冬の魔女の世界の雪解け~目覚めさせるライオンはあなたの中に~
このところの世相を見ながら、
なぜか、ナルニア物語シリーズのライオンと魔女の
ある場面が浮かんでいる。
背くものを石に変え
世界を永遠の冬に変えた冬の魔女の魔法が
次第に力を失い、
雪が解け、木々の芽が吹き、小鳥たちが歌うシーンだ。
この象徴的なシーンの意味と
今、外側の世界でおきていること
人の内面で起きていることの意味を
言葉にしてみたい。
物語『ライオンと魔女』とは
この話は、
イギリスの児童文学作家C・S・ルイスの
「ナルニア国物語シリーズ」の第一作目。
第二次世界大戦中に4人の兄弟が
疎開をしていた先の教授宅のワードロープから
獣たちがしゃべり、妖精たちの住む
ナルニア国にタイムトリップして
体験する冒険の話だ。
そこは、冬の魔女の魔法によって
終わりのない冬の世界で
魔女の命令に背くものは、石像に変えられ
クリスマスも来ることがない世界。
2005年にディズニーによって映画化された
映画を見た方も多いだろう。
冬の魔女の力が失せる象徴としての雪解け
2020年の今年
世界がロックダウンの喧騒に包まれ
不安が渦巻くように見える。
まるで冬の魔女が世界を覆いつくすような
安穏たる気持ちを抱き、
石のように心を固くして、
今を過ごしている人も多いのではないだろうか。
けれど私には、この夏の終わりあたりから
ライオンと魔女の話に登場する、
雪解けのシーンが繰り返し頭をよぎるのだ。
人間の子供たちを捕まえようと
ソリを仕立てて急ぐ冬の魔女。
魔法が緩み久方ぶりのサンタクロースから
もらったというお菓子を喜び
お茶会をしているリスの親子を見つけて
怒り狂って石にかえる。
そして先を急ごうとソリをムチでたたき
進もうとするのだが、
次第に雪が解け、
小さなせせらぎとなって
水の流れる音が聞こえてくる。
甘いお菓子につられて兄弟を売った
エドモンドは、
魔女につかまりムチでたたかれて
前に進むように言われながら、
初めて石にされた動物に哀れみを感じる。
そして、雪解けで姿を現した
樅の木の濃い緑を目にするのだ。
そして、キンポウゲが先、クロッカスが
すくすくと芽吹いているのを見るのだ。
その周りでは、
鳥の声がみちみち、さえずる声が響き合い
サクラソウも先始める。
そして、魔女の召使として働いていた小人が言うのだ。
『これは、雪どけではありません。
これは、春でございます。どういたしましょう。
あなた様の冬は、確かに滅ぼされましたぞ!』と。
宇宙の春に花咲くのは私たち
チベット仏教やヒンドゥー教の考えでは、
次元レベルを上昇する4つのユガ(歳月)と
同じく下降する4つのユガの
周期があると考えられている。
現在という時代については、
最も暗い、対立や不和、争いが極まるカリユガの終わりから
再び次元が上昇してゆく
ドゥワパラ・ユガという時期に差し掛かっているらしい。
(「フラワー・オブ・ライフ」ドランヴァロ・メルキゼデク著99Pより)
ここら辺は
どうあがいても『証拠』というものは、
古代の文献とかチャネリング情報しかないわけだが
この世界の現状の先に、長期的にみると
違う世界が開けてほしいので、
独断と偏見でこの説を採用している。
この段階でこの路線ダメだ~っていう人は
脱落してください。合わないと思います。
なんで、こんな七面倒な説を引っ張り出して
御託を並べているかというと
世界の希望を探したいからだ。
ピラミッド型のぎゅうぎゅうに縛られた世界がほどけて
人の心がほぐれて鳥が歌うように生きてほしい。
野の花が勝手に太陽の光を浴びて咲くように
個々人の持って生まれた特質の
花が咲いてほしいと。
質の悪いジョークのような
冬の魔女の世界のほころびが
そこかしこに見え始めているじゃないか。
石にされることを覚悟で
召使たちの世界で何が行われていたかを
カミングアウトして、
あえて石になることを人も相次いでいる。
どんなに手綱を締めて
ムチでひっぱたいて
ソリを走らせようとしたって
分厚い雪の下の地面が
みえはじめているじゃないかってね。
雪解けは
最初に小さなところから始まり
花が咲き、鳥が歌い、
水の流れはやがてせせらぎとなり
大きな川となる。
雪の説けた大地に
冬の魔女のそりは走れないからね。
目覚めさせるはあなたの中のライオン
ライオンと魔女の話の中では
魔女と戦うのは、ライオンの『アスラン』。
兄弟を裏切ったエドモンドを救い出すために
一度、死んでよみがえる。
これは、
作者のC・S ルイスがキリスト教の信者だったから
キリストの復活や
闇と光という二元性の価値観が
色濃く影響している。
この物語は好きな話だが、
今の時代に、キリストであれ、ライオンであれ
誰かがやって来て、一斉にこの世界をリセット!
ってなことにはならないわけだ。
目覚めさせるべきものがあるとしたら、
それは、あなたの中にあるライオン。
私の中のライオン。
一人ひとりの中に眠らされている
根源の力だ。
日に一日と強くなる宇宙の光を浴びて
目覚めよ!ライオンたち。