まだ間に合う!「奥能登国際芸術祭2020+@珠洲市」に行こう!
能登半島の先っぽ「珠洲市」を舞台にしたWeb小説『すずシネマパラダイス』を執筆して以来、度々珠洲を訪ねています。
「奥能登」と呼ばれる地域なので、「遠いんでしょ~」と思われる方が多いんですが、実は関東の人にとってはそれほど遠くないです。
羽田から飛行機に乗ると、能登空港までのフライト時間はわずか1時間。
能登空港から珠洲市内に入るまで(ふるさとタクシーを予約しておくと便利)が1時間、ってとこです。
里山里海の魅力がいっぱいで、「もっとみんなに知ってほしい!」と私が常々思っている珠洲では今、奥能登国際芸術祭が開催中です!
2017年に始まった奥能登国際芸術祭は、トリエンナーレ形式(3年に1度開催)。
昨年(2020)年が第2回となる予定でしたが、コロナ禍で今秋開催となりました。
珠洲市内の各地が展示会場となり、世界各国のアーティストの全46作品が鑑賞できます!
9月4日に開幕し、当初は10月24日(日)までの予定でしたが、まん延防止等重点措置が解除されたことで、期間の延長が決定!
11月5日(金)までの開催となりました。
というわけで、「何となく気になってたんだよね~」というみなさん、まだ間に合います!
もちろん私も行ってきましたので、10月10日から2泊3日の旅を振り返ってみたいと思います!
【まずは出発前の準備!】
1)公式ガイドブックで予習しよう!
46作品が珠洲市内の各所に設置されているので、「全作品を鑑賞する場合は2泊3日が目安」と、こちらのガイドブックに書かれています。
ガイドブックはAmazon、楽天ブックスでも買えますので、事前に入手して、観たい作品をピックアップし、展示エリア、滞在スケジュールとの兼ね合いも考えて予定を組むと良いと思います。
ガイドブックには、宿泊施設、飲食店の情報も載ってます。
全作品の解説も載っていますが、「完成した状態の写真」が載っている作品と、「構想段階のイラスト」が載っている作品とがあります。
ガイドブックを持っていると、構想段階のイラストと、できあがった実物とを見比べるという楽しみ方もできます。
ここで大事な注意事項!
10月28日(木)は施設メンテナンスのため、屋内作品は休館となるそうです。
(会期中はずっと木曜が屋内作品の休館日でしたが、11月4日(木)は全作品公開とのことです。)
2)すずアートバスの予約もお勧め
私は事前に、「すずアートバス」の予約をして行きました。
上のリンク先の通り、市の中心部にある「道の駅すずなり」を出発地点としてA~Dの4つのコースがあります。
午前はAコースとBコース、午後はCコースとDコースが運行。
いずれも料金は2,000円です。
2日間滞在れば、4コース全ての参加でき、ほぼ全ての展示を観ることができます。
予約は前々日の17時まで。
空席があれば、当日でも申し込めるそうです。
【珠洲に到着したら……】
1)作品鑑賞パスポートをゲットしよう!
こちらが鑑賞パスポート。
一般3,000円で、イベントを除く全作品が観られます。
上述のアートバスの出発点である「道の駅すずなり」や「ラポルトすず」等で購入できます。
チケットぴあ等、各種プレイガイドでもパスポート引換券を入手できるので、出発前に買っておき、珠洲に着いたら「道の駅すずなり」等でパスポートと交換、という方法もあります。
パスポートの中はこんな風にスタンプラリーになっています。
スタンプを全て集めると、景品がもらえるそうです。
電子版のパスポートもあります。
2)検温スポットでの手指消毒と検温、問診票記入をお忘れなく!
「道の駅すずなり」を含む4か所の検温スポットで、手指消毒と検温、問診票の記入を済ませましょう。
これらが完了した印として、QRコード付きのリストバンドがもらえます。
このリストバンドがないと、各作品の受付を通ることができないので注意!
検温をせずに展示会場に行ってしまって中に入れず、検温スポットに逆戻り……という方もいらっしゃるようです。
展示を回り始める前には、忘れずに検温スポットに行きましょう。
【いよいよ作品鑑賞開始!】
上述の通り、私は今回主に「すずアートバス」で各展示を回りました。
申し込んだのは、能登半島最先端の岬を巡るAコースと、16年前に廃線となった「のと鉄道能登線」の沿線を辿るCコース。
ガイドを務めてくれる地元の方が、すごくやさしく温かくて、「アートバスを選んでよかった!」とつくづく思いました。
ガイドさんたちのお人柄のおかげで、参加者の間にも自然と会話が生まれ、宿に行ってみたら、アートバスでお話していた方とまたばったり!みたいな嬉しい偶然もありました。
アートバスを利用した日は、朝は暑いぐらいでしたが、その後、雨がパラパラ降り出して気温も急に下がったんですね。
そしたら、薄着だった私を心配して、ガイドさんが私物のレインコートを貸してくれました!
私が乗ったバスのガイドさんだった寺坂さんと加藤さん、おかげさまで楽しく過ごさせていただきました。
ありがとうございました。
以下、作品の写真のごく一部をご紹介しますが、私が撮った写真では作品の良さが伝わらないので、ぜひ現地で観ていただきたいです!
コスチュームデザイナーのひびのこづえさんの作品。
『スズズカ Come and Go』@スズズカ(旧飯塚保育所)
人気の展示の一つ、旧鵜飼駅のディラン・カクさんの作品の名前は……
この顔文字が作品名なんだそうです!
スマホをガン見してるおサルさん。
こんな感じでおサルと一緒に写真を撮った後、人間たちはおサルと同じようなポーズでスマホを操作して、SNSにアップするんですよね。
そこで、「おサルには、私たち自身の姿が投影されているのでは?」と気づかされます。
みなさん、おサルさんにはやさしくしましょう。
川口龍夫さんの『小さい忘れもの美術館』@旧飯田駅。
こんな風に、廃線になった「のと鉄道」の駅や、かつての保育所、学校、公民館等が展示会場として活用されています。
トゥ・ウェイチェンさんの作品『クジラ伝説遺跡』@旧日置小中学校グラウンド
珠洲で出土した、全長10メートルのクジラ(足つき)の骨!……という設定の作品です。
細部までリアルで、本物の採掘現場みたい。
スボード・グプタさん作『私のことを考えて』@笹波海岸
実際に海岸に流れ着いた漂流物を積み上げているんだそうです。
写真はもっとたくさん撮ってきているんですが……やっぱりどれも実物を観てほしい!
そしてぜひ、珠洲の人たちとふれ合ってもらいたいです。
『能登はやさしや土までも』という言葉があるのですが、それを実感できると思います。
最後は、日本の夕陽百選にも選ばれている、珠洲の仁江海岸の夕景。
今回撮った写真ではないのですが、自作「すずパラ」にも登場する場所です。
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脚本、小説のオンラインコンサルを行っていますので、よろしければ。
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