外孫、内孫⑧

孫ができた順番は、
外孫、内孫、そして私。

祖母には長いこと内孫がいなかった。
私は自分の存在がないことに対して、外孫•内孫という概念で悲しさを埋めようとした。
けれど、長いこと内孫がいなかった祖母は、たくさんの思い出を私以外の孫と作ってきた。
そうすると辻褄が合わないのだ。

他の孫より一緒にいた時間が少ないこと。
外孫、内孫という概念。
それは仕方ないことだと思う。

私はただ名前を呼んで欲しかった。
存在を認めて欲しかった。
それだけなのだ。けれど、これも認知症という病気を考えると仕方ないことなのだと思う。
それは今になって思えることで、小さい頃の私には理解が難しかった。そして、周りの大人たちもわからないことだらけだったのだ。

時々、自分が幼い頃に感じていたことを考えると、自分が親になった時同じことをしてしまうのではないかと不安になる。そして、子どもを持つことに気持ち悪さを感じてしまう自分がいる。
完璧なんてないのだけど、悲しさに埋もれてしまう時がある。

けれど彼女が認知症になったことで、病院で働こうというきっかけになった。
彼女が私の進んだ道へのハードルを下げてくれたのは事実だったと思う。

今なにを考えればいいのだろう。

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