マガジンのカバー画像

人生を豊かにする中国古典の名言

67
「人生を豊かにする中国古典の名言」シリーズをまとめたマガジンです。 朝晩の通勤時や隙間時間の学びにどうぞ。
運営しているクリエイター

#名言

人生を豊かにする中国古典の名言47

【今日の名言】 宝玉を切り出して、さらに形を整えたり、宝石を打って形作り、さらに磨き上げていくかのように、努力に努力を重ねて自分自身を高めていく、という意味。 「切磋琢磨」という四字熟語の語源ですね。 現代では「仲間やライバルと競い合って、お互いを高めていく」といった意味合いで使われることが多いのですが、元々は「懸命に努力して、自分自身をより高めていく」という意味合いでした。 誰かと切磋琢磨するのも良いのですが、その場合はネガティブな比較に陥らないように気を付けなけれ

人生を豊かにする中国古典の名言39

【今日の名言】 困窮しているときも楽しみ、順調なときも楽しむ、という意味。 人生が順調なときも逆境にあるときも、常に悠々としてその瞬間を楽しむべきだ、ということですね。 『荘子』では、順調とか逆境というものは季節の移り変わりのようなものなのだから、一つ一つに心を惑わされるのではなく、その時々を楽しみなさい、とされています。 マインドフルネスの「今、ここ」に集中するという考え方に通じるものを感じますね。 私は人生には好不調の波があると思っています。 好調な時期は何事

人生を豊かにする中国古典の名言34

【今日の名言】 人は「美」を美しいものだと考えるが、これは同時に醜いものでもある。 人は「善」を良いものだと考えるが、これは同時に良くないものでもある。 という意味。 物事とは相対的なものであり、その人の認識によって感じ方・考え方は異なる、ということです。 ある文章やイラストを見て「素敵だなぁ」と感じる人もいれば、「そんなに好みじゃないなぁ」と思う人もいます。 これはどちらが良いとか優れているとか、そういうわけではありません。 物事には色々な側面があり、どこを切り取

人生を豊かにする中国古典の名言33

【今日の名言】 中心の部品に穴が開いていて軸棒を通すことができるからこそ、車輪は役割を果たすことができるのである、という意味。 こちらの画像をご覧ください。 中心に穴が空いていますよね。 そこに軸棒を通すことで車輪を回すことができます。 「何も無い空間」があるからこそ、車輪は車輪としての役割を果たすことができるのです。 つまり、「形の無いもの」があるからこそ「形のあるもの」が役に立つ、ということ。 いわゆる「無用の用」です。 人間にも同じことが言えると思います

人生を豊かにする中国古典の名言32

【今日の名言】 言葉や文章は相手に主旨が伝わればそれで十分である、という意味。 つまり、相手に何かを伝える際には過度な修飾は不要である、ということですね。 何事もシンプルが一番です。 必要以上に言葉を飾り立ててしまうと、文章が長く複雑になってしまいます。 文章が長く複雑になると、本当に伝えたいことも伝わらなくなってしまいます。 伝えたい思いは相手にまっすぐ伝えてみましょう。 率直な思いが相手の心を打つのです。 余計な装飾はいりません。 人生の気付きや学びにつ

人生を豊かにする中国古典の名言31

【今日の名言】 自己修養に努め、その成果を周囲に及ぼすことで人々を安心させる、という意味。 君子の心得について語った孔子の言葉です。 君子たるもの、自分を向上させるために努力するだけではなく、その努力を通じて周囲の人々にも良い影響を与えなくてはならない、ということですね。 これはアウトプットにも通じるところがあるように思います。 自分の成長のために何かを学ぶ。 学んだことをブログやSNSで分かりやすく発信する。 自分のアウトプットが誰かの役に立つ。 こういった

人生を豊かにする中国古典の名言30

【今日の名言】 駿馬は一日で千里を駆けることができるが、ネズミを捕まえることにおいてはネコに及ばない、という意味。 どんな駿馬であっても、ネズミを捕まえることにかけてはネコの方が得意です。 つまり、物にはそれぞれ違った長所があるのだ、ということ。 これは人も同じですね。 どんな人にも苦手なことがあれば、得意なこともあります。 どうせなら自分の得意な分野で勝負したほうが、より大きい成果をあげられるはずです。 上司やリーダーであれば、その人の長所を見出して適材適所を

人生を豊かにする中国古典の名言29

【今日の名言】 つむじ風は朝の間ずっと吹き続けることはできないし、激しいにわか雨は一日中降り続けることはできない、という意味。 老子の例え話ですね。 大自然でさえ、つむじ風や激しいにわか雨を長い時間続けることはできません。 まして人間なら尚更無理でしょう。 つまり、長く続けたいのであれば無理をしてはいけない、ということですね。 頑張るのは良いことだと思いますが、無理しすぎると体を壊してしまいます。 長く続けていきたいのであれば、無理はしないことが大事です。 長

人生を豊かにする中国古典の名言28

【今日の名言】 天地万物のものはみな等しく、そこには何の違いもないのだから、自分の基準で相手を測ってはいけない、という意味。 『荘子』では、次のような例え話が挙げられています。 ある人が相手の指を見てこう言いました。 「お前の指は指じゃない。私の指こそ、本物の指なのだ」 またある人は、相手の馬を見てこう言いました。 「お前の馬は馬じゃない。私の馬こそ、本物の馬なのだ」 どちらも、自分の基準をもとに相手の良し悪しを勝手に決めつけていますね。 この例え話をもとに、

人生を豊かにする中国古典の名言27

【今日の名言】 十分な史料と賢者が足りないからだ、という意味です。 みなさんも良くご存知の「文献」という熟語はここからきています。 「文」が史料、「献」が賢者ですね。 今回の言葉は、古代の礼に関する十分な史料や賢者が不足していることに対して、孔子が嘆いて言ったものです。 過去を伝える史料はとても大事なもの。 当時の人の思いだけではなく、それを現代にまで伝えてきたたくさんの人々の思いも含まれています。 博物館や寺社仏閣を訪れるたびに、「私もこれらの史料を次代に繋い

人生を豊かにする中国古典の名言26

【今日の名言】 他人が自分のことを分かってくれないことなんか気にせず、自分が他人を分かってあげられないことのほうを気にかけなさい、という意味。 他人からの評価なんて気にせず、むしろ自分が他人をきちんと評価できるようになりなさい、ということですね。 孔子は自身の体験に基づき、人として正しくあろうと心がけていれば、他人からの評価は後からついてくると考えていました。 孔子は20代で周王朝の都に留学に行き、30代で斉という国の就職面接に行きますが、残念ながら失敗。しばらく地元

人生を豊かにする中国古典の名言25

【今日の名言】 他人が自分のことを理解してくれなくても腹を立てないというのは、なんと素晴らしい人間ではないか、という意味。 他人の評価を気にするということは、他人軸で生きるということになります。 それは孔子の理想とするところではありません。 孔子は自分軸で行動することを大事にします。 他人からの評価は後からついてくることを身をもって体験しているからです。 孔子は20代で周王朝の都に留学に行き、30代で斉という国の就職面接に行きますが、残念ながら失敗し、故郷へと帰っ

人生を豊かにする中国古典の名言24

【今日の名言】 人生の幸福とは、災いがないのが最も良いことなのである、という意味。 人は幸福を求めようとしますが、荀子はそこに一石を投じます。 災いがないこと、息災であること。 それ自体が既に幸福なのではないか? 大事なのは、どうやって幸福を得るかではなく、 どうやって災いを避けるかということなのだ、と。 いつもの変わり映えのしない日常をつまらなく感じることもあるかもしれません。 ですが、その何気ない日常こそが、かけがえのない大切な幸せなのだと私は気づきました。

人生を豊かにする中国古典の名言6

【今日の名言】 「自分から進んで人々の先頭に立たないからこそ、優れた人々のトップとなることができる」という意味。 敢えて自分は後ろに下がる。 そうすると、全体の様子を把握できる。 その結果、適材適所のチーム運営が可能となり、優秀な人材をまとめあげることができるということです。 トップダウン型のリーダーではなく、ボトムアップ型のリーダーのことですね。 ────────────────
 人生の気付きや学びにつながる名言をご紹介しています。 皆さんの前に進むエネルギ