私は8歳の頃から原因不明の感音性難聴(かんおんせいなんちょう)のため、補聴器を使用してきた。 大人になるにつれて、聴力が悪化し今では両耳100dBの重度の難聴である。 補聴器をして音は聞こえても言葉として理解できない事も多く、そこから伝わるのはあくまでも機械音であり、人間の耳のように聞こえるわけではない。 むしろ雑音に悩まされて耳や頭、肩が痛くなったり、補聴器をしている事で、他者に普通に聞こえていると思われて余計に苦しい思いをする事が多かった。 耳が聞こえない私は、一生
自分が素敵だなーと思った人が、たまたま外国人だったりろう者だったり。「この人のことをもっと知りたい!」と思えば、自ずとその人の第一言語を学びたくなる。 先日初めて手話カフェに参加した。 そこには、ろう者や聴者、手話通訳士など様々な方がいた。 私は難聴という特権があるので、他の参加者が私に色々質問してくれた。 「いつから耳が聞こえなくなったの?」 「学校はろう学校?」 「どうして補聴器を外したの?」 「運転はどうしているの?」 など。 それはそれで嬉しいのだけれど、も
本を買おうとレジへ行き、私に店員が話しかけていたので、 「耳が聞こえません」と声で伝えた。 レジで聞かれる事といえば「ポイントカードやクーポンはお持ちですか?」「袋はお持ちですか?」あるいは本屋ならではの「ブックカバーをお付けしますか?」のどれかを言っているとおもう。 コンビニだと、「温めますか?」「お箸やスプーン、フォーク付けますか?」が加わる。 スーパーだとアイスを買った時に「ドライアイスを付けますか?」もあるし、想定外に「こちらのレジではカード支払いのみですがよろ
耳の聞こえない私が筆談カフェを始めようと思ったきっかけは、 最近補聴器を外した生活をすると決めたことだ。 障害の有無に関わらずいろんな人と交流したいという思いと、 幸いすぐに始められる場所があるので、最初は月に1日だけオープンすることになった。 筆談カフェとは、声による会話をしないで ひたすら紙と鉛筆で会話をする。 試験的に身内だけで筆談をしてみたが、普段何気なく会話をすることに慣れているため、声を出さずに雑談を全て筆談にするのはとても疲れることがわかった。 ただ雑談