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#冬の一コマ『湯気ある蕎麦の風景』
12月の一乗寺は空気が澄み渡り寒さがいっそう増す。
そんなわけで我が愛する「そば鶴」にやってきた。
窓際のテーブル席に座りお品書きを見る。
「あんかけに散らす様に玉子を、生姜乗せて」
思わず唾を飲み込むようなその言葉に惹かれゆくままに、私はけいらん蕎麦を注文した。
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目の前にやってきたそれは、立ち昇りゆく湯気に満ちていた。私はすぐさま割り箸を割り溶き卵と麺を掬い上げ、熱い湯気と一緒にずぅるるるーっと啜りあげた。
ああ、これが冬の寒さで凍え死にそうになった私の五臓六腑に染み渡る感覚か…。餡掛けがもったりと蕎麦に纏わりつく美しさを目の当たりにしながら啜り上げる快楽が堪らないのだ。
そんな蕎麦の幸せに満ちながらふと窓を見ると、冬特有のキラキラと降りかかる日差しがとても綺麗だった。その横で食べる相方の丼をかき込む姿と目の前にある湯気ある蕎麦の風景に「ああ、冬が始まったな」ってしみじみ感じたのであった。
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「常連さん一度はハマるふわとろサクサク病みつき丼」とはなんと素敵な表現ですね。