良い、しらせ
所要があり、原宿へ。
ちょうど20年前、原宿・表参道に自己免疫疾患の専門病院に通院していた。受診が終わると表参道やその脇道を探索していた。
「とんかつまい泉」でご飯食べたり、「小夏」でまだ見ぬわが子のために和食器を選んだりした。「京橋千疋屋」ではじめてフルーツサンドを頬張ってみたりもした。そういえば、「フライングタイガー」ができる前、確か「ロイヤルホスト」だったな。初めてのロイホで1人お茶したり、時には「代々木公園」でコーヒー片手にボーッとしたりした。
そうそう、いまは吉祥寺に移転した「クレヨンハウス」に行って本や雑貨を眺めていた。あの場所はいくら時間があっても足りない。クレヨンハウスは私のパワースポットだった。
原宿・表参道はたくさんの店や場所があって、通院のたびにちょっとした観光旅行していたな。
歩く度に、頭の中のBGMは、
オザケンの「痛快ウキウキ通り」!
特に冬の寒い時期の表参道への通院は、キラキラネオンと高級ブティックの素敵な装飾が相まって、まさにピッタリだった!
そんな思い出の原宿・表参道で、1ヶ所だけ行ってない、有名な場所があった。
明治神宮。
私は特別な神様を信仰したりはなく、神社やお寺にもあまり興味がなかった。だからいつも明治神宮の入り口を横目で見ながらも、素通りしてた。
そして今回も、横を通って帰ろうとした。
だが、何か導かれるものを感じて、とうとう足を踏み入れた。
よく晴れた、気持ちのよい夕方。
まだまだ、たくさんの参拝客。海外旅行からの人が多かった。たくさんの人に混じって、新緑の空気をたくさん吸いながら歩く。
ちょうど花菖蒲が見られるらしい。
明治神宮御苑を目指す。
一つとして同じではない色合いの、花菖蒲たち。池には、白い蓮の花。青く澄んだ空。
こころがウキウキする。ちょっと別の世界線に来ちゃったかなって思った。
花菖蒲を見て、もう一度池に戻って眺めていたら、木の方向に何やら存在を感じた。
鳥!鳥がいる!!
コトリと共に暮らす身としては、どんな鳥でも気になる。驚かせないように、そっと全体が見える位置にソロリソロリ移動する。
西日に向かって、羽根を広げている大きな鳥。とても気持ちよさそうだ。
私のポンコツスマホのカメラでは伝わらないかもだけど、すごくいい顔して、とにかく全身に光を浴びていた。
「いいね、気持ちよさそうね~」
そっと話しかけていた。
どれくらい見惚れていたのだろうか。スマホのメール受信お知らせの振動で、ふと今の世界線に意識が戻る。なんのメールかな?
確認する。
「ローチケ抽選結果のお知らせ」の題名。
え?なんか申し込んでたっけ?開いてみると、公演タイトルは
「小沢健二」
あ!!そうだった!!
オザケン、夏休み最後の日に
「LIFE再現ライブ」申し込んでた!!!
えっ?! ウソ!? 当たった!!!
一次選考抽選申し込みは、見事に落選。二次選考抽選申し込みは、もういっかなーってあきらめて申し込み躊躇していた。
だけど、申し込まないことには当たらないのだから、ダメ元でもう一度抽選に申し込む。それからの日々は、生活「LIFE」が忙しくて抽選日をすっかり忘れていた。
「当たった。当たったよ。」
思わず、羽根を広げている鳥さんに話しかけていた。鳥さんは、相変わらず気持ちよさそうにしているだけ。
「ありがとね」
鳥さんにお礼を言って、その場を後にした。
そのあと、ここまで来たなら「清正井」を拝めばよかったのだけど。
もうなんだか充分に花と鳥さんにパワーを頂いたので、パワースポットと呼ばれる清正井にはいかず、本殿へ歩いた。
途中でメジロ軍団にも出会えて、鳥好きにはたまらない時間だった。
本殿も、気持ちの良い場所だった。
私のことではなく、家族の事を手を合わせてお願いして帰った。
なんで今まで行かなかったのかな。
明治神宮。
家に帰って数日後。
ふと、気になって調べてみた。
花菖蒲の花言葉のひとつは、
「うれしい知らせ」
出会った鳥さんは、おそらく「アオサギ」さん。アオサギさんを見かけるのは、幸福の前兆らしい。
あぁ、あの日。
私はやはり導かれたんだなぁ。
30年前に夢中になった人に会える手段を得るお知らせ、幸運に出会うことができた。
花菖蒲さん、アオサギさん、
ありがとうございます。
この幸運を8月最終日に、しっかり羽根を広げて、音楽を浴びてくるね。
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