介護職員は今も、見えない敵と戦っている
ぼくはデイサービスで働いているんだけど、
転倒したとか、どこかでぶつけたとか、こういった分かりやすい怪我は対応の仕方や処置の方法、未然に防ぎやすいアクシデントなのよ。
問題はね、見えない敵。
急な発熱だとか、熱中症・脱水症状。突然の意識消失やふらつき、嘔吐。
これらはね、よほど注意深く観察していないと見逃してしまうのよ。
「あれ?今日はいつもより声のトーンが低いなぁ」「足の運びが重いなぁ」「顔に血の気がないなぁ」「ちょっと痩せたか?」
脳内の私立探偵と会話をして、比較するのはその方が前回デイサービスを利用した時の様子。
こうして介護スタッフは日々、個人の脳内データベースに記録を保存していくわけね。そうしないと細かな違いには気づけない。もちろん既往歴や直近の様子などの情報共有には目を通しておく。そして、さりげなく観察してなければいけないのよね。
執拗に「大丈夫ですか?」って声をかけて回っていたら、居心地なんてあったもんじゃないから。
でも、それだけ注意していてもね、
目に見えない敵は介護スタッフの目をすり抜けて、
襲いかかってくるわけでさ、
コロナにしたって、いまだに「あの対策でよかったのか」「この対策でいいのか」なんて、本当はみんな疑問に思っているのにね。
もう議論することも無くなったよ。
でもまだ終わってないのよ。
利用者さんはマスクをしていなくて、ぼくらスタッフはマスクをしている。
これは一体、誰の何を守るための境界線なんだろうって。見えない敵は、人間の狡賢さを見えるようにしてしまったのかもしれないね。
入浴介助。
ここにも見えない的は襲ってきてね。
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介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。