はだしで散歩
古今東西、数多ある戯曲の中で一番好きなものは?と聞かれたら、多分「ニール・サイモンの『はだしで散歩』と答えます。
ニューヨークに暮らす新婚六日目の夫婦コリーとポール。その二人の新居で起こるてんやわんやを描いたシチュエーションコメディーです。
情熱的でロマンチックなことが大好きな妻・コリーと、そんなコリーを熱愛しているけれど、根っからの”真っ当な人”のポール。
ラブラブだったはずの二人が大喧嘩をするシーンでは、
「この世のすべての男女の喧嘩の本質がここにあるのでは……」
と思わされます。
ある晩、ポールと公園を散歩していたコリーは裸足になって歩き出した。
きっと月がきれいで、ポールと一緒にいられることが幸せでたまらず、靴なんか放り出して、はしゃぎたい気分だったのでしょう。
コリーはポールにも裸足になるように言いましたが、ポールは靴を脱ごうとしなかった。
喧嘩になった際にコリーはこの話を蒸し返し、裸足にならなかった訳を尋ねます。ポールの返事は、
「答えは簡単。あのときは、マイナス9度という寒さだったんだ」
「私は今どんな気持ちなのかをわかってほしい! 共感してほしい!」と願う妻。
そんな妻の言動を”正しいか間違っているか”で判断し、正しい方へと導こうとする夫。
「なんでわかってくれないの!」とお互いに腹を立て、それでもわかり合いたいと願うが故に衝突してしまう……。
きっと、今この瞬間も世界のあちこちでこういう喧嘩が勃発していることでしょう。
コールとポリーは気持ちのすれ違いが重なり、離婚話にまで至ってしまうのですが、果たして二人の大喧嘩の結末は……。
答えは、ここでは伏せておきます。興味のある方はぜひ読んでみてください。
読むと、パートナーとの喧嘩が減るかもしれない。
減らないかもしれない。
どちらにしても、すこぶる楽しいコメディーであることは間違いないです。
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