京都中華の新たな光がやってきた。夜の街に緑のネオンが見えたなら。【フードエッセイ】
iPhoneの写真をスクロールしていたらふと出てきた。
あれは確か8月のお盆期間。相方と京都駅で待ち合わせをして京都水族館へと行った日だ。
大阪でのceroのライブ前に初めて行った海遊館でクラゲの魅力にハマってしまい、それからたまに水族館へと行くことがお決まりになっていった。とは言っても、前回の水族館から約1年が経ったが。
そんな水族館を堪能した夕方の18時半過ぎ、腹の音はすでに限界へと近づいており、京都水族館前のベンチに座って本日の晩酌決めが始まった。
私たちの晩酌はその時の気分で決めつつあり、予約することはあまりない。気ままにただ食べたいものを食べる。そういうポリシーでこれまで歩んできた。
本日もそんな感じで、「ビール飲みたい気分、あ、中華とか食べたい!餃子とか?」といったような突如の発言で決まってゆくのだ。
そうして気分はすっかり餃子になってしまい、私はGoogleマップ、相方はインスタで餃子屋を探すことにした。そうして決まったのが「餃子屋かず/Gyozaya Kazu」である。ここは2024年の冬にオープンしたお店でまだ新しい京都の中華屋さん。にも関わらず、瞬く間に京都の中華を盛り上げる新たな光となっていったのだ。
そんな中華を食べてみたいと、京都水族館からLUUPで約30分…!8月ではあったが、夕方になると気持ちの良い風が吹いていたので、あっという間にお店近くの駐輪場へと到着。お店の前に着くとそこには緑色のネオンで輝く餃子のアイコンが壁に取り付けられていた。
その見た目は銭湯のようで、銭湯と生ビールと餃子の最高な組み合わせを想像してしまい思わずヨダレがたらり…。私は生ビールと餃子の欲望を満たすべく店の中へ入って行った。
店内はお客さんでいっぱいで、これはまずい、もしかしたら入れないかもしれないと焦る気持ちを抑えながら2名なんですけど..と聞く。そしたら店員さんが案の定、ただ今満席でして..と言った。だよね..と思いながらも相方と店を出るかそのまま待っているか話し合っていたら、店員さんが普段会計をしているテーブルだったら開けることはできると言ってくれて、その優しさにどこでも立ちます行きますの思いで私たちは無事立ち飲み席を確保することができた。
お店のメニューをもらうと、そこにはお目当ての餃子と生中の文字があり気分はテンションMAX。店員さんに注文しようとすみませーんって声かけたタイミングでカウンターの席が空いた。あ、そこ、座りたい..とか心の中で思っていたら厨房にいたお店の方が狭いんですがカウンターのこの場所でよければどうぞと言ってくれた(多分顔には出てない…と思う)。何から何までありがたやと思いながらすぐさま席を移動した。そして、お目当ての餃子と生中、そして欠かせないキムチを注文することにした。
待っている間にもう一度メニューに目を通す。みんな何食べてるんだろうというのが気になる性分なので、ちょっと空を見上げましたテンションでお客さんのテーブルにひょいっと目をやるとそこには至る所に大ぶりの肉の塊が。むむ。これはなんだと思いながらメニューを見てみると、どうやらこのメニューの中で一番お値段する焼き豚だと判明。みんなの美味しさ私も味わいたいとかミーハー気分で追加注文することにした。
そうこうしているうちに、生中とキムチが到着。飲み屋の最強タック降臨とか思いながら乾杯の合図を。そしてぐびっと生中を胃袋に注ぎ込み、勢いでキムチをポリポリ頬張る。これぞ至福のひとときよ。
しばらく堪能している時に店員さんが餃子のタレにつける味噌ダレですと持ってきてくれた。普段食べるときはポン酢か酢醤油だったので新しい美味しさを知れるんだと感動。そしてついにお目当ての餃子が到着した。
いかにもパリパリな絶妙こげ茶色の皮がぎゅうぎゅうで皿に陳列されているフォルムを見るだけでもう幸せ満ちる。その横には柚子胡椒と練り辛子が添えてあって店主の餃子愛よって感じで堪らん。
やっぱりその見た目だけでなく、味噌ダレどっぷり付け口に入れるとジューシーふわっふわの餡が口の中でとろけて、味噌ダレの凝縮された旨さが絶品ものなんよ、、、。
たまにくる味噌ダレ飽きた案件になれば2個ほど柚子胡椒でピリッっと口の中痺れさせて刺激を与えさえすると、また味噌ダレが恋しくなるんです。そして、味噌ダレと辛子の組み合わせは絶妙で、結局一皿じゃ足りなくておかわりした。
そしてミーハー心で注文した焼き豚が到着。そのずでんとしたフォルムに甘辛のタレのギラギラと輝く様に大感激。箸ですーっと切れる柔らかさと口にすればとろとろになりゆく焼き豚はもうこの上なく天国行きですね。
焼き豚もすっかり食べ終えたところで2杯目に頼んだ角ハイもすっかりなくなった。
もうお腹はたっぷり満たされており家に帰ったらゲームが待ってる!とまだまだ楽しみがある時の嬉しさに満ちながら会計を済まし、私たちは京阪に揺られて帰りました。