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#31 違和感マックスな友人関係をなかなか断ち切れない葛藤

この連載は、長年生きづらさを抱えていた私(KOTOBUKI)が、セラピストのKANNA(かんな)さんとの出会いをきっかけに、初めて自己の内面と深く向き合い、本来の魂の道を生き始めるまでの完全実話の手記――。

サイキック能力のあるセラピスト、KANNAさんのもとで「内観」に本気で取り組み始めて、4カ月が経った。

この間、自分の内側にある、さまざまな負の感情を癒し、解放してきた。

たとえば、30代の頃に感じていた姉へのマイナス感情(うんざりな気持ち)を癒したり↓↓

16歳の頃、高校受験に失敗したのをきっかけに芽生えてしまった、「劣等感」や「勝ち負け思考」を解放したり↓↓

自分の中にある、「強烈な自己否定感」の原因を探るため、最も古い過去世を見に行き、不安と恐れでいっぱいになっていた過去世の自分自身を癒したりもした↓↓

生きてきた中で溜め込んでしまった、心の部屋の荷物(負の感情たち)と、一つひとつ向き合い、片付けていくうちに、ちょっとずつ、ちょっとずつ、心が軽くなっていく私。

大量の荷物でふさがれ、真っ暗になっていた心の部屋の窓から、ほんの少しだけ、光が差し込み、この先の未来への明るい希望も見えるようになった。

そうして、自分の内面が良い方向へと変化していくにつれ、今目の前にある現実への違和感が耐えがたいものとなってきた。

一つは、長年続けているライターの仕事。もう一つが、人間関係だ。そのとき、最も頭を悩ませていたのは、ある友人との関係だった――。



友人からのお誘いのメッセージに拒絶反応


それは、一本のLINEメッセージが入ったときだった。

「KOTOちゃん、前に一緒に行こうって約束してたイベントのチケット、取れたよ! 楽しみだね!」

メッセージを見た瞬間、心臓がバクっとした。

あ、まずい……。

瞬間的に、「行きたくない」と、心が拒絶反応してしまったのだ。

あれは、半年前のこと――。

友人Sちゃんから、とあるイベントに一緒に行こうと誘われた。

私はそのイベントにすごく行きたいわけじゃなかったけど、Sちゃんから「めっちゃ面白いから行こうよ! KOTOちゃんと一緒に行きたいな!」と熱心に誘われ、オーケーしてしまっていたのだ。

半年前の時点では、「このイベント、人気だから、チケット取れないかも……取れなかったらごめんね」と言われていたので、「たぶん無理だろうな」とタカをくくっていた。

それ以来、イベントのことはすっかり忘れ、記憶の底に埋もれてしまっていた私。

あちゃ〜~あのチケット、取れちゃったのか……。

今となっては、気乗りがしない。申し訳ないけれど、彼女と一緒に過ごすこと自体も、苦痛に感じてしまいそうだった。

ふとした相手の言動が引っかかるように


Sちゃんとは、10年ほど前に、とあるスピリチュアルコミュニティで知り合った。

人懐っこく、誰とでも仲良くなる性格で、知り合いも友達もものすごく多い。行動力も人を巻き込む力もあるから、仲間と事業を立ち上げて、起業家としてもがんばっていた。

「KOTOちゃんにも私たちの事業、手伝ってほしいな。KOTOちゃんがやりたいこと、うちの会社でやったらいいよ! 一緒に遊ぶようにお仕事できたら、すごい楽しそうじゃない??」

そう言われて、心が舞い上がった私は、数年前から彼女たちの事業も手伝うようになった。

すでにその頃には、ライター業に限界を感じていた私は、「他の仕事で楽しみながら収入を得られるなら、こんなにありがたいことはない!」と、二つ返事で引き受けることにした。

一緒に新しい事業をつくったり、プライベートでもちょくちょく遊んだりするうちに、距離もこれまで以上に近くなり、次第に親友のような関係に……。

だけど、親密になるにつれ、彼女のふとした態度や言動が、「ん?」と、引っかかるようになった。

それは、彼女や彼女の職場のスタッフと一緒に、仕事の打ち合わせをしていたときだった。

スタッフのAさんが、私の仕事ぶりについて、「KOTOさん、ホントすごいですね! やり方を教えてほしいです!!」と褒めちぎってくれたのだ。

すると、Sちゃんの顔色が一変。一瞬、ピキっと、こわばった表情になった。その後の私への態度も、ちょっとだけ、つっけんどんになったように感じた。

あれ? もしかして、私が褒められたことが癇に障ったのかな。もしや、自分が一番じゃないと嫌なタイプなのかな……。

一瞬、ふっと疑念が湧いたけれど、しばらくすると、またいつもの親しげなSちゃんに戻る。

「KOTOちゃん、今度一緒にこの事業やらない? KOTOちゃんが居てくれたら心強いし、めっちゃ楽しい!!」と、人懐っこい笑顔が復活するのだ。

あの一瞬の冷たい態度は、いったいなんだったんだろう。

まぁ、普段は女子学生のようにキャピキャピとかわいいところもあるし、お仕事ももらえるわけだし……と疑念を振り払い、そのまま変わらず付き合いを続けていた。

すると、また同じような場面に出くわすことがあった。

今度は、彼女の仕事のやり方に少しだけ指摘というか、意見を伝えたときだった。傷つけないように、めちゃめちゃ丁重に、優しく、優しく。

でも、言った瞬間、明らかに表情が変わったのがわかった。

「KOTOちゃん、正直に言ってくれて、ありがとうね。見直してみるね」と言いながら、目の奥がキッと鋭くなっている。またもや、こわばった表情に一変した。

これ以上ないほどに、優しい口調で意見を述べたけれど、それでも機嫌を悪くさせちゃったのかな。

うーん、もしかしたら彼女は、人からの意見を「否定された」と感じてしまう人なのかな。

私も「人から否定されたくない」という思いが強いから、よくわかるんだけど、それにしても目が怖い……。

彼女の内面の奥底に、暗い世界があることは薄々勘づいてはいたけれど、顔色がピリっと豹変する場面に出くわすたびに、引っかかりが増すようになった。

そして、彼女と会うのが「なんだか気が重たいなぁ。つらいなぁ」と思うようになっていったのだ。


内観に取り組んだら、友人への違和感が増大


とくにKANNAさんとのセッションを始めて、「内観」に本気で取り組むようになってからは、その違和感が顕著に膨らんだ。

違和感が大きく膨らむと、相手との距離をとりたくなる。仕事の依頼やミーティングや、プライベートのお茶のお誘いも3回に1回は断るようになった。

断った直後は、なぜか体がズンと重たくなって、ひどいときは数日間、起き上がれず、寝込むこともあった。

寝込んでいると彼女の顔が、ぽっぽっと脳裏に浮かんでくるので、「もしや、念を送られているのか!?」と、それまた怖くなった。

というのも、彼女は、昔こう言っていたことがあったのだ。

「私、念が強くて、超能力もあるみたいなんだよね。前に私をいじめてくる人がいたから、念で仕返したこともあるんだ(笑)」

冗談ぽく言っていたので、そのときは「すごいねっ。そんなことできるんだ」と気にも留めていなかったけど、今となっては、「ゲゲゲ。もしや、私にも……」と、嫌な想像しかできなかった。

そんな矢先での、「イベントのチケットがとれたよ! 楽しみだね!」のLINE――。

半年前までは、一緒に行ってもいいと思えたけれど、あのときと完全に心が変わってしまった。心の奥の自分が「行きたくない」と拒絶している。

それが本心のはずなのに、私は、いろんな思いが複雑に絡み合って、断る勇気が出せないでいた。

本心に従うと決めたのに断る勇気が出てこない


そのとき思い出したのは、前にKANNAさんから言われた言葉だった。

「KOTOさんが、日常生活がつらいと感じてしまうのは、『自分の本心に従って生きてないこと』が原因のようですね。

そうやって自分の本心に従わずに生きていると、自分のことが好きじゃなくなっちゃいますし、日常生活でもいいことが起きにくくなっちゃいますよ」

もう一つの、この言葉も心にズシンと響いた。

「KOTOさんは相手の気分が良くなるような“上っ面”のコミュニケーションスキルには長けていますけど、本心からしゃべっているようには感じないんです。

KOTOさん自身も、心の奥で『なんか違うな、なんか違うな』って思いながら話しているので、内側に違和感とか不満が溜まっているように感じますよ」

そのときにKANNAさんから力強いアドバイスをもらって、「これからは自分の本心に従って生きよう」「上っ面じゃなく、本当の思いを腹から話そう」と決めたはずだった。

なのに、この期に及んで、本心を伝える勇気が湧いてこない。二の足を踏んでしまっている。あのときの決意はどこへ行った?

それは、裏にこんな思いがあったからだと思う。

だって、せっかくチケットを取ってもらったのに悪いじゃん。迷惑がかかるじゃん。相手も楽しみにしてるのに、今さら断るなんてできないよ……。それって、人としてダメなやつじゃない??

イベントで彼女と過ごす時間は、たったの3時間程度。その数時間さえ我慢すれば、やり過ごせる。相手を落胆させることもないし、相手に迷惑をかけずに済む。被害妄想かもしれないけれど、変な念を送られることもないだろう。

最後のお別れとして、約束だけ果たして、どうにか穏便に彼女との距離を置けないだろうか……。それが今の私にとってのベストなんじゃないか?

そう思った。

中でも、最も自分を苦しめていたのは、「約束したのは自分なんだから後から約束を破るのって、人としてどうなのよ。迷惑じゃない? いや、卑怯じゃないか?」という倫理観とか、道徳観とか、モラルだった。

「体裁」とも言うべきか……。もしかすると、私は約束を破ることや迷惑をかけることによる、「罪の意識」を持ちたくなかったのかもしれない。

ともかく私は、そこにひどく囚われていて、断りのメッセージを入れられないでいた。

そんな振り子のような、揺れ動く心の葛藤をKANNAさんに打ち明けると、目の覚めるような一言がスパーンと飛んできた。


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