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冬木道を歩きながら

師走も残り10日と、指折り数える頃は
この一年を振り返ろうという気持ちになってくる。
風や気の質感、雑踏の中の音、人の流れ。
いつもと変わらない日常なのに
ここに至ると細やかな節目がリズムを打つように
わたしの中で反応している。
日差しは緩く透明色の光を放ち
木霊のように呼応してゆくさまを写真に収める。
自然が発するこれが正しいこたえなのだろうと
冬野に沿う道を歩きながら
こゝろが洗われたようにこゝろがあらわになった日。

葉があるのとないのとでは、裸木の
言わんとする気持ちの度合いも違うように感じた。
冷たさやこゝろなさなどこれっぽっちもなく
かえって大きな贈り物、束の間のあたたかさを
しっかりと受け取った。


平凡で冴えなくて、なおなおしくなどと思う自分でも
誰しもと違わない無数に散りばめられた
語るに尽きることのない歩みを積んできた。
いくつもの受け入れがたいことが起き、今も
進行形であることはできることから取捨選択をし
落ち着いてことをなしてゆかねばと思う。
諦めはしない、じたばたもがいたけれども
感情が行き着いた末端のもの、のようなものだと思い
できるだけ元に戻すことをこゝろがけてゆきたい。



今春にそっと立てた目標がある。
フルマラソンに出よう。
まずは形からと、ランニングシューズを買い
靴擦れ防止のクリームも買い。
けっきょく練習すらままならず、するりと消えた目標。
家の中でならとリングフィットネスを
再開したことはほめてあげたい、今も継続中だから。
元気でいなければ、わたしが元気でいなければと
常にこゝろしていることがひとつだけできた気がする。

つらい時間も痛い時間も今は過ぎ去った。
またやってくるにしても
培われたものたちを、より大切にしながら
さらに育みながら落したららひろい、こぼしたら掬う。
ときに真冬日の北風をからだに刻むように
合間にはちょっぴりのひと休みを思いきり楽しむ。
そんな風に来年も過ごしてゆけたらと思う。


冬至、おめでとうございます。皆さまの
無病息災をお祈りして…。


きょうび冬至にして熱々の冬至粥をいただき
あたたかなゆず湯につかり
やわらかくなった頭とこゝろで先を見つめてみよう。
ゆたかに、ふくらかにこゝろもからだも。


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