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無病息災を願い福寿を招くお屠蘇(とそ) ことの葉綴り 一〇三三

謹賀新年
おめでとうございます。
一月二日(月)、皆さん、いかがお過ごしですか?

私は、元旦のご祈祷の奉職を終えて、実家でおせち料理、お雑煮、お屠蘇を少々いただきながらのんびりしています。
一月二日(月)の暦は、六曜は仏滅ですが、十二直は、物事が成就する「なる」。新たなことをはじめるのに良い日。種まき、旅行もいいですね。二十八宿は「ひつ」で、祭祀、お参り、不動産取得にいい日だそうです。

明日、一月三日(火)は、六曜は「大安」万事によしの大吉日。すべて終日に大吉。十二直は、「おさん」で物事を納め入れる日。五穀の取り入れ、商品の買い入れ、買い物に吉。初詣や新春のお買い物もいいですね。二十八宿の「」は、お稽古始め、お仕事始めにも吉。そして天が母のように人々を慈しむ「母倉日」。ご神事、お参り、墓参にいい「神吉日」です。

元旦は、お天気もよかったので、神社へ参拝される方も多かったです。ご祈祷も途切れることなく日暮れまでいらっしゃいました。
御祈願も、「家内安全」「身体健康」「無病息災」を願う方が多かったように感じました。もちろんお商売されていると「商売繁盛」も大事ですね。
時代により、きっと人々の願いごとも変化し、今は、家族が健康で安全に、息災であることを、心から願われている方が多いのでしょうね。


この「無病息災」で、一つご紹介を。
皆さん、お正月「お屠蘇とそ」飲まれました?

うちは、家族で通う漢方クリニックから、毎年「屠蘇散」をいただいて、それを飲んでいるのですが、そこに、お屠蘇のことが詳しく説明されていたので、ご紹介しますね。

「お屠蘇とそ」って、日本酒を飲むイメージがありますが……。
古来、中国の三国時代に華陀かだという名医がいました。
この華陀かだが、薬草十数種をお酒に浸して飲んだのがはじまりといわれています。
邪気や悪鬼をほふり、魂を蘇らせることから「屠蘇とそ」と、名付けられました。
そこから「歳の初めにこれを服する時は、年中の災厄を避けて、福寿を招く。」と伝えられているそうです。

日本では、嵯峨天皇の御代、弘仁こうにん年間に、唐から博士蘇名という人が、和唐使として日本に来たときに、「屠蘇散とそさん」という霊薬を、天皇の元旦の四方拝の儀式に献上したのが、始まりとされているそうです。
それからは、これに倣い、平安時代から、平安貴族の間で、一年間の健康を祈る縁起行事として、お正月に「屠蘇とそ酒」で、新たな年をお祝いするようになり、江戸時代には、庶民の口にも入るようになったそうです。

この霊薬といわれる「屠蘇散とそさん」には何が入っていると思います?
(頂いた屠蘇散とそさんにはこう書いてありますよ)
ミカン皮(陳皮)
シナモン(肉桂の樹脂)
オケラ(白朮はくじゅつキク科のオケラの根)
サンショウ(山椒の実)
ハマボウフウ(セリ科ボウフウの根)
キキョウの根(桔梗)
丁子(チョウジ、クローブ)

作り方は……大晦日の夜に、この屠蘇散とそさんを、約1合(180㎖)の清酒またはみりんに一夜浸しておく。
そして、元旦の朝、お雑煮を祝う前に、年少者から順番に、新たな年の縁起と長寿、無病息災を祈念していただく。

元旦は終わりましたが三が日、お屠蘇で、無病息災を願い福寿を招くのいかがでしょう?

ではでは


―次回

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