和歌・愛に濡れる花
「ふして思ひ
起きてながむる春雨に
花の下紐いかに解くらん」
新古今和歌集・よみ人しらず
春の雨が降る今日。
外に行かれずに
ふしては物を思い、
起きてはただ春の雨を眺めている。
この雨をうけて、
花はいかに咲きほころぶだろうか。
まるで男は雨のようだ。
まるで花は女のようだ。
雨のようにひたむきな愛を注いで、
女の身も心も
ひらかせるのが男。
男の愛をうけて、
しっとりと濡れるような潤いを湛えて
美しく咲くのが女。
春はすべての命が祝福される。
男と女も、
愛のよろこびに溢れる季節。
わたしはあなたという花を
咲かせることができるだろうか。
*
今日は春の雨が降りました。
花よひらけ咲けよとうながすように降る雨、
「催花雨」(さいかう)ですね。
今年は花が咲くのが遅いね。
そのぶんじっくり楽しめるから、
こんな春もいいかもしれません^^