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人生を豊かにする中国古典の名言

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「人生を豊かにする中国古典の名言」シリーズをまとめたマガジンです。 朝晩の通勤時や隙間時間の学びにどうぞ。
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2023年11月の記事一覧

人生を豊かにする中国古典の名言49

【今日の名言】 よもぎが生い茂って大地を覆うように、あなたの心も雑念に覆われてしまっているのだ、という意味。 心が雑念に覆われて凝り固まっている状態のことを「蓬心(ほうしん)」といいますが、その出典はこれです。 ここでは、固定観念にとらわれている人に向けたアドバイスとして語られています。 つまり、よもぎが生い茂るようにあなたの心は覆われてしまっていて、視野が狭くなっている。もっと固定観念を捨てて、素の心で物事を見なさい、ということですね。 雑念に囚われて頭の中がごち

人生を豊かにする中国古典の名言48

【今日の名言】 自分のことを知るのが真の知者であり、自分のことを愛するのが真の仁者である、という意味。 今回は知者について書こうかなと思います。 『孫子』には「彼れを知り己れを知れば、百戦殆うからず」という有名な言葉があります。 相手のことだけではなく、自分のことを知ることが大事なのだ、という意味ですが、まさしくこれは知者の考え方ですよね。 孔子や荀子も、同様に「自分自身を知ること」に一定の価値を置いていました。 例えば、孔子が大切にしていた価値観の一つである「忠

人生を豊かにする中国古典の名言47

【今日の名言】 宝玉を切り出して、さらに形を整えたり、宝石を打って形作り、さらに磨き上げていくかのように、努力に努力を重ねて自分自身を高めていく、という意味。 「切磋琢磨」という四字熟語の語源ですね。 現代では「仲間やライバルと競い合って、お互いを高めていく」といった意味合いで使われることが多いのですが、元々は「懸命に努力して、自分自身をより高めていく」という意味合いでした。 誰かと切磋琢磨するのも良いのですが、その場合はネガティブな比較に陥らないように気を付けなけれ

人生を豊かにする中国古典の名言46

【今日の名言】 春をとどめようとしても春はとどまってくれず、春が過ぎ去ってしまうと人は寂しさに心が痛むのだ、という漢詩。 春が終わってから梅雨が来るまでの間の、どこか寂しい感じをよく表している詩です。 季節の移り変わりには時の流れを強く感じるからでしょうか。 この記事が投稿される時点では、ちょうど秋が終わり、これから冬がやってくるところです。 気づけば、春が終わり、夏が終わり、秋も過ぎ去ってしまいました。 近年も盛り上がりを見せているハロウィーンも終わり、残すとこ

人生を豊かにする中国古典の名言45

【今日の名言】 自分の心に疑いを抱いている状態で悩んでいることを決めようとすると、その決定は正しいものとはならない、という意味。 自分の心に疑いがある時点で思考が偏ってしまい、冷静な判断が下せなくなっているからです。 つまり、悩みごとに答えを出すのは、自分の心が落ち着いているときにせよ、ということですね。 荀子は、人の判断を「知覚する」「判断する」の2段階のステップに分けて考えます。 「知覚する」とは、目で見たり、耳で聞いたりすることです。 人の五感を通して入って