクしてしまうので、無理のない範囲でお試し中なのです。
皆様に少しでも古典に親しみを持っていただけるように、今年はいろいろと試していこうと思っています。
そんなSNSなのですが、先日X(旧Twitter)を開いた際、とあるスポーツチームの名前がトレンドに上がっていました。
どうやら、試合の1シーンが問題になっていたようです。
動画に映っていたのは、とある選手が相手チームの選手を侮辱する様子。
すごい表情をしていました……。
先日も発言や行動には気をつけましょう、という言葉をご紹介したのですが、相手が格下ということと、試合の興奮で思わずやってしまったのでしょうか?
いずれにせよ、子供たちの夢や目標となるべきプロスポーツ選手としては、よろしくない行動だと感じます。
今回の件は一人の選手がやったことで、そのチーム自体は関係ないのですが、なんとなくそのチーム自体にもネガティブな感情を抱いてしまいました。
スポーツは勝ち負けも重要ですが、それと同じくらい、試合に臨む気持ちや態度も大事だと思っています。
特にプロスポーツ選手の場合は、見ている観客や子供たちに勇気や希望を与える存在です。
それにもかかわらず、大人としてよろしくない態度を取ってしまうと、その試合には勝てたとしても、長期的に見た際にファンが離れてしまうかもしれません。
「驕れるもの久しからず」とも言いますが、驕り高ぶって相手を軽視したり、侮辱したりするのは、百害あって一利なしでしょう。
まさに「驕泰以て之れを失う」です。
君子、つまり礼節をわきまえた大人になるためには、相手への敬意は欠かせません。
孔子も礼節をわきまえない人を嫌っていました。
例え勇気があっても、礼節をわきまえない人は憎んで嫌う、という意味。
孔子も結構激しい言葉を使っていますよね。
それほど、礼節は大事な要素だったのです。
複数人で行うもの(仕事、育児、スポーツ、etc.)の場合は、相手がいてこそ自分の作業も成り立つのだと思います。
野球やサッカーなどの場合、一人で試合をすることはできません。
常に相手がいるからこそ、スポーツ選手として輝くことができるのです。
私は甲子園を見ると、高校球児たちの活躍に感動して勇気をもらいます。
それは、高校球児たちが真剣に試合に臨み、相手や審判に敬意を持って全力をぶつけ合うからでしょう。
相手に敬意を持ち、真剣に真心を込めて何かに取り組む姿は、人に感動を与えるのだと思います。
周りの模範となるべき私たち大人も、誰かに感動を与えられるような礼節のある人になりたいですね。
今回は、人と接するときは決して驕らず、相手に敬意を持ち、真心をこめて応対しなさい、という言葉をご紹介しました。
相手への礼節を大切にし、心を込めて全力で頑張る姿は、私たちに勇気と感動を与えてくれます。
私もそのような心の豊かな大人になれるように、日々精進していきたいと思います。
それでは今回はここまで。
また次の記事でお会いしましょう👋
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