外孫、内孫⑦

お葬式が終わった。でも、結局泣けなかった。1滴も涙が出ることはなかったのだった。悲しくもない。

みんなが泣いている中で、私は温度差を感じていた。子どもの頃から続く寂しさが滲み出てきた。
その温度差に悲しくなってしまった。
親戚の輪から外れてしまった。それが今の住む場所の違いとなり、私を作ったんだと思う。

でもその疎外感は誰も悪くないのだ。それはきっと私でさえ、、、と自分を守りたい。

私は彼女と早い段階でお別れをした。
彼女が認知症という病気になって、私が彼女の中から消えた。だから、今回は2回目のお別れ。
そして、すぐ3回目のお別れが来るんだと思う。今度は彼女が私の中から消えてしまう。

彼女も忘れることが辛かったと思う。
「すぐ忘れちゃう」という彼女に「忘れてもいいよ、そばにいるから。」と言えばよかったなぁと思う。彼女が忘れようとも、私は孫なのだ。


誰も悪くない。誰も悪くない。
今生きている人たちにプラスではない気持ちを持ってしまったら、私は生きづらくなると思う。
従兄弟たちは、祖母にひ孫を抱かせてあげられた。私ができなかった思い出をたくさん作ってくれたことに感謝するのが、今の私にとって自分を嫌いにならない考え方になると思う。

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