マガジンのカバー画像

勉強になった記事(よそ様が書かれたもの)

66
よそ様が書かれた勉強になった記事
運営しているクリエイター

#進化心理学

ストーリーテラーが人類社会を支配する ─ 物語がサピエンスの脳をハックする #Fictus ⑵|進化心理マガジン「HUMATRIX」

# 物語の語り部 J. ゴットシャルは、1947年に撮影され『ライフ』誌に発表されて反響を呼んだ、コイサン族のストーリーテラー(=物語の語り部)の写真を上げる。 語り部/ストーリーテラーは、大きな身振り手振りをつかって物語を語る。周囲の皆は聞き手役となって、臨場感のある言葉によって繰り広げられる物語に没入する。 ストーリーテラーが語るのは、なんらかの教訓のある物語だ。その物語はたいてい〝集団の団結〟と〝部族の繁栄〟を讃えるような筋書きにまとめられている。 物語に登場す

人はなぜ宗教を信じるように進化したのか

なぜこんなにも多くの人が宗教や超自然的存在を信じているのだろうか 正月、近所の神社に行くと、厄年を迎える人の生まれた年が大きく看板に書かれている。私は、宗教や神の存在は全く信じていないが、看板に書かれた年が自分の生年と一致していると、何の根拠もなく今年は病気に気をつけようとか、お守りぐらい買っておこうか、などと一瞬考えてしまう。これは、人を宗教にひきつける、人間の心理をついた「うまいやり方」である。将来への得体の知れない不安に対して、超自然的なものに頼ろうとする人間のもつ心

インタープリター:左脳の後づけ解釈装置の"お喋り"をまともに取り合う価値はあるか # INTP Ⅱ |進化心理マガジン「HUMATRIX」

前回はこちら: サピエンスは「わけ」を知らない。進化だけが「わけ」を知っている # INTP⑴|エボサイマガジン #脳は無意識のうちに行動を成し遂げる ────インタープリターについて理解するにはまず、

炎の動物〜ザ・クリーチャー・オブ・フレイム〜 #Flame Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

▲ ダン‪·‬ブラウンのフィクション小説『天使と悪魔』にでてくる「火/Fire」のアンビグラム(天地逆さまにしても同じ模様になる)。「火」は、他の種にとってはそうでは無くとも、人類にとってはけっして欠かせないエレメントだ。 * * * # 焚き火を囲む種人類が火を使いはじめたのはおよそ180万年前のホモ・エレクトスの時代だったと推定されている。 すべての動物が恐怖し、怯え、逃げ惑う「火」を、唯一味方につけた種が人類だった。人類は火を手なづけることで、生物界において頂点捕

【第25回】男女分業社会、北欧 興味の性差(3)

職業選択の男女差  前回と前々回では、なぜSTEM(日本で言う「理工系」)と呼ばれる分野には男性が多く女性が少ないのかを考えた。そして、この偏りは究極的には「(平均して)男性は『物』も含めた『無生物』全般にかかわることに惹かれ、女性は『人』も含めた『生物』全般にかかわることに惹かれる傾向がある」という「興味の性差」によってもたらされているのではないか、と結論づけた。今回からは、STEM系か否かに限らず職業選択全般においての男女差について考えてみたい。  世の中には男性の従事

リスクに戸惑うサル。───人間はニュースで報道される「ドレッド‪·‬リスク」に過剰反応し過ぎている #RisK Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

ファンクション:生物学的システムには「機能」がある #funct Ⅰ|進化心理マガジン「HUMATRIX」

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

【第10回】美人を決めるのは文化か本能か(2)

なかなか反例が見当たらない 〔前回の続き〕   たしかに世界中どこの国でも、役者やモデルなど、それぞれの人種や民族ごとの美しさ・格好良さを代表している人たちの顔は、輪郭も、目や鼻や口の形・大きさや位置関係も、だいたいその集団内での平均的な範囲におさまっているように思える(各パーツが大き過ぎず小さ過ぎず、位置が離れ過ぎず近過ぎずというように)。その上で完全な平均値からはわずかに外れていることが、彼らの顔に個性をもたらしているように思える。 以下のサイトを見ていただきたい。

【第9回】美人を決めるのは文化か本能か(1)

美は文化に左右される?  人は誰もが異性(同性の場合もある)の顔や体形に対して、自分なりの好みを持っている。よく「見た目の好みは人それぞれ」とは言われるものの、世の中には人気のある容姿と人気のない容姿があることは誰にも否定できないだろう。もし容姿の好みが人によって完全にランダムであるのなら、モデルやアイドルといった職業は成立していないはずである。    こうした人気の偏りは文化によるものなのだろうか、それとも生き物としての生まれつきの感性によるものなのだろうか。進化心理学にお

老化とアンチエイジングの人類学—”淘汰”にあらがう意義とは

東大・九大・新潟大などの研究グループが、老化細胞を選択的に除去するGLS1阻害剤が、加齢現象・老年病・生活習慣病を改善させることを証明したというニュースが今朝、話題になっていましたね(1)。 このような研究は、老化の防止を助け、加齢によって自然に起こるシミやシワ、骨や筋力の衰え、動脈硬化や癌 (がん) をはじめ、生活習慣病の影響でリスクが高まるさまざまな病気など、その原因を抑制することを手伝う「抗加齢医学」の一種であると言えます(2)。ビジネスの文脈では「アンチエイジング」

再構築された「マズローの欲求ピラミッド」〜サピエンスの"欲求階層理論"を進化心理学の視座からリノベーションする #Pyr Ⅰ | 進化心理マガジン「HUMATRIX」

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

「至近要因」と「究極要因」:進化心理学のメスで人間社会を解剖する方法 〜 アニマルとしてのサピエンス、その心に潜む隠れた動機(Hidden motives) #ULPR Ⅰ| 進化心理マガジン「HUMATRIX」

この記事はマガジンを購入した人だけが読めます

進化というアルゴリズム(Evolution as Algorithm)がすべてを駆動する: メンデルから再びダーウィンへ───心の“わけ”を解き明かす「進化心理学/EvP」とは何か? #Evolal Ⅰ |進化心理マガジン「HUMATRIX」

- Darwin 1859『On the Origin of Species /邦題: 種の起源』 ・Dirty Paws / Of Monsters And Men ・前回からの続き: tool 1: ✔️進化というアルゴリズム(Evolution as Algorithm) #「進化/Evolution」のエンジンとはなんだろうか?────アルゴリズムだ R.ドーキンスの親友で、ともに現代におけるダーウィニズムの知の先導者であるダン=デネットは、チャールズ=ダー

サピエンスの21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」が支配する時代になる──心(Mind)のわけ(Reason)を解き明かす進化心理学とは何か?:これからの時代を切り拓く50の思考道具

*  *  * サピエンスにとっての21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」の時代になる──目次: # サピエンスにとっての21世紀は「進化心理学/Evolutionary psychology」の時代になる ────「進化心理学/Evolutionary psychology」は、1990年代にその創始が宣言され、アメリカやヨーロッパを中心に近年世界的に注目を集めている、まだ比較的新しい、サピエンスの「心(Mind)」を研究する学際的な