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運転・秋・餅撒き
空腹のときこそ気をつけて運転している。
8時から14時までのバイト、受付業務でいつ人が来るかわからないからご飯は食べない。
通勤は車。14時ぴったりに後半選手とバトンタッチして車に乗り込む。
一刻も早く帰ってグルルと鳴り続けているこの胃に食べ物を詰め込みたい。
私はお腹が空くとお腹が空いたということしか頭に浮かばない。
パーキングからドライブに切り替えて、サイドブレーキを外したとき、焦るなかれ。と、交通事故のニュースや暴走するプリウスの動画なんかを思い出す。
もし今、事故なんて起こしてしまったら、ただでさえ悲しいだろうにその上この空腹でより悲しくて泣いてしまうだろう。
空腹にも関わらず警察を呼んだり現場検証をしたり、誰かに怪我なんかさせたり怪我なんかしてしまったら、もう何時間もご飯を食べる余裕なんてないだろう。
それから、こんな時にもお腹が空くなんて、とより悲しくなるだろう。
腹を鳴らしながらべそかきながら警察のお世話になる自分を想像する。
そんなことはあってはならない。しっかりとハンドルを握った。
最近の晩ご飯
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まごうことなき秋だ。
春から住み始めた九州では初めての秋を過ごしている。
東京の秋は3日くらいで冬に変わっていた気がするけど、こちらは半月くらい秋の風が吹きまくっている。
なんていいところなんだ。
何なら家で未だ半袖のTシャツで過ごせる日もある。
全国的に暖かいのかもしれないが、過ごしやすい気候というだけでごきげんになれるので、天気か太陽かなにかもわからないそれに感謝の気持ちを日々抱いている。
涼しくなってからは金木犀の匂いを嗅ぎまわりに外に出たり、おにぎり作って公園に行ったり、ふらっとスーパーまで歩いたり。
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秋のおかげでこんなにも充実してるのに、なんとなく日記をサボタージュしてしまっていた。
とりとめもない素敵なものも私の容量の少ない脳みそは容赦なく皺の間からぽろぽろ剥がれ落ちて忘れてしまう。もったいない。
散歩中の記憶ももうどこかにいってしまったが、偶然新築祝いの餅撒きの現場に出くわしたことは鮮明に覚えている。
いつも休日、近所の子どもの賑やかな声はあるのだが、その日のその時間はやけに騒がしくうっすらと気掛かりしていた。
通りを歩いていると屋根の上に何人かのおじさん。
異様な光景にぎょっとしたが、すぐに何かを理解し、ほがらかなワンシーンに心躍る。
餅を奪う群衆に混ざることこそしなかったものの、一緒に歩いていた同居人といいもんみれたなーと笑いが込み上げた。
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